【感想】老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 第3話「詐欺罪に手を染めていく少女ミツハ」を見た。

当たり屋からの詐欺罪でカネを巻き上げた相手に家族の憧憬を求めて泣くとかいうトンデモ展開。
異世界でどのようにカネを稼ぐかが注目されていたが王都で自分の店を持ち雑貨屋をするとのこと。
今回はその下準備として、資本金と王都でのコネを作るために伯爵家を騙すことがメインとなる。
献上品として十徳ナイフを贈る場面やお涙頂戴を誘って同情を得るシーンはギャグでしかない。
しかも自分が騙してカネを巻き上げた相手に家族を感じて泣いて甘えるとか感覚どうなってんじゃい。

これはギャグアニメで皆でツッコミを入れながらニコ動とかで見るのが本懐の作品っぽい

最早ギャグでしかない十徳ナイフ!
  • 丁稚奉公や行商人パートなどスキップです!
    • 異世界でカネを稼ぐというタイトルの本作。視聴者の期待としては現代知識無双により商業と経済の知識で活躍することが求められていた。今回の話ではようやく異世界でどのようにカネを稼ぐのかが示されるのだが、王都で雑貨屋をやるというもの。いや、そのまえにイキナリ店持てるんかーい。この作品はナーロッパであり、現世の中世ヨーロッパとダブらせていたとすると、店を持つって商人的にはかなり後の段階となるのでは(『狼と香辛料』では最終目標が店を持つことだった)。奉公人も行商人も経験しないでイキナリお店を持てるの!?中世ヨーロッパとは一体……(※ナーロッパです)。経営のノウハウも持たない高校出たての無職ニートがお店なんて経営できるのか?とボブは訝しんだ。

  • 今回もツッコミどころ満載!当たり屋からの詐欺罪
    • 今回の内容としては王都で出店するための許可と資本金を得るために、地方領主を騙すことに焦点が当てられた。イキナリ当たり屋で犯罪を決行!爆竹を鳴らして伯爵の子弟が乗る馬車を驚かせると、さも轢かれたかのように演技をして貴族の屋敷に運び込まれることに成功。そして貢物を送って知己を得ようとするのだが、少女が出したものはなんと十徳ナイフ……。なぜ十徳ナイフが喜ばれるのか特に何の説明もないままナーロッパの貴族身分の人々は喜びに溢れる。この時点でとてつもないシュールでありギャグ。そしてそこから少女は嘘八百を並び立てていく。異国の地出身である自分は故郷では王族であり、父が死んだことで家督継承争いが勃発したのだが、弟を支持する派閥と抗争するのは嫌だから、身を引いて亡命した、今後は自立して生活するためお店を開くのだ!とか何とか筋書を話す。このお涙頂戴劇場により貴族の皆さんは感涙するのであった。そして少女はダメ押しとして養殖真珠のネックレスを献上するのだが、これは国宝級のアイテムとか言われてひたすら賞賛され、後ろ盾と資本金を獲得することに成功した。

  • なろう系のエッセンス!
    • このようにして人の良い貴族を騙して成果を手にした主人公の少女。普通だったら丁稚奉公や行商をやって経済のノウハウを身に付け、資本金を蓄積し、仲間内から信頼を得ていくのだが、そういったコツコツやっていく描写を全てスキップしてしまった。寧ろそういうのを丁寧に描いたのが『狼と香辛料』だったのかもしれない。しかしもう時代が変わった。なろう系ではコツコツやっていくことを嫌い、人を騙してまでも自分が良ければそれで良いという行動原理が支持されるのだということが明らかになった。あと特徴的なのは連作障害や特産品のブランド化など自分が実際に経験したのではないSNS上の聞きかじりの伝聞をさも得意げに自分の功績であるかのように語る精神性。そして何より騙し尽くした相手に対して自分の亡くなった家族の憧憬を感じ、泣いて甘えるとかどういう精神構造をしているのか。脚本が最早ギャグでしかない。少女の浅はかな思い付きが全て上手くいくご都合主義的展開の茶番劇のような感じであった。多分この作品はニコ動とかで皆で一緒にみながら「ねーよ」とツッコミを入れるのが正しい楽しみ方なのであろう。
でっち上げの過去話をし、お涙頂戴を誘う
連作障害の防止や特産品の開発など誇大妄想を語るミツハ
詐欺で騙した相手に家族の憧憬を感じ甘えて泣きだすとかいうシュールさ

ろうきん感想まとめ


参照