【講義のまとめのまとめ】聴覚障害児の心理、生理及び病理

講義各回のまとめ部分を抽出したもの。個人的学習用メモ。

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01_聴覚障害の生理Ⅰ(聴覚機能)

  • 本講義では、末梢聴覚系と中枢聴覚系に分けて、耳の構造と機能について説明しました。
    • まず、末梢聴覚系についてです。末梢聴覚系は、外耳、中耳、内耳に分けられ、外耳と中耳は伝音機構を、内耳は感音機構を担っています。
      • 伝音機構では、外耳の外耳道共鳴の機能と、中耳での耳小骨の連鎖によって音圧が増強されます。
      • 感音機構では、内耳の蝸牛では、蝸牛の入り口付近で高い音、奥の方で低い音が感受されます。また、蝸牛には、感覚細胞として2種類の有毛細胞があります。外有毛細胞の働きが無くなると、音は聞こえても話の内容がはっきりと分からないという状況が生じてきます。内有毛細胞の働きがなくなると、中枢聴覚伝導路を経て、脳に音として伝達することができません。
    • 次に、中枢聴覚系についてです。聴神経から大脳に至るまでの経路を、中枢聴覚伝導路と言います。末梢聴覚系から入力された音情報を、中枢聴覚系によって統合・分析する過程を通して、両耳聴が機能することにより、日常生活でのより効果的な聞き取りが可能となります。

02_聴覚障害の生理Ⅱ聴力を中心とした聴覚機能と評価

  • 本講義のまとめです。本講義では、聴覚機能の基本的事項、さまざまな聴力検査の概要、オージオグラムの基本的な見方について説明しました。
  • 聴覚機能とは、音の存在を感じること、また音の発生部位、音の高低、音量、音質の識別に関する感覚機能であると定義されています。
  • 聴覚検査には、さまざまな種類があります。検査を受ける被検者の応答方法によって、自覚的聴覚検査と他覚的聴覚検査に分けることができます。
    • 他覚的聴覚検査は、特定の聴覚刺激を与えた場合に生起する生体反応から得られた結果に基づいて、聴覚評価を行うものです。新生児聴覚スクリーニング検査では、ABR、OAEの簡易検査が用いられています。
    • 自覚的聴覚検査は、音刺激に対して、被検者がボタンを押す、音がした方向に振り向くなどの自覚的応答に基づいて行うものです。一般的な自覚的聴覚検査には、純音聴力検査と、語音聴力検査があります。純音聴力検査の結果は、オージオグラムに記入します。オージオグラムから、平均聴力レベル、聴力型、伝音難聴と感音難聴の鑑別など、きこえの様相が明らかになります。語音聴力検査の結果は、スピーチオージオグラムに記入します。最高語音明瞭度の算出に加え、どのような異聴が起こりやすいのか分析を行い、聴力を質的に評価します。
    • また、主要な乳幼児聴力検査には、BOA、COR、遊戯聴力検査があります。子供の発達段階や実態などに応じて、検査方法、使用する音素材、応答方法を工夫する必要があります。また、これらの検査と併せて、日常での身の回りの音や、音声に対する子供の反応を観察し、聴覚評価を行うことが重要となります。
  • こうした子供一人一人の聴覚評価を教員が日常的に行うことは、言葉掛けや視覚的手掛かりの提示方法などを検討する際の重要な手掛かりとなります。

03_聴覚障害の生理Ⅲ(補聴器)

  • まず、補聴器の基本構造と機能について理解できたでしょうか。
    • 補聴器は、適度な増幅音を与えて、音の聴取を改善することが目標となります。そのため、快適な大きさで明瞭に聴取できるように、入力された音を調整して出力することが重要となります。補聴器の基本的な調整機能として、利得調整、音質調整、出力制限があります。補聴器には、気導補聴器、骨導補聴器などの種類があります。骨導補聴器は伝音難聴に適用されます。また、補聴援助システムは、補聴器や人工内耳からの音声をより聞きやすくするための装置で、騒音対策としても有効となります。
  • 次に、補聴器の調整と評価について理解できたでしょうか。
    • 感音難聴者はダイナミックレンジが狭いことに留意して調整する必要があります。補聴器を装用した時の補聴効果の評価は、フィッティング直後と、実生活で試用後の評価があります。それぞれ、主観的な感想による評価、非言語音を用いる評価、語音聴力検査により評価を行います。
  • 最後に、聴覚リハビリテーションについて、各年齢における目標や方策を確認できたでしょうか。
    • 乳幼児期からの補聴器を装用しての聴覚リハビリテーションにおいては、保護者の補聴器や難聴に関する理解や、補聴器装用に対する意欲があることが大切であり、保護者への支援も重要となります。

