偶然拾った宝くじをきっかけに突如成金となったせいで悲劇を迎えた家族の話。
硝子之宮硝子はお嬢様学園の御三家の一人で学園全体のお姉さま役でした。
新入生には自ら礼節とマナーを手ほどきし入学者を一流のお嬢様に仕立てるのです。
そこには学園に対する愛があり、だからこそ生徒はお姉さまについてきたのです。
ですが硝子が指導に長けていた一因には庶民からお嬢様身分に這い上がった過去がありました。
フラグ構築は政略結婚の魔の手から救うという手垢塗れ展開ですがキャラとギャグでカバー。
後半は共学問題に取り組みますが、十鳩先生特有の重くて面倒くさい人物描写が炸裂する。
(あと私の読解力が低すぎて硝子の叔母なのか母なのか混同したまま分からなかった)
硝子之宮硝子のキャラクター表現とフラグ生成過程
- 男性には厳しく彼氏には重くて面倒くさい
- 硝子之宮硝子は学園のお姉さま的な存在。面倒見がよく新入生がお嬢様として相応しい人材になれるよう指導に当たります。主人公もウォーキングやテーブルマナーなどの教えを受けますが、学園のために無償で奉仕するその姿に心打たれます。しかしながら硝子は外の世界の男子には辛辣であり、共学問題についても真っ向から反対。男装ver.の主人公が共学化へ向けて体験入学した時も、塩対応を浴びせます。しかし硝子は自分の感情を持て余しているだけで、冷たく接しては後に後悔するというムーブを繰り返しながら、徐々に主人公(男性ver.)に惹かれていきます。
- 政略結婚と掠奪愛
- フラグ構築のきっかけになるのは政略結婚。資産家と婚約させられており将来に自由はありません。ある時社交場に出なければならず、連れとして女装ver.の主人公を誘うのです。しかしここで資産家の本性が暴露されていきます。なんと資産家の御友人が女装ver.の主人公をクスリで眠らせ強姦しようとするのです。これは未遂に終わり主人公も女装バレしなかったのですが、カネで解決しようとする態度や女性を家具のように見なす思考にブチ切れ。ファッキンして逃げ去るのでした。これにより主人公は女装バレすることになります。婚約者に酷い振る舞いをした硝子は当然のように婚約を解消され、家では怒られることになります。しかしこれでハッピーになれたかというとそうではなく、また別の人材にあてがわれるだけだったのです。そんなわけで主人公は掠奪愛を決行。チャリンコで駆けつけると硝子を攫い、フラグ構築。
- 重い女ムーブ
- フラグ生成後は共学問題を通した硝子の重い女ムーブが焦点になります。共学化自体はカラスやユキの活躍によりお試しに１クラス作るという方針に決まり、主人公の努力もあり現実味を帯びます。しかし恋愛により脳みそが溶けていた硝子はしばらくすると自分だけ何もしていないという劣等意識に駆られるのです。カラスやレンは硝子がお姉さまとして学園をまとめているからこそ外の活動がしっかりできるというのですが、硝子はそれでは満足できません。そのような硝子のフラストレーションを解決することになるのが主人公への再教育。敬語がロクに使えず目上の立場の人々との対応に苦慮する主人公に対し、徹底した応対スキルを身につけさせるのです。主人公は硝子の動きをトレースすることで対応力を向上、見事大人とのやりとりも成功し、共学化は実現されます。
- 家族問題
- ラストは硝子の家族問題になりますが、これがちょっと私の読解力では理解できませんでした。作中の表記上で、叔母と母が混同されてしまうのです。もしかしたらこれはミスリードを誘っており一種のギミックなのかもしれません。幼少期に硝子が億万長者の宝くじを拾ったことで成金になったことは示されていますが、両親どこ行った？テキスト上では叔父と叔母と表記されているけれども、これは実父と実母なのか？なぜ硝子は現在家を出て木造アパートで暮らしているのか？実家が遠くてお嬢様学園に通えないからか？硝子が駆け落ちするのを後押ししてくれた叔母は、離婚して実家に戻り、その後硝子と和解するのだが、ここで叔母だったり母だったりしてよく分からない。単に表記ミスであれば文意は通じるのですが、はたして！？分かった人はご教示いただけると幸いです。
