とらドラ! 第12話「大橋高校文化祭【中編」の感想・レビュー

今回のとらドラ!は竜児が持つ高邁な家族愛の理想について。
竜児は母一人子一人で支えあって生きているが故に親子の愛情を無心に信じざるを得ない。
大河も父親と一緒に居て満更でもない雰囲気を見せる。
しかし、何故かみのりんは真っ黒に染まっていく。
みのりんにとってそこまで固執する家族とは何なのか?


竜児の活躍により次第に打ち解けていく大河父子。親子が一緒に暮らすのが本当の家族。そこを微笑ましく眺める竜児だが、周囲からはそのことを理解してもらえない。大河が本当にパパンを嫌っているなら話は早いが、大河はパパンに捨てられていたことをひがんでいただけであって、それは裏を返せばパパンが好きで好きで仕方が無いということ。大河にとっては結局はパパンがどのような存在であっても根本的に信じてしまうの。つまり、どんなに酷いことをされてもちょいと甘い顔を見せられればすぐに靡いてしまうということではなからんや。おそらくその事情を知っているため、大河本人が父親についてどう接しようが関わり無くみのりん接触を嫌っていると判断できよう。はたまた、みのりん自身が家族の間で何か問題を抱えているため過剰に反応してしまうのか。どちらにせよ、みのりんにとって大河父子の中を取り持つ竜児は敵に認定。家族愛を無垢に信じる竜児は、そんなみのりんに反発せざるを得ない。



大河は無条件にパパンを信じてしまう。竜児もまた家族愛を信仰しているため大河父子の仲が復縁するのが良いことだと信じている。だがそのことにみのりんに続いて泰子まで意を唱えてくる。竜児にとって誰も味方がいないのか?大河は保護対象、みのりんは尊崇の念だとしたら、竜児の支えとなるはばかちー。精神的に成長した亜美は竜児のために色々と骨を折ってくれている様子。問題は大河パパンが本当に誠実な人間なのかということに帰結するだろう。本当に大河と復縁を望むなら和解→ハッピーエンドとひた走るだろうが、お話の展開的にそうはならないことは必定。パパンを文化祭に招いて主役交換の約束までしてもらい今か今かとケータイをパカパカしてパパンを待つほど大河にとって父親は大きな存在。竜児と大河の二人が持つ家族愛が大河パパンの裏切りによって覆されて二人とも精神崩壊という流れか?泰子と育んだ竜児の家族愛の信念が崩れ去る描写に期待。