【感想】ウマ娘 シンデレラグレイ 第二章「1988年下半期~タマモクロスとの激闘篇~」(29話~76話)

シンデレラグレイ第二章はタマモクロスとの戦いを中心として描かれる。
オグリは日本ダービーに出られなかったことから目標を喪失してしまう。
そんなオグリに対するマーチの激励により日本一のウマ娘を目指すことにする。
その前に立ちはだかったのがこの時点では最強を誇ったタマモクロスだったというワケ。
秋天、次いでJCと激闘を繰り広げ、最終的に有馬記念でオグリはタマに勝利する。

【目次】

日本ダービーに参加できなかったショックと新たな目標

日本ダービーという目標の喪失と新たな挑戦(日本一のウマ娘)

日本ダービーに参加できなかったオグリキャップ。しかしながらその実績により怪物という二つ名まで獲得する程、実力を認められていた。だがオグリ自身は日本ダービーに参加できなかったことから目標を喪失してしまう。そんなオグリに新たな目標を与えるのがカサマツ時代の親友フジサママーチ。自分が走るレースを最高のレースにすればいいという助言を得たオグリは、日本一のウマ娘を目指すため、最強の存在タマモクロスを倒すことを新たな目標に据える。高松宮杯(1988.7.10)に勝利したオグリは天皇賞(秋)でのタマモクロスとの戦いに備えて毎日王冠(1988.10.9)に出走する。このレースはGⅡだが幅広い適性の一流ウマ娘が出走するためスーパーGⅡとも呼ばれていた。ここでオグリは各ウマ娘から徹底的にマークされてしまい、まったく内に入れなかった。それにも関わらず後方から大外廻って差し切りシリウスシンボリすら寄せ付けずに勝利を掴み取る。毎日王冠にも勝利したオグリはいよいよ次回からタマモクロスと戦うことになる。一方のタマは秋天ジャパンカップ有馬記念のGⅠ全てに勝利することを宣言。これ以降、オグリとタマは死闘を繰り広げることとなる。
 

秋天(1988.10.30) ~オグリキャップのゾーンの目覚め~

秋天では怪物オグリへの対抗心からタマモクロスがゾーンに覚醒し勝利する

まずは秋天。タマとオグリの初の直接対決。タマはここでいつもとは違う戦法を取り最初から逃げる。これにはタマのトレーナーもビックリだったが、最初から逃げをとったことによりロードロイヤルの体力削り戦法にも対応する事が出来た。一方オグリは自分のレースをするよう六平さんから言われており、最後まで中位を維持し最後に末脚を発動する。そんなわけで最後はオグリとタマの一騎打ち。流石のタマもトップスピードで走り続けたため限界かと思われた。だがここで突如始まる回想シーン。タマには幼少期に指導してくれたおっちゃんがおり彼は現在死に瀕していた。おっちゃんに勝利を捧げるためにもタマは負けるわけにはいかなかったのである。怪物オグリの脅威に対してタマはここで覚醒し領域(ゾーン)に入る術を知る。こうしてオグリの怒涛の末脚に対してタマは"白い稲妻"を発動。天皇賞(秋)はタマの勝利に終わるのであった。
 

菊花賞(1988.11.6) ~スーパークリーク物語~

スーパークリーク×奈瀬文乃の物語

ジャパンカップの前に一休止。ここでオグリが出られないクラシックの話が挿入され菊花賞が描かれる。主役となるのはスーパークリーク。ここではトレーナーにも焦点が当てられることとなり、偉大なる父親と常に比較されてしまう「奈瀬文乃」がクリークと共に菊花賞へ挑む。アプリ版では最初から強いウマ娘であるイメージが強いスーパークリークだが漫画版ではガラスの脚であり思うように勝てなかった。このクリークを見捨てず粘り強く育てていったのが奈瀬文乃だったのである。クリークも彼女を信じて全力を出さずに我慢し、スタミナを鍛えていく。そしてクリークの才能は一気に菊花賞で開花するのだ。3000mという長距離は持久力だけでなく脳にも負荷がかかり思考力も低下する。そのような中でスーパークリークは一瞬の隙をついて中から駆け上がり、ヤエノムテキをちぎって1着となる。これまで諦めずに鍛錬して来たクリークはここで花が開く。以降クリークのバブミも徐々に芽生えはじめ、父親に対してコンプレックスを持つ奈瀬文乃に対して母性を抱き始める。あと何気にヤエノムテキが少年漫画の主人公ばりな路線をとっている。
 

