アマナツ「相倉和葉」シナリオの感想・レビュー

都会育ちの主人公が山村の共同体の一員として迎え入れられ居候先の少女と家族になる話。
キャンプ・天体観測・期末試験・縁日を通して村の仲間になっていく青春が丁寧に描かれる。
キモヲタ・筋肉兄貴・オカマ先輩と男同士で馬鹿やってるノリが好きでもっとやって欲しかった。
ヒロイン和葉シナリオでは居候先のお客様から本当の家族になっていく過程が尊く感じられる。
ツンデレでいじっぱりだけど世話焼きで、父親が単身赴任で寂しさを抱える少女を支えましょう。
もっと村人イベント増やして主人公と両親の和解問題まで扱えば良作となったので勿体なかったかも。

相倉和葉のキャラクター表現とフラグ生成過程

居候先で役割を見出そうと必死になる主人公に家族になるよう諭す和葉
  • 居候先の同居人と徐々に「家族」になっていく過程が尊い
    • 相倉和葉は主人公の親戚で居候先の同居人。ツンデレで素直になれずギャーギャー騒ぐけれども気配り上手で世話焼きなオカン系同級生という設定です。物語は主人公が都会から田舎の山村にやってくるわけですが、そこで主人公が田舎にやってきた本当の理由(寂しさ)を直感的に見抜きます。そして主人公が村の一員になれるよう陰に日向に支えてくれるのです。友達や仲間に人一倍憧れのある主人公と共にキャンプ・天体観測・期末試験・縁日などのイベントを消化していきます。主人公は田舎生活の中で自分の役割や立ち位置を見つけたいと他者需要願望を募らせるのですが、和葉はそんな意識などせずにリラックスして家族になって!と主人公を受け入れていくのです。勉強以外何もできないのに何かとやりたがる主人公に仕事を割り振りサポートし徐々に技能を身につけさせていくところが結構好き。

  • 大好きなお父さんが単身赴任で甘える相手が居なくて寂しさを感じている少女
    • さてそんなオカン気質な和葉ですが、寂しさもまた抱えていました。和葉はお父さんっ子だったのであり、父親こそ甘えられる唯一の相手でした。しかしながら父親は都会へ単身赴任で出稼ぎに出ており、村では母一人子一人の生活を送っていたのです。和葉はアレコレと口出ししてくる母親には反発してしまい自分の寂しいキモチなどを表すことができませんでした。そんな和葉の寂しさを埋めてあげればフラグは成立。ツンデレで意地っ張りな和葉がデレ化する所はまさに本シナリオの一番のウリといっても過言ではありません。特にこれといったビッグイベントは無いのですが、居候先のお客様→山村における共同体の仲間→相倉家の家族の一員→和葉との夫婦と親密な関係になっていく様子が緩やかに描かれており、そんなキャラゲーを眺めるのが好きな人にとっては刺さりそう。惜しむらくは、主人公の家族問題が描かれないこと。主人公は両親に勉強漬けにさせられたり、両親に構って貰えず良い子を演じるしかなかったりと様々な背景が伏線として張られていたのですが、和葉が主人公の両親に会うイベントとか特に無かったので、そこは少し残念かな。
所帯染みたオカン属性を高く評価される和葉
実は寂しがり屋でお父さんが単身赴任であるため寂しさを抱えていた和葉
主人公とギャーギャー騒ぐ和葉

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