Monkeys!!「板の上に立つ者」(霧灯ユキ シナリオ)の感想・レビュー

家族ゲー。家族間における気まずい関係を再構築する話。
霧灯ユキの母は封建的な旧家に嫁ぐが男児を産めず(莫大な資金援助の上で)離縁された。
それ故、ユキと母の間に会話は少なくあっても事務的なもので空虚な時間を過ごしていた。
だが主人公の活躍で共通の話題を得た霧灯母子は和解しコミュニケーションに成功する。
一方で主人公は離婚して家を出た義母がいつの間にか新しい男と家庭を築いており愕然とする。
しかし今度はユキが主人公の助けとなり、家族形成における矛盾を解消させる。

霧灯ユキのキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 霧灯ユキの心のスキマに主人公を注ぐんだ!
    • 霧灯ユキは体験版以降の共通√で焦点が当てられたされた男装ヒロインキャラ。そこでは自分がカラッポであることが描かれました。それを手掛かりに製品版では人物像の深掘りがなされていきます。ユキの家系はもともと伝統芸能の舞台を担う旧家であり、そこでは男児を産むことが絶対条件でした。しかしユキの母親はユキしか産むことができず、カネと引き換えに離縁されることになります。以降、ユキの母親はテレビを見るだけの機械と化し、ユキとの会話も無機質なものとなったのでした。
    • そんなユキの母親を変えることになるのが、文化祭におけるジュリア(主人公の女装形態)の活躍です。ジュリアの勇姿は人々の人気を集めるのですが、ユキの母親はファン第一号となります。この文化祭は初めて一般にも公開されることとなり、主人公の学校が人員やノウハウを提供したことで、共学化の道が進むことになります。ユキはバイであり、ジュリアでも主人公でも一向に構わん!となり主人公が良心の呵責に耐え切れなくなりカミングアウトしてもどこ吹く風で受け入れます。これまでユキは他人から求められるままに王子様役を演じてきたわけですが主人公と付き合うことになり、どんどん女の部分が目覚めていくことになります。ユキのスキマを主人公が埋めると称され、主人公はそれをパッキン、ユキは水が注がれると表現します。
    • フラグ構築後は家族ゲーがさらに進展し、今度は主人公サイドへ。主人公の家庭環境は複雑で、実母が次々と男を変えていきます。現在主人公と同居しているのは青果店の冴えないオッサンですが、このオッサンさえも見切って蒸発してしまいます。血縁もクソも無い謎の関係が残されたのでした。さらにそのオッサンは別の女と再婚して娘をもうけるのですが、またもや離婚となります。その上、青果店のオッサンと離婚した女性は、今度は別の新しい男と結婚するとかいう……。主人公はこの訳の分からない新しい男との関係性構築に悩みます。それを助けるのがユキであり、主人公が気まずさを乗り越える助けとなるのです。
    • 終局部はジュリアがマスコミ受けするというコメディ展開。主人公はユキの母親がテレビ好きであることを知り、尚且つ地元を活性化させるためにジュリアの女装を身に纏い、テレビに出演していきます。その役割はスタントアクションを中心とする探偵モノ。このローカル番組は勿論バカウケとなり、ユキのママンはジュリアファンの趣味友達ができ、これまで薄っぺらい人生だったのが動き出していきます。(一瞬親子丼ルートか?と思いましたが、そんなものは無かった)。ラストはユキの母親の前で女装を解き、筋を通す主人公。そして主人公のテレビ出演は成功裡に終わり、2期決定。今度はユキも出演することになり、二人の活躍が今始まったのだ!とハッピーエンドを迎えます。

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Monkeys!¡感想まとめ