04_聴覚障害の生理Ⅳ(人工内耳)

  • 定義…人工内耳は、音刺激を電気信号に変換して、聴神経に電極から刺激を伝える、内耳の蝸牛の機能を代替する医療機器です。
  • 対象…人工内耳は、原則1歳以上、90dB以上の感音難聴者を対象としています。近年、手術が低年齢化し、1~2歳代で人工内耳装用が増加しています。特別支援学校(聴覚障害)の幼稚部から高等部に在籍する幼児児童生徒においても、人工内耳装用児の割合が高くなってきています。また、両耳聴の実現のために、両側への人工内耳装用が増加しています。
  • 関わり…人工内耳の適応基準には、人工内耳手術を実施するかどうかの判断においては、当事者である家族及び本人、医療、療育担当者の意見の一致が重要であることが示されています。人工内耳術後の管理や、リハビリテーションなどでは、医療施設との継続的な連携が必要となります。
  • コミュニケーション…術前から術後まで一貫して、コミュニケーション支援、コミュニケーションを通した聴覚活用や言語指導、多様な聴覚学習の機会などが行われることで、聴覚活用や、言語発達への効果が期待されます。特に、人工内耳の手術をする前に、早期から親子間のコミュニケーション形成への支援があり、コミュニケーションの土台があることが、とても大切となります。
  • 個人差…ただし、人工内耳装用児の言葉の聞き取りや言語発達は、個人差が大きく、小さな音によく反応していても、軽度難聴とは異なることに注意する必要があります。個別状況を把握して、コミュニケーションや、指導法を柔軟に検討していくことが大切です。

05_聴覚障害の病理Ⅰ難聴の種類と原因疾患

  • 本講義では、難聴の種類別に、乳幼児期・児童期に多く見られる疾患を中心に説明しました。
  • 伝音難聴では、外耳の疾患は先天奇形が多く見られます。また、中耳の疾患では、乳幼児や児童では、中耳炎が最も多いです。外耳や中耳の奇形や中耳炎による難聴は手術などの治療で改善が期待できます。注意点としては、子供は痛み以外の症状はあまり訴えないことです。軽・中等度の難聴を子供自身が訴えることはあまりありません。痛みを伴わない疾患、例えば滲出性中耳炎は中等度の難聴になっている場合もあるので、特に気を付ける必要があります。
  • 感音難聴では、内耳の疾患として、内耳奇形やANSDが多く見られます。内耳奇形ではバランス障害が生じる場合があり、日常生活、遊び、体育の時間などで注意する必要があります。また、内耳奇形のうち前庭水管拡大症では、頭部外傷などによる聴力低下の危険性もあるため、より注意が必要になります。ANSDは、OAEを用いた新生児聴覚スクリーニングではパスと判定されて難聴の発見が遅れることもあります。これらの内耳の疾患においては、重度の難聴で補聴器が有効でない場合は、人工内耳手術が検討されることが増えています。ただし、人工内耳の効果には個人差があります。

06_聴覚障害の病理Ⅱ(小児難聴の原因①先天性難聴)

  • 本講義では、子供の難聴の原因として、先天性難聴の原因を説明しました。
  • 遺伝性…まず、先天性難聴では、約7割が遺伝性の要因である遺伝性難聴です。
    • 遺伝性難聴のうち、難聴以外の症状がない「非症候群性難聴」が約7割を占めます。原因遺伝子は常染色体劣性遺伝形式をとるものが約8割を占め、両親に難聴がなく、子供にだけ難聴がある場合が多く見られます。
    • また、「症候群性難聴」では、疾患によっては、難聴以外に眼や内臓の疾患が併発するため、聴覚機能以外に、視覚機能の評価を行うことや、健康面に留意する必要があります。
  • ウイルス性…先天性難聴の他の要因として、サイトメガロウイルスや風疹ウイルスなどの母体感染によるウイルス性難聴があります。新生児聴覚スクリーニング検査にパスしていても、乳幼児期以降に聴力が低下し、高度・重度の難聴になることがあるため、日常の聞こえの様子をよく観察し、発見が遅れないよう留意する必要があります。
  • 医学の進歩…近年、新生児聴覚スクリーニング検査が普及し、難聴が早期に発見されるようになりました。加えて、難聴の原因となる遺伝子異常や感染症などの特定により、難聴の正確な診断、合併症の予測などが可能となってきました。
  • 支援…一方で、保護者の心理的な負担はより大きくなり、乳幼児教育相談における保護者支援がより重要な役割を担い、期待が高まっています。聴覚障害のある子供本人に対しても、難聴の原因や難聴が進行する可能性などに関して、正しい知識や情報をどのように伝えていくかも、今後大きな課題となっていくと考えられます。

