スローループ 第3話「ありがとう」の感想・レビュー

再婚家庭の親睦を深めるために、釣りキャンに行く話。
ひよりも小春もそれぞれの義父・義母になかなか馴染めなかった。
そんな中、アルバムで釣りキャンの写真を見つけ、親睦のきっかけを掴む。
早速海凪家は吉永家と共に釣りキャンに行くが、海凪夫妻は吉永家の子守係となる。
いやはや吉永家のちびっ子たちが海凪ペアレンツと仲良くなってどうすんねん。
しかしながら恋の助言で家族の在り方は様々な事を知りひよりと小春は現況を受け入れる。
ちびっ子の子守をする義父にひよりは歩み寄り、すこし心を開くのであった。
最後は再婚家庭に染まっていくひよりが死んだ実父を想って涙を流す。

家族の在り方は千差万別であり、無理して仲良くなろうとしなくてもいい。

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釣りキャン
  • 釣りキャンへGo!
    • 再婚家庭の姉妹として絆を深めていくひよりと小春。アルバムを見ながらそれぞれ死別した片親について語っていきます。ひよりの父親は病気だったらしく余命宣告があったとのこと。一方で小春は母及び弟とは事故で死別だったことが明らかになります。二人は着実に仲良くなっていったのですが、それではそれぞれの義父・義母との関係はどうかといえば、なかなか馴染めないものでした。知らないオジサン・オバサンと暮らしているとの表現は言い得て妙であり、これを何とかするべく、アルバムで見た釣りキャンを新生海凪家でも実行することになったのです。
    • で、当然のように家族ぐるみイベントに参加する吉永家一行。しかも海凪家の関係改善がねらいなのに、釣りキチ吉永ダディにより、海凪家の親たちは吉永家のちびっ子の子守役に。視聴者のツッコミは全て恋が担当してくれております。関係改善はひとまず脇に置き、ひよりと小春はペアを組んでボートに乗り込みます。ここでの見どころはひよりの心情描写。これまでは死んだ父の幻影を追い求めて釣りをしていたのですが、最近は釣りが楽しいと述懐していきます。これも全ては一緒に釣りを楽しんでくれる小春のおかげ。ひよりは感謝の言葉を述べたいのですが、それがなかなか言えません。この「ありがとう」という言葉は今回のサブタイにもなっており、夕食の場面では意識せずにナチュラルに言えている所が尊みを感じさせます。

 

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家族の在り方・親という人間
  • 海凪家の親子の関係はどうなった?
    • ところで、本来の目的であったそれぞれの義父・義母との関係性の改善はどうなったのでしょうか。これに対しては、恋のアドバイスが二人を導くことになります。恋とその釣りキチダディは一見すると仲が良さそうに見えますが、これまでには色々とあったみたい。それでも恋が釣りキチな父を受け入れることが出来たのは、親も人間として見られるようになったからだとか。幼少の頃って親は絶対的な存在であり、それこそ神なのかもしれません。親を絶対視するとしたら、子どもは親に完璧を求めがちであり、親が神でないと失望してしまうのでしょう。おそらく恋は釣りキチなダディが許せなかったことが匂わされています。それでもなにがしかのきっかけがあって親も人間として見ることができるようになったら精神的に楽になったと述べるのです。
    • 抽象的な哲学的アドバイスでしたが、これにはひよりも思うところがあり、義父に対して心を開き、歩み寄っていきます。吉永家のちびっ子その1の面倒を見る義父に対して、料理をよそってあげるのでした。一方、小春は義母と共に料理トークで花を咲かせます。スーパーのお惣菜ばかりだったと言う義母に対して、否定することなくお惣菜美味しいですよねと返せる小春はやっぱスゲーやつだよ。そんなわけで当初の目的は無事に果たせたわけですが、再婚家庭で仲良くなればなるほど、ひよりは死んだ実父を想わずにはいられません。もし父が今の自分を見たら、自分として認識してくれるかなと思い悩みます。そんなひよりに対して前向きな言葉で肯定する小春。涙を流して感傷的になるひよりを精神的に支えてくれるのでした。
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義父に歩み寄るひより
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亡き父に想いを馳せるひより

スローループ感想まとめ