CLANNAD AFTER STORY 第3回「すれちがう心」の感想・レビュー

今回のCLANNADは春原兄妹ルートの2回目。芽衣がお兄ちゃんの気を引こうと頑張ります。
しかし、その行為は自己の理想像を勝手に投影しているだけに過ぎない。
幼少の頃の完璧超人無敵兄の幻影は遠き日の想い出となり、現実のままの春原がいるだけであった。


高校に入り落ちぶれてしまった兄を心配する芽衣。お兄ちゃんがきちんとやっているところを見られたら安心できる、ということで偽彼女作戦を決行するが逆効果。産れて初めておにゃのこというものと付き合うのでしょう。春原は相手のことなど考えず、自分の趣味趣向をそのまま丸出し。食事となれば学生土方御用達の大衆食堂へと導き、音楽の薀蓄を押し付け、ゲーセンへと連れ回す。浮き足立って周りが全然見えていないその姿は、子どもが困っているのを見ても何も感じず、デートのことを考えるばかり。迷子の子ども救出のためにデートが潰されると、不機嫌も甚だしくなり拗ねまくり。そんな兄を見た芽衣は幼少の頃の頼れる兄を思い出す。いじめられていると必ず助けに来てくれる兄、運動神経抜群でサッカー部でも頼りにされている兄、東北の片田舎の村から都会の有名私立進学校へ推薦合格を果たした兄…その姿はまさにヒーロー!!しかし、そんな春原の理想像は芽衣の幻影にしか過ぎず、離れていたからこそ偶像化されていってしまった。芽衣ちん現実を見てあげて。



なんとかもう一度カッコイイお兄ちゃんが見たい!!芽衣の動機はそれだけ。スパーヒーローだった兄貴の現実を見るたびに失望していった芽衣は、ついに男と遊ぶために帰らないと虚勢を張る。叱ってくれることを望んでいた芽衣だったが、春原には何の反応も無い。兄の事を考えるばかりではパンクしてしまうだろうと、朋也は芽衣の息抜きのために街をつれまわってあげることに。春原が張り切りすぎて失敗したデートコースと朋也の日常の延長線上としてのデートコースを対比せよ。「お兄ちゃん」とゆかりん般若ボイスで呼ばせて悶絶しているところを杏椋ことみに目撃されたり、2000円クレープを奢らされたり、ゲーセンで写真をとるアレを撮ったりとお楽しみ。和気藹々と絡み合うところへ春原登場。芽衣のオトコってのは朋也のことだったのねー!!と勘違いさせて、芽衣ちんのために一念発起させようぞ。しかし、これまたスルー。もう妹のことなんてどうでもいいの?ついに芽衣は禁断の領域「サッカー」に手を触れることになる。もう一度春原をサッカー部で活躍させたあげたい!!もうやめて、その思いは芽衣ちんの勝手な理想像の押し付けよ!!次回予告でのゆきねぇの台詞「いいところはたくさんあるのに、それを上手に引き出せないだけ」が突き刺さる。朋也然り、渚然り、春原然り。原作どおりに進むのか、聖母ゆきねぇにより原作改変されるのか、残りの尺とシリーズ構成に不安を抱きつつ次回へ続く。