怪我で陸上部を挫折し空虚な時間をバイトで潰している主人公に恋天使が恋愛させる話。
題名と設定がぶっ飛んでいるのに意外にシナリオも読めるHULOTTEによる池上茜先生原画集。
今回は突如恋天使に取り憑かれ90日以内に恋人ができないと性的不能になるという。
好感度を測定し数値上昇のための助言をくれるラブノートを使って恋人作りに邁進していく。
基本路線はキャラゲーで恋天使・幼馴染・Vtuber・妹・教員がメイン。後輩と店長は攻略できるの?
順当に考えると恋天使が真ヒロインでルートロック解放後グランドエンドというパターンが予測される。
見所となるのは主人公の挫折からの克服をどのように描くか。新たな生き甲斐を見出せるのか!?
挫折系主人公と言えば少女救済。そして真ヒロインのワケアリの謎。
- 挫折系主人公の新たなる生き甲斐
- 主人公はバイトに勤しむ高校生。突如恋天使に取り憑かれ90日以内に恋人を作らないと性的不能になると告げられます。主人公に与えられたアイテムはラブノートで、名前を書くと好感度が表示され、数値を上昇させるためにはどうすれば良いかを助言してくれます。このアイテムを使って主人公は恋愛することを目指していきます。攻略対象となるのは、恋天使・幼馴染・Vtuber・妹・教員の5人。後輩と店長が攻略できるのかは未知数です。個人的に一番好きなキャラは親友キャラでバイト仲間の沖恒まそら。主人公は怪我で陸上部を退部し挫折を味わうのですが、空虚な時間を過ごす主人公をバイトに誘ってくれたのがこのまそらだったのです。まそらは友キャラとしてざっくばらんに絡んできてくれて主人公にとってはありがたい存在。苦しい時に助けてくれて現在も明るく接してくれるなんて攻略したいに決まってんだろー!と思わずにはいられません。しかし悲しいかな、単なる友キャラだったらワンチャンありましたが、なんと男であり付いていることが明記されているのでした。『北へ。』の2作目とか『はぴねす』の準にゃんとか男の娘が攻略できるゲームもありますが、さすがにHULOTTEではやらねーよな!?
- 本作の一番の魅力と言えば、やはり挫折系主人公にあると言えるでしょう。今まで打ち込んできたものが、怪我により突然奪われてしまったという辛い現実。アイデンティティ崩壊。マネージャーとして部活に残る道もあったのでしょうが、皆が青春している中、自分だけ競技者として走れないというのはどんなに辛かったことでしょう。(ここだけ考えてみても一番辛かった時に主人公を支えた正ヒロインというべきなのはまひるなのですが、攻略できないバグ)。そんな挫折系主人公がヒロインと恋愛することによってトラウマを克服するという手法です。恋天使・幼馴染・Vtuber・妹・教員と付き合うことで、どのように人生に生き甲斐を見出していくのかに注目が集まります。
- ヒロイン雑感
- 【1】恋見エイル
- 【2】乾依鈴
- 幼馴染。陸上部所属の今を時めくエースであり、退部した主人公とは疎遠という設定。本人は主人公の事が大好きだけれども、だからこそ傷心の主人公に何もすることが出来なかったのです。今回の騒動で主人公が心を開いてくれるようになったため、尻尾を振って喜びます。若干湿度高めでお送りされており、主人公が悪友まひると仲良くしたり、転校してきたエイルとイチャラブする姿を見て、嫉妬の感情をぶつけてきます。陸上部でなにがしかの問題を抱えていることが匂わされていますが、依鈴ルートに入ると陸上と勉強を両立できず悩んでいることが判明。主人公がバイトをしているファミレスにふらっと訪れ現国が出来るかどうか聞いてきます。主人公たちの担任が現国であることから、一緒に勉強フラグがたったわ。主人公の怪我のトラウマに真っ向から挑まむことが依鈴ルートでは求められているため、ライターの責務は重い!
