地誌【6】アフリカ地誌

【目次】

1.アフリカの自然環境

(1)アフリカの地形

  • ①安定陸塊
    • 大部分がかつてのゴンドワナ大陸に属する
    • 全体的に高原状(高度200m~1000mが全体の67.1%)。
    • 高度別面積の割合 ⇒高度200m未満の低地の割合が低い(全体の9.7%)
    • 海から船舶が遡って航行できない⇒海岸部からすぐに標高が高くなるので、赤道付近を流れるコンゴ川などは、下流部に滝や急流がみられ、海から船舶が遡って航行することができない。
  • ④山脈
    • アトラス山脈…アフリカ北部を走る新期造山帯。油田が分布する。
    • ドラゲンスバーグ山脈…アフリカ南東部を走る古期造山代が分布する。

(2)アフリカの気候

  • ①緯度・経度
    • アフリカの中央部を赤道が通過。
    • 北端と南端がそれぞれほぼ同緯度。35度(北緯35度は東京と同緯度)
    • 気候区は赤道を挟んでほぼ南北対称に位置。
  • ②気候                   
    • a.熱帯雨林気候(Af)
    • b.サバナ気候(Aw)
      • 雨季と乾季が明瞭。熱帯雨林気候をとりまくように分布
      • 北半球では7月前後、南半球では1月前後がそれぞれ雨季となる。
      • 疎林と草丈の長い草原からなるサバナ(サバンナ)が広がり、野生動物が多く生息する。
    • c.砂漠気候(BW)
      • 南北回帰線付近は年間を通して中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)の影響を受けるので、年中乾燥する。
      • サハラ砂漠…亜熱帯砂漠の一種。北回帰線の付近。亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)に支配され、年中下降気流が卓越。雨を降らせる上昇気流が生じにくい。
      • カラハリ砂漠…亜熱帯砂漠の一種。南回帰線の付近。
      • ナミブ砂漠…海岸砂漠の一種。中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)の影響を受けて、下降気流があるうえに、寒によって下から空気が冷却され、下層が冷涼、上層が温暖という安定構造ができ、上昇気流が生じない。
      • ワジ…普段は水流が見られず、ごくまれに降る雨の直後にだけ流れる涸れ川。
    • d.ステップ気候(BS)
      • 砂漠気候の周辺に位置し、短い雨季が見られる。
    • e.地中海性気候(Cs)…中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)の影響を受ける。
      • アトラス山脈の北側の地中海沿岸。北半球の夏にあたる7月前後に少雨となる。
      • アフリカ南西端のケープタウン付近。ドラケンスバーグ山脈からの乾燥した風と中緯度高圧帯の影響により南半球の夏にあたる1月前後に少雨となる。
    • f.西岸海洋性気候(Cfb)…最寒月平均気温(-3℃以上18℃未満) かつ、年中降水し、最暖月22℃未満。
      • 別に西岸でなくとも上記の条件を満たせば西岸海洋気候になる。
      • 南アフリカ南東のドラケンスバーグ山脈の風上は、南東貿易風が暖流のアガラス海流を通るときに湿潤となり、年中降雨することになり、Cfbとなる。

2.アフリカの社会

(1)アフリカの人種、民族

(2)アフリカの旧宗主国

主な宗主国
独立後の問題
  • 1960年アフリカの年(17か国独立)
  • アフリカの国境と民族分布
    • 経緯線によって国境を区切られた数理的国境。1民族が分断されたり、1つの国に対立民族が混在化したりする要因に。

3.中南アフリカの人口問題、食料問題

(1)中南アフリカの人口問題

  • 人口抑制策が浸透しない理由
    • 農業が経済の中心であり、子どもは重要な労働力
    • 識字率の低さや女性の地位の低さ ⇒避妊具を用いない性交渉が盛ん
  • アフリカにおける死因
    • 風土病⇒マラリアデング熱、黄熱病や、ツェツェ蠅が媒介する睡眠病(人畜に感染するのでギニア湾岸では家畜が飼えない。白人はツェツェ蝿がいないケニア高原に住んだのでホワイトハイランドと呼ばれる)
    • エイズ後天性免疫不全症候群。血液・精液・膣分泌液を媒介にして起こる。アフリカでは人口問題で扱ったように、避妊具を用いない性交渉が盛んなので、エイズ罹患率が高い。
    • 食料不足の慢性化による栄養状態の悪さ

(2)中南アフリカの食料問題

  • 自然的影響…干ばつ
  • 人為的影響…砂漠化
    • 過耕作…休耕期間の短縮などによって地力が低下
    • 過放牧…草地の再生能力を超えた過剰な家畜の放牧
    • 薪炭材の過剰伐採…薪などの燃料需要の増加
    • サヘル地方…サハラ砂漠南縁部。セネガルからニジェール、ナイジェリア北部を経て、スーダンにいたる東西に広がる帯状の地域。
  • 植民地時代の禍根
    • 商品作物栽培…プランテーション農業が展開され、現地住民の主食穀物の栽培よりも輸出向けの商品作物の栽培が優先される。優良な農地の大部分は商品作物向けの栽培用となり、天然ゴムやカカオ豆などの商品作物の大規模栽培が行われる。
    • モノカルチャー経済…一国の経済が特定の1次産品の生産や輸出に依存する経済体制のこと。生産量や国際価格の変動により国全体の経済が左右されやすい。アフリカ諸国は外貨獲得のために商品作物の栽培が優先されることも食料不足の一因となっている。
    • 奴隷貿易奴隷貿易・植民地支配により、経済・社会の発展が阻害されたことも食料問題の原因の一つ。奴隷貿易は16~19世紀に行われ、ギニア湾岸から南北アメリカへアフリカ黒人を奴隷として連行した。

(3)AU(アフリカ連合)

  • アフリカ諸国団結のため1963年にアフリカ統一機構(OAU)が結成された。2002年にはさらに連帯を強化するためにアフリカ連合(AU)に生まれ変わった。モロッコを除く52か国と西サハラが加盟し、8億人をこえる世界最大の人口規模を持つ国家連合体である。欧州連合(EU)をモデルに国家の枠を超えた議会・裁判所・中央銀行の設置を掲げている。

4.アフリカの産業

(1)アフリカの農業

(2)アフリカの鉱業