【感想】ヴィンランド・サガ奴隷編 第2話「ボンクラ息子オルマルくん登場」を見た。

A-part:奴隷身分の建前と実態、B-part:奴隷編もう一人の主役級!ボンボン息子オルマルくんが登場。
A-partではエイナルが領主ケティルに解放の建前を説明され労働意欲を喚起させるがすぐに実態を知る。
現場の奉公人たちはトルフィンたち奴隷を虐め食事の中抜きや作業の押し付けなどを行っていたのだ。
エイナルは不服を持ちケティルに訴えようとするが、ケティルの愛人アルネイズに一目惚れし矛を収める。
B-partでは奴隷編で一番成長するオルマルくんが登場。農場一個丸々潰してオルマルくんは大人になるのだ。
初期のオルマルくんは反抗期真っ只中であり農場を継ぐの嫌がり仕事を覚えようとせず戦での武功を夢見る。
だがオルマルくんは甘やかされてボンボンでその実力はカスであり剣を鞘から抜く事すら出来ないのである。
このオルマルくんの愚行が農場接収の口実に使われてしまいクヌートの侵攻を受けることになる。

エイナル√:奴隷ライフ入門編

奉公人から理不尽な対応をされ奴隷の実態を知っていくエイナル
  • 奴隷身分の建前と実態
    • ケティルに奴隷として買われたエイナルはトルフィンに引き合わされコンビを組まされる。ケティルが言うには森を開拓して畑にし小麦を栽培すればそれを正規の価格で買い取るので自分の身分を買い戻して奴隷から解放されろとのこと。この言葉に勇気づけられたエイナルは将来に展望が開けた気分になり労働意欲も上昇。初日からトルフィンの仕事を手伝いだすのだが、次第に奴隷身分の実態が明らかになっていく。農場領主が良い人だからと言って、他の人々がそうだとは限らない。ケティル農場の奉公人たちは自分の土地が持てない小作人であるため、奴隷を虐めることで自分を保とうとしており、何かにつけて理不尽な目に合わせて来る。トルフィンやエイナルの昼食を食い散らかしてしまうし、馬で木を運び筏にして川に流す作業もトルフィンたちに押し付けていた。エイナルは奴隷根性に染まっておらずこれらの不当な仕打ちを未だ受け入れることができない。トルフィンは言っても無駄であり嫌がらせが酷くなるだけだと諦観している。こうしてエイナルはケティルに奉公人たちのことを報告しようとするのだが、ケティルが連れていた女奴隷アルネイズに一目惚れし、いったんは奴隷身分であることを受け入れる。それでも現状に納得してはおらず、労働に人種の違いなど無いことや故郷の村が収奪にあったことをなどをトルフィンに吐露していく。だがトルフィンはかつて略奪者サイドであったため、自分が殺していた対象のエイナルと触れ合うことで、苦悩を深めていく。エイナルと友情を育むことがトルフィンにとって救いとなるんだね。尊い
人生を諦観し死んだ魚のような目をするトルフィンに人間の尊厳を説くエイナル
エイナル、女奴隷アルネイズに一目惚れし、奴隷であることをひとまず受け入れる

オルマル√:ボンボンにありがちなこと

反抗期真っ只中のオルマルくん
  • 全てを与えられているが故の不満。恩恵を受けている身であるのに、恵まれた状況が自己の能力に起因するものではないと分かっているため、父親の威光を受け入れられない。
    • B-partでは奴隷編のもう一人の主役であるオルマルくんが登場。ボンボンのならず者が身から出た錆である試練や悲劇を通していっぱしの大人になるという王道の成長譚を担うのがオルマルくんである。近いキャラで言えばアリスソフトのランスシリーズのパットンくんみたいなもの。そんなわけで初登場時はボンクラであればボンクラである方が良い。オルマルくんはパパの言うことを聞くのが気に食わない反抗期であり、農場の仕事の指導を素直に受け入れることが出来ない。ケティルもケティルでオルマルくんを認めようとせず自分の価値観を至上と信じてそれを全て押し付けようとするので反りが合わない。こうしてオルマルくんは仕事を投げ出してしまい、誰も分かってくれないと喚きだす。オルマルくんは戦働きをして剣で成り上がると叫んでいるわけだが、その能力はカスであり、剣を鞘から抜く事すらできない。大地主の子倅が全てを与えられているからこその不満。誰も自分自身のことを見てくれず、女を抱いても傭兵と飲んでも、皆が領主の息子というステータス目当てで接してくると思い込む。それを飲み込んで自らに負わされた地位を受け入れれば大人になれるが、オルマルくんは思春期真っ只中であり、そうすることができない。このオルマルくんのもどかしさが物語を動かす原動力となっており、農場の接収と侵略という悲劇を生むのだが、この一連の出来事を通してオルマルくんは成長し、ホントウの領主となるのである。だからこそオルマルはそのアホさが倦厭される一方で、人間の負の部分をありありと描き出すことに成功しており、人気も根強いんだろうね。傭兵が麦畑を平然と踏み散らかすのを見て麦の心配をするオルマルくんカワイイ。
女を抱いても傭兵と酒を飲んでも満たされない

関連



参照