ジャパンカップ(1988.11.27) ~ゾーンを発動できないオグリキャップ

タマモクロスとオベイユアマスターの存在証明を賭けた死闘

菊花賞を挟んでいよいよジャパンカップ!海外からやってきたつよつよウマ娘たちとタマやオグリは戦うことになる。ここでオグリやタマ以外に半オリジナルキャラのベルノライトにも焦点が当てられる。彼女は研修生枠としてオグリを支えるためにカサマツから共にやってきたが、ここで情報収集の甘さを痛感させられるのだ。オグリの中央でのトレーナーである六平さんから偵察を頼まれたベルノライトは自分なりに海外ウマ娘たちの情報を集めていく。だが同じように道化師の仮面をかぶりながら徹底的に情報収集を行うウマ娘がおり、結果的に彼女にしてやられる。その名はオベイユアマスター。GⅠ勝ち星ゼロだった彼女は日本のJCに人生を賭けたのである。こうして始まったジャパンカップ。オグリは先行策を取るが海外ウマ娘たちとの激しいポジション争いに敗れて後方へと下がる。一方のタマも熾烈なラフプレイに悩まされるが冷静に外から巻き返していく。ゾーン「白い稲妻」を使用するタマモクロスに対し、人生を賭けるオベイユアマスターが不完全ながらもゾーンを発動。勝負は二人の一騎打ちとなるが、我らがオグリは不死鳥のように脅威の末脚を発動する。だがオグリはゾーンに目覚めておらず1着のオベイにも2着のタマにも一歩及ばず。最終的に3着となる。ここからオグリは自分に足りないものは何かについて悩んでいくことになる。
 

有馬記念(1988.12.25) ~ついにオグリがタマに勝利する~

領域に達することが出来ず挫折したオグリがキタハラの不屈の精神を見て復活する

ジャパンカップで敗北したオグリは闘争心を失ってしまう。そんなオグリに対し級友のディクタストライカは領域の使い方を指南し、あと一歩で覚醒できるところまで導く。一方でトレーナーの六平はカサマツ時代のメンバーや北原を呼び寄せ、オグリに初心に帰らせる。オグリはタマをライバル視し過ぎていたが、彼女らとのひと時の交流により、走る楽しさを思い出す。さらにジャパンカップの情報戦で悔しい思いをしたベルノライトは坂路の攻め方を研究しオグリに伝授する。こうして再び闘志を燃やしたオグリはタマとの最終戦に臨んでいく。いつもの如く逃げのロードロイヤルがレースを作る中、有馬記念で活躍することになるのはタマ・オグリ・クリーク・ディクタストライカの4頭。もう既にゾーンを使いこなせるタマが圧倒的な強さを見せ、その後ろをディクタストライカが同じ様にゾーンを使って追う。クリークはステイヤーとしての才能を開花させゾーンを使えないものの強靭なスタミナで追いすがる。では我らがオグリはどうなったのか。タマに追いつかれたオグリはここへ来てようやくゾーンに覚醒。「灰の怪物」を使用しタマに挑む。こうしてオグリとタマによる初のゾーン対決が実現。ここでオグリは敵は誰もいない、戦うべき相手は自分自身だと、自分の生きる理由を走ることに見出しタマとの接戦に勝利することになる。タマは有馬記念が最終レースであったが、ついにオグリは最後の戦いでタマに勝つことができたのであった。こうして第二章、白い稲妻篇は幕を閉じることになる。

ついにオグリが領域に覚醒しタマに勝利する