07_聴覚障害の病理Ⅲ(小児難聴の原因②後天性難聴)

  • 本講義では、後天性難聴の各要因における難聴の症状の特徴や、教育現場における留意事項について、主に周産期周辺の要因と、出生後の感染症によるウイルス性難聴を取り上げて説明しました。
  • 周産期周辺…まず、周産期周辺に生じる難聴は、新生児集中治療室、NICUでの新生児の状態や、その時の処置等に難聴のハイリスク要因があると報告されています。 難聴が遅発性であったり、進行性や高音障害型である可能性があるため、定期的に聴覚検査を受け、子供の日常の音に対する反応や言語発達の様子等をよく観察し、補聴や療育・教育の開始が遅れないよう注意が必要になります。
  • ウイルス性難聴…次に、出生後の感染症によるウイルス性難聴は、細菌性髄膜炎の後遺症による難聴と、ムンプス難聴が代表的な例です。どちらも、感染症の症状が回復しても、難聴は改善しません。ムンプスウイルスの感染は3~13歳頃、特に小学校低学年や中学年で多く、幼児期から児童期の言語習得期において、重度難聴になる場合があります。
  • 支援・対応…新生児期から3歳頃までの言語習得前に生じた後天性難聴の場合、先天性難聴と同様に、親子のコミュニケーションの支援から始まり、長期的な視点での支援が必要になります。それ以降においては、難聴が発症した時期の言語習得状況によって、その後の影響が異なります。書記言語の習得や教科学習等の教育活動への影響が生じやすく、個々に応じた適切な指導や対応が必要になります。これまで聞こえていた子供が、進行性の難聴により徐々に聴力が低下した、あるいは感染症により、ある日突然聞こえにくくなった場合、そのショックは大きく、心理的なケアも特に重要となります。

08_聴覚障害児の心理Ⅰ(乳幼児期の心理と発達支援)

  • 赤ちゃんの力…まず、人間の赤ちゃんには、生まれたときから、他者に働きかける能力が備わっているということについて説明しました。そして、乳幼児期には、それらの力と、養育者からの関わりにより、心が大きく成長する時期であることを確認しました。
  • 保護者と子供の関係の中での支援…また、聴覚障害のある乳幼児の支援を考えるときに、保護者と子供の関係の中で支援を考える必要があるということを説明しました。乳幼児にとって楽しい活動の中で、「あなた」「わたし」「モノ・状況」の理解を促す言葉かけ等を通して、その子供の力が発揮できるように支援していくことが重要となるということを理解していただけましたでしょうか。

09_聴覚障害児の心理Ⅱ(児童期の心理と教育的対応)

  • 本講義では、聴覚障害のある児童の心理と、教育的対応についてお話ししました。
  • 児童の特徴…聴覚障害のある児童は、聴覚に障害のない児童と異なる心理的特徴があります。例えば、音声情報が入りにくいことによる不安や、教師や友達とのコミュニケーションにおいて、話の受容が十分にできない場合、話を聞く意欲が低下することなどです。
  • 緊張感…また、常に周囲に注意を払って気が抜けないため、緊張感を持ち続けなければならないということもあります。
  • 否定的感情…そして、聞こえにくいことから、相手の心情を十分に汲み取ることができない場合、聴覚障害に否定的な感情を抱くこともあります。
  • 教育的対応…このような心理的課題のある聴覚に障害がある児童に対しては、学校生活のあらゆる場面で、コミュニケーションの取り方、緊張を和らげること、確かな情報を伝えていくこと、他者の感情理解に対することなどの教育的対応が挙げられます。
  • 健常児…このような配慮を考えることは教師だけではなく、周りの聴覚に障害がない児童にもつながります。
  • 安心した学校生活…聴覚に障害のある児童が、安心して学校生活を送ることができるよう、児童をよく見て、心理状態を把握し、教育的対応を考えていくことが大切になります。