- 【3】西條琳果
- Vtuber/高飛車系ツンデレお嬢様。かつて病弱であったため病院暮らしが長く進学校に入れなかったという設定です。普段はガリベンで一流大学を目指しておりそのクールさで人気を集めていました。しかしその実態はVtuberだったのです。琳果は病院でVtuberを見ていて励まされ自分もなりたいと思ってVtuberを始めました。親や学校に内緒で秘密裏に配信を続ける日々。その活動はガリベンぼっちな琳果の生きる動機にもなっていたことでしょう。そしてここで主人公の陸上の怪我は入院が必要な程であったことがさり気なく開示されます。主人公もまた琳果のVtuberに励まされていたのです。Vtuberに励まされた琳果がVtuberとなって主人公を励ます……なんと運命的なのでしょう!と作中で煽りが入ります。フラグ形成過程としては以下の通り。①琳果がクレーンゲームでプライズゲットするのを主人公がサポート→②配信のネタでそのことが取り上げられたため本人確定→③ファミレスに呼び出してリアル対決→④ネットゲームで協力プレイをすることになりフラグ構築という流れです。(分かりやすいチャート方式)。Vtuber要素とリアル要素をどう深められるかにシナリオの質がかかってきそう。
- 【4】佐久真詩
- 【5】峰越琴雛
- 現国担当のおっとり系ほんわか女教師。多分腐女子と思われジャンプ漫画でエイルと盛り上がることになります。伏線としては店長と同級生であることが判明しており、恋愛よりも優先する事が存在すると匂わされることとなります。腐女子であることを鑑みると短絡的な考えですが同人作家もしくはコス女であることが予想されます。流石に泣きゲーじゃあるまいしホスピスの家族や友人がいるとかではないよな!?物語の原動力は女教師の秘密にあるため、どのようにその秘密を処理するのかがポイントか。また琴雛先生は作品中で選択肢があるし運命度も記載されているため攻略ヒロインであると思われるのだが、イベントCGや閨房描写が用意されていないのでサブヒロイン枠なのかもしれません。
- 【6】幸咲来瑠
- メーカー&クリエイター分析
- 【1】Hulotteの特徴は固定原画師にあり、池上茜さんが原画を担当することで有名な池上茜ゲーであります。複数シナリオライターであることが殆どであり専属はおらず毎回別のライターを起用しています。
- 【2】ポンコワの中で一番有名なライターは大量生産マシーンでお馴染みの保住圭氏。たくさんのシナリオを生み出せることに定評のある保住圭氏は、キャラゲーの萌え仕草に特化しているため量産できるのですが、一人の人間が生み出すためどうしても似たような内容になりがち。またテーマ性や思想性にも欠けるところがあるため、あくまで超絶に筆がはやく最低限の質を保証してくれるライターとして起用されている感じがします。本人もそれを自覚しているところがあり、シナリオのハウツー本を宣伝するツイートがSNS上でよく散見されます。
- 【3】続いて東雲和也さんと岩波零さん。この二人はカフス系列のご出身であり、これまではCUBEとSonoraで執筆してきました。今回なぜこの2人がHulotteで執筆することになったのかは謎に包まれています。お二人ともソロで執筆をなされたことはなく、複数シナリオライター作品の一角を担うというような位置づけ。名前だけでライター買いすることは無いかな。東雲和也さんの実績はゆらうか・恋課金・おなくら・響野の4作品。岩波零さんは神君と響野の2作品。お二人に共通する作品は響野であるため、この作品を契機に声がかかったのかもしれません。
- 【4】ラストの2名、蒼井かしいさんと猫川ゆいさんは全くの初見(別名義で書いているのかもしれませんが私は知らない)。後者の猫川ゆいさんは支部にSSがあり、五等分の花嫁の二次創作を書いていた模様。ネットのSSが注目されて声がかかるのも結構デビューパターンとしてあるあるよね。前者の蒼井かしいさんは完全に謎のライター。支部にもtwiにもいないので、どこから拾って来たんだ!と思うことしきり。シナリオライターのデビューパターンとしては、ネット上で知名度を上げたり、同人誌で声がかかったりする他、ラノベや脚本の賞に応募したりと様々経緯がありますが、web上に存在が無いとすると志願かコネのパターンもあり得ますね。
体験版ハイライト集
参考