ハイスコアガール「ROUND5」の感想・レビュー

1994年中2編年明け〜3学期。自分の趣味にのみ熱中する男に惹かれてしまった恋する少女の揺れ動く感情を描いた話。
全くブレないゲーム好きな男に対して、女性が勝手に下がったり上がったりとヤキモキする。
しかしそれは今まで退屈な日常を送って来た日高さんには初めての出来事であり好感度が高まっていく。
著作権問題の関係からか、原作改編。
ハルオから日高さんを呼ぶリョウサカサザキ戦が改編され日高さんの方からアプローチする形式になっていた。

ハルオは全くブレずにゲームをしているだけだが、好感度だけは上がっていく


  • 日高さんがどんな感情を持ったとしてもハルオは大野さんが一番なんだなぁという回
    • 作品の内容が、ハルオと大野さんの二人だけの世界に閉じてしまわないように用意された、ちょっと可哀想なヒロイン、それが日高さん。ハルオはいつものようにゲームに熱中しているだけですが、日高さんはハルオに徐々に惹かれていきます。日高さんはハルオに連れられて初めてゲーセンに入りますが、初っ端からモータルコンバットをプレイし、天性の才能を見せつけていきます。
    • しかし揺れ動くのが恋するオトメの女心よ。ハルオの姑息なサムスピの対人戦や喧嘩を見て勝手に幻滅していきます。ハルオにとって日高さんから貰った手袋はゲームに役立つという時点でステキな贈り物だったのですが、日高さんにとっては粗末に扱われているように感じてしまったのですね。その後悶々とハルオとのやり取りを思い返して自省したり、その一方で自己の正当化を図ったりと、感情変化が目まぐるしいですね。さらに、著作権問題で回収された原作に比べて日高さんの主体性が増しています。回収された原作ではリョウサカザキ戦をカメラに撮ってくれとハルオの方から日高さんに声をかけるのですが、アニメ版では日高さんの方からお茶を差し入れにいき、しかもスコアランクを埋め尽くそうと狙うハルオを邪魔して電源を落とします。これにより、日高さんのハルオへの複雑な感情っぷりが増しているように感じられるわけですね。
    • Bパートでは、バレンタインの日に風邪をひいたハルオを日高さんがお見舞いに行きます。そこでハルオ母から例の漫画で出てくるホットケーキを振る舞われた後、ハルオのゲームコレクションを堪能することになります。しかしそこでハルオが思い返したのは大野さんとの思い出。Aパートのモータルコンバットの時もそうでしたが、ハルオは日高さんを同じクラスの女子程度にしか思っていなくて、しかも日高さんのプレイを見ることを通して大野さんを見ているわけですね。ハルオは日高さんに接しても、大野さんとの思い出を彷彿とさせるだけで、日高さん本人に対しては無関心です。哀れ日高さん。