雑録

SHAMAN KING &a garden 1巻-2巻の感想・レビュー

マンキン花組の過去編。如何にしてハオ一派に属するようになったのかが描かれる。
1巻では主にカンナが、2巻では主にマッチが主人公としてその悲劇が題材となる。
カンナは両親とメイドに愛を注がれ幸せな暮らしを送っていたが弁護士と親族に破壊される。
マッチは普段村人に尽くしていたオババが流行り病の際に見捨てられ人の心の残忍性を知る。
二人とも最終的にハオによって救われ彼の下へ着いて行くという流れになる。
武井宏之氏が描く女性陣も美しかったが、作画担当の鵺澤京という方の絵もとても綺麗。

名家の幸せな暮らしが一瞬で破壊されたカンナ

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カンナはドイツのユンカー出身。心優しき両親から愛情を注がれ、お付のメイドに支えられ、口からエクトプラズムが出る難病と生まれた時から向き合ってきました。屋敷の外には出られないものの何不自由のない暮らしを与えられ、事業の傍ら慈善活動を行う両親を尊敬していたのです。そんなカンナ√で特筆すべきなのがカンナを支えるメイド:ベスの存在。使用人の中で唯一カンナを恐れず、信頼の厚い主従関係で結ばれていました。ベスの支えもあり、霊感の強い自己と向き合うようになり、次第にエクトプラズムをコントロールできるようになっていきます。しかしながらここで悪徳弁護士と欲望に目がくらんだ親族たちが登場。イケメン弁護士に惚れそうになるカンナですが、なんとこの人物こそが、全ての元凶だったのです。霊に取りつかれたカレを助けたいと、誰かのために行動することを願ったカンナなのに、そのカレこそが霊を使って両親を殺したのだから悲劇としか言いようがありません。こうしてメイドのベスと二人だけになってしまったカンナ。最後までカンナについていこうとするベスが言葉ではなく態度で愛情を示しそれを受け入れるカンナの主従百合は大変素晴らしいものがあります。しかし屋敷に荷物を取りに戻ったベスは運悪く真相を知ってしまい悪徳弁護士により殺害されてしまいます。万事休すとなったカンナはエクトプラズムで対抗し、今までぼやけていた霊魂を具現化させることに成功。中世ドイツの騎士アシュクロフトを顕現させたのです。しかしこれでも分が悪かったところにハオ様登場。天国に昇ろうとしていた両親及びベスの霊魂と会わせてくれたのです。最終的にハオ様のスピリット・オブ・ファイアにより悪徳弁護士もろとも親族は焼却されたのでした。全てを失ったカンナがハオ様について行くことになった時の台詞「そっか、あんたがあたしの神サマってわけだね」のシーンは必見です。

 

村の為に貢献していたオババが掌返しで迫害される悲しみを背負うマッチ

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マッチは霊能力のせいで両親に捨てられた孤児。魔女であるオババに拾われた後、森の奥深く二人で暮らしてきました。シャーマンとしての稽古を受けながら、マッチはオババのおかげで心を取り繕うことなく生きられるようになります。オババは近隣の村では頼りにされる存在であり、村人が病気になると呼び出され、治癒の精霊を使って治療を行っていたのです。しかし人間というものは自分とは異なる不可思議な能力を毛嫌いするもの。オババに感謝しつつも気味悪さを感じていたのです。オババの事を悪く言うことを許せない無邪気なマッチ。しかしオババは擁護派と嫌悪派で対立が激化するよりも今のようなつかず離れずの関係性を選んだのでした。そんなマッチの持ち霊となるのが、切り裂きジャック。オババは強制的な浄化を好まず、ナイフに引き籠って出てこない霊魂を待っていたのですが、それがマッチと仲良くなるのです。魔女と村人の関係性から人類社会の縮図を目の当たりにしてきたマッチは順調にいけばコトワリを知り、それなりの幸せを掴めたでしょう。しかし運が悪いことに流行り病が発生。オババの治癒でも追いつかず逆に倒れてしまうのです。マッチはオババを助けてくれるように村中を廻りますが、嫌悪派から罵られ、擁護派の人々も謝罪こそすれ手を貸してはくれませんでした。こうしてマッチが孤独に打ちひしがれる中、オババの症状が悪化し死んでいくことになります。普段はオババの助けを求めながらも、危機の際には掌返しをする民衆の愚かさによりマッチは苦悩を深めていきます。