10_聴覚障害児の心理Ⅲ(青年期の心理と教育的対応)

  • 心理的特徴…聴覚に障害がある生徒の心理的特徴として、例えば、聞こえにくいことによってコミュニケーションが円滑に進まないことなどから感じるコミュニケーション意欲の低下であったり、孤独感や孤立感を抱いたりすることがあります。
  • ネット社会の弊害…また、メールやSNSでのコミュニケーションのトラブルからストレスを抱えることもあります。さらに、自己肯定感の低下や、外から入ってくる情報量が少ないことが原因となり、得た情報の正しい理解が難しくなるといったこともあります。
  • 意欲低下…さらに、学習上・生活上の困難を改善・克服する意欲の低下が生じることもあります。
  • 前向きな生活…聴覚障害のある生徒に関わる教師は、生徒が前向きに学校生活を送れるよう、そして、その後の社会生活へ向かう意欲が持てるような関わりが大切です。

11_聴覚障害児の心理Ⅳ(認知発達・社会性の発達)

  • まず、聴覚障害児の認知についてまとめます。
    • 「優劣」の視点からの変化…聴覚障害児の認知能力については、そのとらえ方が時代に応じて変化してきました。はじめは聴覚障害児の認知能力が聞こえる子供と同じかどうか、という「優劣」の視点からその探究が進められました。しかしコミュニケーション方法の違いに着目した評価法の工夫によって、聞こえる子供との優劣ではなく、聴覚障害児の特徴や認知能力間の違いを見出そうとする方向へ変化してきました。現在では、子供一人一人の優位なコミュニケーション方法を踏まえた評価と、評価によって明らかになる認知能力の強い面、弱い面を考慮して、どのように教育実践に生かしていくのかが求められています。
    • 行動観察とプロセス…さらに認知能力の評価では、行動観察などによる情報の収集が必要であること、検査を行う場合には数値などで現れる結果とともに、検査をどのように行ったか、回答する際にどのような様子だったか、といったプロセスを丁寧に見ていくことが大切です。
  • 次に、聴覚障害児の社会性についてまとめます。
    • 個人要因と環境要因…社会性の特徴や発達を考える際は、個々の子供の身体面や認知面の特徴、障害の程度や状態といった個人の要因と子供が生活する環境要因の両方の視点からとらえることが重要です。特に聴覚障害児の場合、家庭環境や学校環境が個々の子供によって大きく異なるため、それぞれの環境の特性が非常に大きく関係します。特別支援学校と小中学校の違いなどを踏まえて社会性の発達課題を検討することが必要となります。
    • 生涯…また生涯を通じた生活環境の変化とともに求められる社会性、社会的行動も変わっていきます。乳幼児段階での保護者支援や学校教育段階での社会的経験の積み上げ、知識の習得を図ることが、成人期以降の自立した社会生活を営む上での基盤になるという点を十分に意識して指導にあたることが大切です。

12_聴覚障害児の心理Ⅴ(言語発達)

  • 概要…本講義では、聴児の一般的な言語発達について、音声知覚と発声の発達、前言語期からのコミュニケーションの発達、幼児期から児童期の音声言語発達の側面から説明した上で、先天性または乳幼児期に難聴が発症した聴覚障害児の言語発達の特徴について説明しました。
  • 乳幼児…聴覚障害のある乳幼児は、周囲の言葉の聴取や、自分の声のフィードバックが十分でないため、音声知覚に影響が生じ、それが発声の発達にも関与することになります。周囲で話される言語音の特性を含む「規準喃語」の発声に移行する段階では、難聴の影響を受けやすく、聴児との差が生じてきます。
  • 前言語期…前言語期は、後の言語によるコミュニケーションの基盤となるコミュニケーションの土台を形成していく、重要な時期となります。聴覚障害児の場合には、音声だけでなく、表情や身振り、指さしなど、多様なコミュニケーション手段を用いて、意思や感情を表現することが、大切になります。また、日常生活の様々な場面で言葉掛けを積み重ねていくとともに、何気ない日常のことを会話の話題や絵日記の題材にするなど、偶然学習に近い意図的学習がより多く必要となります。
  • 幼児期~児童期…幼児期から児童期の聴覚障害児の音声言語の発達は、聴児と比べると、全般的に習得の遅れがみられるものの、聴児とほぼ同様の発達的順序をたどることが報告されています。抽象的な語彙は獲得されにくい、複雑な構文の理解が難しいなど、聴覚障害児の言語発達の特徴を考慮し、発達段階に応じた丁寧な言語指導を行うことが重要となります。

