Monkeys!!「海の向こうから来た魚」(メバチ シナリオ)の感想・レビュー

二重人格の少女が「健康」になるため母親役であった別人格を消す話。
東欧系富裕階層の娘であったメバチは紛争で孤児となり別人格を生み出す。
嫌なことがあったり辛いことがあったりするとその人格に発現させ逃げるのである。
別人格の少女アイは狂人かと思われたが実はメバチを守る母の心境となっていた。
メバチシナリオではこの母親からの自立が描かれていくことになる。

メバチのキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 二重人格少女の、もう一人の人格は、母親役だった!
    • 眼帯少女メバチは「あります」口調でキャラ付けされたお嬢様学校の夜学の生徒。お嬢様学校に夜学なんてあんのかーい。全日制お嬢様たちとは異なり、メバチは素行があまり良くなく、パパ活ギャル少女ぐっぴーとつるんでばかり。そんなメバチでしたが、ある時ボヤ騒ぎの冤罪により学園を追放されてしまいます。行く所がなくなったため、主人公が実家に迎え入れることになり、そこでメバチの人物像の掘り下げが行われていきます。メバチは眼帯を外すともう一人の人格が発現。その少女はアイと呼ばれ、まさに狂人のような感じでした。メバチが別人格を生んだ理由は、孤児生活を生き抜く為でした。メバチは元々は東欧系の富裕階層に生まれたのですが、紛争の影響で両親と死別。孤児院で上手くやっていくには別の人格に逃避するしかなかったのです。孤児院を脱したメバチは紛争地域で傭兵まがいとなり、戦闘スキルを身につけることになります。日本に戻ってきた時には多重人格はアイとメバチだけになっていたのだとか。しかしメバチの逃避癖は治っておらず、アイに依存する生活を送ります。それでも主人公との生活の中で自分に出来る事や得意な事を見つめ直していき、肉体労働に生き甲斐を見出すようになります。
    • 一方でボヤ騒ぎは出入りの業者の煙草の不始末であることが判明。メバチを追放した学園のお姉さまである硝子は罪悪感に駆られるも、メバチとチャリンコ対決することで和解。メバチをお嬢様として再教育することに命を燃やします。しかしメバチが学園に戻るためには「健康」になることが条件であり、それには別人格のアイを消さねばなりません。メバチは自分に寄り添ってくれたアイを消したくない為、躊躇するのですが、主人公らの支援により無事に?お嬢様再教育試験は終わります。ここでミスリードのギミックが仕掛けれれ、別人格はいなくなったが、アイではなく、メバチが消えてしまった!?と読者に思わせる展開となります。しかしそれはアイを惜しむメバチがアイの如く振る舞っていただけ。最後はアイが残したケータイの動画を見ながら、メバチが別れを受け入れ自立することになります。疑似的なものでしたが母子の別れがグッとくる演出になっております。

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Monkeys!¡感想まとめ