桐月「悠刻のファムファタル体験版」(Escu:de)の感想・レビュー

一発屋で終わった売れないラノベ作家が祖母の死を契機に山奥の洋館でメイドの客人となる話。
主人公は1作目がヒットしてデビューしたラノベ作家だが2作目以降が鳴かず飛ばずであった。
執筆のフラストレーションに苦しんでいたが、愛する祖母が亡くなり精神的にもショックを受ける。
遺品整理の際に見つけた封書に記されていた電話番号に連絡を取ると山奥の洋館に招待された。
そこは主不在にも関わらずメイドが4人(+1人)おり、客人となって欲しいという依頼を受ける。
また館を題材にした作品を書いて欲しいとも言われ、逡巡した後、引き受ける事となった。
数日後、東京での仕事が入ったため洋館を去ったが、自分が書いたのにその記憶の無い文章を見つける。
そこにはメイドたちを死姦したことが記されており、主人公は狂乱に陥りながらも、作品を仕上げる。
これが大ヒットとなり社会的に成功。20年後に洋館を再訪するが変わらぬ姿のメイド達がいたよエンド。
OPが流れた後、選択肢ロックが外れるが、こちらの分岐はメイド達を次々とお手付きにしてしまうルート。

プロローグは舞台装置と登場人物の設定説明が冗長。伝奇編に入るまでには読者の根性が必要

山奥の洋館×主不在のメイド×地域の信仰祭祀

伝奇編になれば面白くなると予想されているが、それまでがとてもつらい。テキストを読み進めるのに我慢が必要。耐えろ。

主人公は売れないラノベ作家。成功した1作目でデビューしラノベ作家となったが2作目以降が鳴かず飛ばずで執筆に苦しんでいた。また親しかった祖母が死に精神的に参ってしまう。祖母の遺品を整理していると封書を見つけ、そこに連絡を取ると山奥の洋館に招待されることとなった。そこには主が不在なのに4人(+1人)のメイドがおり、もてなしを受ける事になる。なんでも主人公を客として滞在して普段振るうことのないメイドスキルを実践したいのだという。また洋館を舞台にした何らかの作品の執筆も依頼される。主人公くんは少し迷ったが、それらを受け容れることとなった。

こうして物語が始まったのだが、ここから伝奇編に入るまでは物凄く長く感じられ、文章が冗長過ぎるように感じる。舞台装置や登場人物の説明的な描写に多大な分量のテキストが割かれており、ついて来られる読者を選別し始める。多分ここでギブアップするプレイヤーも多そう。そして売れないラノベ作家とかいう主人公くんが、ちょくちょく物語作成論を説明し出すのでこれもまたつらい。作家という仕事自体が本作の題材の一つであるため致し方無いのだろうが、作品ジャンルが伝奇でプレイヤーもそれを求めているため、物語論必要ですか?状態になる。これまた読み進めるのに多大な労力が必要となる。そんなことより祭祀の話を読ませてよ!本作では洋館が所在する地域の伝統的祭祀が途絶えてしまい、地域振興のために復活させようとしているのだとか。町長の話ではこれが洋館の主と密接な関係があるとのこと。体験版なんだからtipsとかでもいいので面白いとこ見たかったな。

で、ようやくプロローグが終わりに近づくとようやく面白味を感じられるようになる。東京から主人公に執筆依頼の連絡が来て、打ち合わせのために一旦洋館を離れるのである。だが帰りの電車の中で、自分が書いた文章なのにその記憶の無いテキストを見つける。そこには主人公が洋館のメイド達を次々と死姦して楽しむ様子が記されている。主人公はメイドの中の一人に占いをしてもらった際に狂乱という文字を提示されたこともあり、発狂してしまう。以降、逮捕を怖れながらも憑かれた様に洋館とメイドを題材にした作品を仕上げ、これが大ヒットとなる。20年後、社会的に成功した主人公の姿が!!洋館に再訪を請われ、それを受けるも、屋敷には依然と変わらぬメイド達がおり、今度は永住となるよエンドを迎える。OPが流れた後、選択肢ロックが解除され、もう一つのルート分岐を見ることができるが、こちらはメイドに次々と手を付け快楽と淫靡の性活を送るシナリオとなる。このルートでも主人公は一旦屋敷を離れて再訪することになるのだが、子どもが生まれていたことを推察させる描写が入り、そのまま幕を閉じる。

女系家族の意味
途絶えてしまった祭祀
メイド死姦エンド(1周目)
肉欲とその解放
お手付きを望むメイド達
次々とメイド達と交わる主人公
肉欲の解放と淫靡で爛れた性活

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