その着せ替え人形は恋をする 第3話「じゃ、付き合っちゃう?」の感想・レビュー

コス材料買い出しデート回。自己有用感の低い陰キャ男子をギャルが全肯定ムーブしてくる。
所謂「学校では評価されない項目ですからね」モノの亜種で承認欲求を満たす装置が炸裂する。
主人公はコス衣装作りを通してハイ・カーストのギャルと仲良くなるが周囲から白眼視される。
パリピなギャルは学校空間でも平然と話しかけて来るが、主人公は居た堪れなくなってしまう。
だが主人公の対人バリアをギャルは難なく破壊し、コス衣装買い出しデートへと洒落込む。
ここでも主人公の服飾スキルは遺憾なく発揮され、ギャルから尊敬の眼差しを受けるという構図。
一方でギャルも自分の趣味趣向に対する本質的理解者が現れご満悦。共依存になりそう。

「学校では評価されない項目ですからね」をヲタクに優しいギャルが評価してくれる

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ギャルに囲まれる根暗ぼっち主人公の図
  • ヲタクがギャルに自己有用感を満たされて行くとき、ギャルもまた自分の本当の理解者を得ていく「共依存」的関係の構築
    • 【一般的な根暗陰キャぼっちが密かに求めている学校空間という社会での評価】→【それをハイ・カーストの女にチヤホヤされることで満たしていく】→【ただし露骨にはならないように主人公が表面的には慌てふためく様子を見せながら】(分かりやすいチャート方式)。この展開パターンのようにこれまで「ヲタクに優しいギャル」モノで構築された文法を冒頭から遺憾なく発揮します。ギャルに絡まれることで共感的羞恥を刺激された視聴者も多そう。
    • そんなわけで学校で絡まれる描写をやった後には二人でコス衣装の材料調達という名の放課後デートへ繰り出します。ここでも主人公は服飾スキルを発動し、綿密な三面図を提示すると、ギャルの意見には左右されず、コス衣装への高みを追い求めていきます。流石は職人。この専門職ムーブがギャルを刺激してやまないのでしょう。ギャルはこれまで自分の意見を否定されたことはなく、適当に肯定されるおべっかを貰って来たことが匂わされているのですが、その常識を主人公に打ち砕かれたのです。主人公がちゃんと原作抜きゲーをプレイして、それを踏まえた上で返事している所が好感度爆上げ。原作への分かりみが深いのは誰だって惚れちゃうでしょ。一見すると陰キャぼっちがギャルとデートしてドキドキ☆的な描写をやりながら、その一方でギャルが主人公に惚れる要素を挿入しているのは表現がとても巧みです。ワザマエ。
    • 本作は拗らせた主人公を解きほぐして肯定する名言が毎回挿入されますが、今回は「綺麗」という言葉へのコダワリへの肯定が披露されました。何でもかんでもカワイイ・綺麗を連発するのが女子あるあるですが、主人公にとっての「綺麗」とは本当に琴線に触れた時にしか言えない言葉なのだとか。これを聞いて普通の女子だったらキモ~イ☆とか言いそうですが、ギャルはそれを肯定してくれるのです。これって主人公がコスしたギャルに「綺麗」って言っちゃって後からギャルがこの場面を思い出して心打たれるという伏線ですよね!?主人公に綺麗と言われて赤面するギャルの姿が楽しみです。
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コス衣装買い出しデート
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今回のコダワリ肯定タイム

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