ナマイキJKライブラリー【体験版】(DESSERT Soft)の感想・レビュー

不登校気味の女子校生が図書室の中年男性司書教諭を学校の居場所とする話。
コンセプトは非モテ童貞こじらせおじさんがメスガキにおちょくられる展開。
ぜろよん先生の『雑魚先生』を読んでいるような既視感があり時代はメスガキものか。
ぜろよん先生の作品は先生が最後に自殺してしまいJKが精神崩壊するカタルシスがあるが……
十全先生の本作はメスガキ分からせ路線となり結果的に中年おじさんに完堕ちする展開だった。
主人公のおじさんを受け入れられるかどうかで評価が分かれそう。

人生に絶望し社会的に孤立しており生存理由を見いだせず残りの生命が緩慢なる自殺に感じられる人々には刺さると思う。

おじさんを小馬鹿にしてくるJKに対する分析
  • こじらせおじさんが一番のウリなのかもしれない
    • プレイヤーによって合う合わないが大きそう。こじらせおじさんが主人公ですしプレイヤー層の高齢化を踏まえておじさんをターゲットにしてきた作品と言えます。冒頭の部分では確かにキモ描写の多いおじさんですが、本質的には善良な社会人ですので、序盤を乗り越えられればおじさんに愛着が湧いてきます。家族も友人も無く、家と職場の往復。仕事はキッチリするものの他者との繋がりは希薄で、社会的に孤立している。そんな社会人男性は多いのではないでしょうか。生きていても人生に生き甲斐を感じられず、寿命を迎えるまでの緩慢なる自殺。そんな中年男性が自分を小馬鹿にしてくる女子校生との交流を生きるよすがとしているわけです。
    • 女子校生が中年男性を小馬鹿にするのは全て好意の裏返しなのですが、こじらせおじさんにとってそれに気づくのは難しい。社会的責任を負うおじさんは鉄壁のガードを誇ります。それを次第に剥ぎ取っていくのが本作の見所であり、女子校生たちに堕とされて喜ぶキモイ自分を客観的に分析するおじさんの心情描写がグッとくる展開となっています。
    • ヒロインはキモヲタであることがバレてクラスに居場所がなくなったギャル、枕営業をしているとの噂を立てられた読モとかの芸能人、貧困で家に居場所がなく学校でも不良に搾取され隷属して喜ぶ小動物系ドMの3人。ギャルと芸能人が競り合い、素直なドMが漁夫の利を得るというような展開が強いかな。体験版では鉄壁ガードを誇っていたおじさんが煽られすぎてついに堪忍袋の緒が切れ、読モ系芸能人を手籠めにしてしまうところで幕を閉じる。温厚だったおじさんがブチギレ、メスガキ分からせをする描写は間違いなく逸品なので、体験版でも一見の価値アリ。家にも学校にも居場所がない女子校生たちと寂しさを埋め合う傷の舐めあいが頽廃的に描かれておりグッとくる。
刹那的にしか生きられない
ぼっちが極まると相手にしてもらえるだけで嬉しくなる悲劇
2022年5月ゲー

奇才!十全先生作品の感想集