プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2 Menu8「幸せを繋ぐ手紙〜緑の丘のアランチーニ〜」の感想・レビュー

労働集約的農業における共同作業を通して孤独な王女に人脈の結合を確信させる話。
一人で稲刈りに勤しむペコリーヌは存在忘却の呪いで孤独となった現況を噛み締める。
自分を愛してくれた国王夫妻や家臣団、王宮騎士団から個を認知されず一人ぼっち。
全てを失った王女は新しくペコリーヌの名を貰いギルドを作って居場所ができるが……
仲間に対して秘密を抱いている後ろめたさと真実を話した時の恐怖で板挟みになっていた。
そんなペコに仲間への信頼を確信させる装置が稲作の結制度だったというワケ。
ペコがこれまで関わった仲間たちが稲刈りの「テツダイ」に来てくれるのである。
大勢で収穫をするイベントスチルは圧巻!まさにプリンセスコネクトである。

仲間への信頼を労働集約的農業(稲作)の共同作業(結制度)で表現!

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ユースティアナの幻影に囚われるペコリーヌ
  • 秘密を抱えている後ろめたさと真実を話した時の恐怖
    • 今回は一人で稲刈りをするペコリーヌに焦点が当てられ「孤独」が表現されます。いや一人で稲刈りはムリダロ。現在稲作は資本集約的農業となりコンバインなどの機械を投入して少ない労働力でも実現可能です。しかし長い日本の歴史において稲作は労働集約的農業であり、稲刈り・はさがけ・脱穀・籾摺り・精米と手作業では莫大な労働力が必要でした。今回その莫大な作業をペコリーヌが一人でやっているわけで、孤独な作業の中で、過去の幻影と対峙するという流れになっています。
    • ペコリーヌはかつてランドソル王国の王女ユースティアナでしたが、存在忘却の呪いにより両親である国王夫妻、家臣団、王宮騎士団たちから存在を忘れられ、その地位を簒奪されてしまいます。孤独なり空腹で行き倒れていたユースティアナに、食料とペコリーヌの名を与えたのがコッコロちゃんであり、そこからギルド美食殿を結成して自分の居場所ができました。数々の冒険を経て多くの人々と知り合い人脈を作っていったペコリーヌでしたが、仲間たちに自分が王妃ユースティアナであることを打ち明けられず後ろめたさを感じていました。ペコリーヌがそのことを話せないのは、もし真実を話したら発生するであろう様々な恐怖に怯えていたからです。こうした後ろめたさと恐怖は、一人で稲刈りをする中で、鎌首をもたげてくるのです。

  • 仲間たちとの絆を稲刈りで表現
    • そんなペコリーヌに一人では無いと確信させ秘密を打ち明ける覚悟をさせるのが、稲作労働力!!今回のお話でコッコロちゃんが大量に書いていたお手紙は、友人知人たちに「テツダイ」を依頼するものだったというオチ。「これまで培った仲間たちの絆」と書くとチープになりがちですが、様々なクエストで関わった人々が恩返しと言わんばかりに助けに来てくれる展開はお約束ながらグッときますね。それが「稲刈り」で表現される作品というのも独自性があり、ペコリーヌが腹ペコキャラであるというキャラクター造形を活かしたものとなっています。
    • ペコリーヌが一大決心をし、事情を知るコッコロちゃんが感動する泣きゲー的な終局となりますが……主人公くんは記憶を取り戻しており、キャルはそもそも敵側のスパイだし、ペコの正体を知ってるわけで……次回どうなるのか視聴者に興味を植え付けて今回はおしまい。
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孤独なペコの前に美食殿メンバーが集う
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コッコロちゃんの手紙で稲刈りに参集!
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稲刈りを通して呪縛から解放されるペコリーヌ
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ぺコッコロ