【感想】ヴィンランド・サガ奴隷編 第3話「今まで生きてて良い事一つも無かったよ」を見た。

半人前で馬鹿にされることが悔しいというオルマルくんを大人にするため殺しの経験をさせようという話。
思春期ボーイオルマルくんはアイデンティティの確立に苦悩し、荒んだ生活を送っていた。
見かねた用心棒たちはオルマルくんを大人にするため、大人になるための通過儀礼を行わせようとする。
それこそが殺しの経験であり、対象としてトルフィンとエイナルが選ばれてしまう。
エイナルは必死になって抵抗するが、トルフィンは自らが切られると申し出たため用心棒の怒りを買う。
トルフィンは人生に絶望しているが故に死んでも良いと思っており生きてて良い事一つも無かったと述べる。
ますます逆上する用心棒たちだが、そこへ彼らの親玉が帰還し、トルフィンは一命を取り留める。

人生に絶望しており死なないから生きているだけのトルフィン

用心棒たちに喧嘩を売るも秒でのされるオルマルくん
  • 高校倫理の青年期の思想的なところで悩むオルマルくん
    • 今回の前半の主役はオルマル君。彼は17歳という思春期であり、大人でもなく子供でもないマージナルマンの時期に当たり、アイデンティティの確立に悩んでいた。皆が半人前扱いすることが許せないというオルマルくんは喚き散らし、用心棒にも喧嘩を売るが、秒でのされて泣き散らす。手を付けられない状態になったオルマルくんを見た用心棒たちは殺しの経験を積ませることで通過儀礼を果たし、さっさとオルマルくんを大人にしてしまおうとする。ビビり散らすオルマルくんのために用意されたのが奴隷であり、それ即ちトルフィンとエイナルだったというわけさ。こうして二人はオルマルくんの前に連れ出され、殺されることになる。だがエイナルは必死の抵抗を試みオルマルくんに襲い掛かり、トルフィンに逃げて助けを求めるように促す。エイナルはオルマルくんに掴みかかり押し倒す。

 

オルマルくんに殺されることになったエイナルは必死で抵抗
  • 人生に絶望するトルフィン
    • エイナルとオルマルくんの戦いを囃し立てる用心棒たち。それを見たトルフィンが介入し、後半は彼が主役となる。何とトルフィンは自分がエイナルの代わりに切られるというのだ。これを聞いてブチぎれるのが用心棒たち。彼は死を商品として扱っているため、死を怖れない人間が現われると商品価値が下がると言う。そのため用心棒たちはトルフィンが死を怖れて泣き喚くまで痛めつけることを決意。トルフィンは剣で身体を刻まれていく。だが多くの戦場を経験しているトルフィンにとって殺意の無い攻撃など恐れるに足らず。そして人生に絶望したトルフィンは自分の死生観を呟いていく。幼少の頃に父を殺されたトルフィンはその仇を撃つべくアシェラッドを殺す事だけを人生の目的にして過酷な戦場暮らしをしてきたが、その一方でアシェラッドに対して父に対する愛情を抱いていたこともまた事実であり、最後は彼が自分の為に死んだことで、自分はピエロだと気付くのである。そんなトルフィンは人生に絶望し、今まで生きてて良い事一つも無かったと呟くのである。そんなトルフィンの言葉を聞いて、用心棒たちはますますブチギレ。耳端を切り落とすと、次は目を狙うと言って脅すのであった。結局は一連の事情を見ていた用心棒たちの長である蛇が介入することで、騒動は幕を閉じることになる。人生の絶望の淵にいるトルフィンがこれからどうやって生きる目的を見出していくのかが奴隷編の見所の一つだ!
人生に絶望するトルフィンは死などどうでも良いと言う
トルフィンの発言にブチ切れる用心棒

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