虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期1話「新しいトキメキ」の感想・レビュー

続編の物語に新しいテーマを与えるため価値観の異なるライバルキャラを登場させる話。
しかし「アイドルと大衆の関係性」はゾンサガ純子√でもう既に扱われてしまったテーマで二番煎じ。
アイドルは大衆に与えるだけの絶対的な存在でファンから支えてもらうのではないという主張。
これを昭和と平成で対比させたのがゾンサガ、中華と日本で対比させるのが虹ヶ咲2期。
アニガサキ2期における中華アイドルは昭和アイドルの焼き直しなのである。
(大陸人の民族的傾向を表象する高慢なキャラ造形により分かりやすい敵作りには成功していたが)。
では何に新規性があるかといえば大衆(あなた)の象徴だった「侑」が大衆と乖離した矛盾を扱ったこと。
アニガサキ1期で個性を獲得した「侑」は最早大衆(あなた)ではないということを指摘したのである。

あなた(大衆)の象徴であったはずの「侑」が、個性を獲得し大衆と乖離したという矛盾を扱う

「あなた」(大衆)の象徴であったキャラが個性を獲得するという矛盾
  • 現代日本におけるファンとアイドルの関係性~「推し」を「推す」ということについて~
    • 第1期では全13話を使って壮大なぽむゆうの百合友情を描いたアニガサキ。少女たちがスクールアイドルに向き合うなかで自らのアイデンティティを模索していく姿は思春期の少女の心情がよく描かれており一定の評価を得ました。割と綺麗に終わったアニガサキですが、二期を作るには当然シナリオを展開する為の新しいテーマが必要です。そのために価値観の異なるライバルを登場させ、彼女に自分たちの価値観を認めさせることが当面の目標として提示されます。
    • しかしながらその価値観の中身を見ると、ゾンサガ1期純子√でもう既に扱われてしまったテーマ。それはアイドルと大衆の関係性であり、アイドルは大衆に対して与えるだけの絶対的な存在でありファンに支えてもらうのではないということ。昭和時代のアイドルはこのようなスタンスであり、中華アイドルはこの焼き直しをしているだけ。
    • では何に新規性があるかというと、現代日本におけるアイドルとファン(大衆)の関係性を作品に落とし込むと、ファンの象徴であった筈のキャラが個性を持ってしまうという矛盾を抉り出したということ。現代のアイドルはファンとの交流が消費の要素の一部となっており、それを象徴するのが「推し」という用語です。即ち大衆はアイドルを「推す」ことでライブや産業を盛り上げている気分になり業界の一員になったかの錯覚するのです。それが現代日本のアイドル産業であり、アイドルを「推す」大衆ポジションであったのが「あなた」である「侑」だったというワケ。
    • しかしアニガサキでは「あなた」である「侑」が個別キャラとして自我を持ち、最終的には音楽に生きる道を見出し「あなた」ではなくなります。そこの矛盾点を逆手に取って、ライバルキャラに指摘させることで物語に新しい動きを与えるといった点では、中華アイドルが掲げる価値観が昭和アイドルの焼き直しであったとしても、新規性があったかのように感じられます。
続編の新しい目標としてテンプレ的な敵キャラを用意

アニガサキ1期感想全13話


アニガサキ2期感想まとめ

]