13_聴覚障害児の心理Ⅵ(軽度・中等度難聴、一側性難聴)

  • 聴覚障害の程度…まず、聴覚障害の程度については、聴力レベルと聞こえの状況、身体障害者手帳の等級について理解することが重要です。
  • 会話での困難さ…聴覚障害者の会話での困難さは、平均聴力レベルだけでは推定できず、語音明瞭度も考慮する必要があります。
  • 手帳…身体障害者手帳の等級は、両耳の聴力レベルが70dB未満の軽度・中等度難聴や一側性難聴では、難聴以外の障害がない場合には該当しないことに留意する必要があります。ただし、各自治体において、軽度・中等度の難聴児に対しても、補聴器の購入費用等の一部を助成などの取り組みが進んできています。
  • 軽度・中等度難聴児への理解と対応…次に、軽度・中等度難聴児への理解と対応です。軽度・中等度難聴についても早期発見・早期の補聴開始が重要であることを理解することが大切です。音や言葉の聞き取りや聞き分けなど、聴覚を活用することに重点を置いた指導を受けたり、言葉の理解や教科に関する学習が重要です。
  • 一側性難聴児…最後に、一側性難聴児への理解と対応についてです。片耳が聞こえにくいことを周りから理解され難いということを理解することが大切です。

14_聴覚障害児の心理Ⅶ Listening Difficultiesの理解と対応

  • LiD…一つ目に、LiDの考え方です。LiDは、難聴がないにも関わらず、聞き取りにくさを示す症状をさすということです。
  • 評価…二つ目は、評価について、LiDは、聞き取りにおける注意機能の弱さが関係し、この点を含めた多角的な評価が必要となります。
  • 支援…三つ目は、LiDの支援で、本人や周囲の理解を促すことや、環境調整、補聴援助システムの利用、基本的な言語力の向上など、対象児に応じて支援を組み合わせる必要があるということです。
  • 対応…以上のことを踏まえ、LiDが疑われる子供や大人の方にお会いした際は、適切な評価と支援に結び付くようにしていくことが重要であると言えます。

15_小児難聴の早期発見

  • 小児難聴の早期発見が重要とされる背景…まず、これまでの一連の講義の中でも触れてきた内容を振り返り、小児難聴の早期発見が重要とされる背景について説明しました。乳幼児期からの聴覚障害によって、音声知覚、音声言語の理解や表出、発声や発語、コミュニケーション関係の形成などに影響を及ぼすことが分かります。さらに、乳幼児期の難聴に対して早期に対応がなされなければ、情緒や社会性の発達、認知発達など、発達全般に影響を及ぼす可能性があります。難聴を早期に発見することにより、早期から聴覚障害児とその保護者に対する支援が開始され、保護者と子供のコミュニケーション関係の形成を始め、その後の発達を促す療育・教育が行われることが重要となります。
  • 小児難聴の早期発見体制…次に、小児難聴の早期発見体制について、先天性難聴の早期発見の体制、その後の乳幼児期から就学以降の難聴の発見体制について説明しました。現在、小児難聴の早期発見に向けた保健・医療・療育・教育の連携による体制化が進められています。
  • 支援…最後に、乳幼児期の聴覚障害児やその家族への支援について説明しました。特別支援学校(聴覚障害)の乳幼児教育相談では、医療機関などと連携し、障害部位、発症時期、障害の程度などの情報を得ておくことが基本となります。それらを基に保護者への情報提供を行うと共に、保護者や家族が、子供の聴覚障害に対して理解を深めていけるような支援が必要です。聴覚障害に対する理解を基盤とした上で、聴覚障害児にとって分かりやすいコミュニケーション方法の指導や、補聴機器を常時装用するための支援も必要となります。