【感想】学園アイドルマスター「1人たりとも欠ける事なく」(2024/09/11)を読んだ。

手毬に固執しクラスに馴染もうとしなかった美鈴が補習組の影響で溶け込んでいく話。
中学時代、美鈴は手毬・燐羽と共にトップアイドルユニット「SyngUp!」を形成していた。
空中分解した今でも美鈴は手毬に固執しクラスから抜け出すことがしばしばあった。
そのためクラスに馴染めず(馴染もうともせず)、美鈴は級友から距離を置かれていたのだ。
だが性善説のカタマリのような補習組3人衆により徐々に美鈴は1年2組に受容されていく。
クラスに溶け込んだ美鈴は健康管理を行い怪我が減り調子も良くなったのだが……
「美鈴ちんはデブらせたい」が発動し、手毬だけではなく級友たちも次々と太らせていく。
戦争経験おばあちゃんは孫たちにひもじい思いをさせまいと無限に食事を出すがまさにソレ。

社会における個人の役割をどのように確立するか~美鈴による無限太らせ編~

性善説な補習組により1年2組に馴染んでいく美鈴

今回のサポカは秦谷美鈴回。クラスに馴染もうとせず1年1組へ手毬の様子を見に行っては、その後自クラス(1年2組)に戻らずエスケープをキメるという問題児であった。だがそのポテンシャルは高く星南に見出されており手毬からも格上とされている程。しばしば苦しい思いをすることを嫌う描写があり無理して成果を出すことに価値を見い出していない。だが無理しないという信条により集団を上手く回す采配を取り、結果として個人の能力を何倍にも引き上げていた。中学時代に組んでいたトップアイドルユニット「SyngUp!」で手毬がその短所を露呈させずにいられたのも美鈴がペース配分やトレーニング量をコントロールしていたからであった。
 

無理する事・苦しい事を忌避してきた美鈴が篠澤広の価値観を知る

1年2組で孤立することを厭わなかった美鈴。だが性善説ムンムンな補習組3人衆により美鈴はクラスに受け容れられて行く。佑芽のおかげで美鈴を怖れていた内部進学組とのわだかまりもほぐれ、千奈のおかげで集団行動と協調性を身につける。そして広と交流をすることで、頑なに苦しい思いをすることを否定して来た価値観に変化が生じる。美鈴は無理をして成果を上げる事を何よりも忌避していた。そんなことしなくても適切な健康管理とトレーニングで能力値を上げられると考えていたのだ。だが、そんな彼女の前に、苦しいトレーニングを自ら受ける篠澤広が登場する。美鈴は広との交流の中で苦しい思いを避けるだけでは辿り着けない境地を知る。ゴールデンカムイの作者が描いているホッケー漫画で科学的トレーニングのご時世に根性論を唱える顧問が登場し、彼に楯突いた主人公に苦しい訓練の是非を語る場面と似ている。
 

美鈴ちんは太らせたい~手毬だけでなく1年2組全員肥満化~

こうして美鈴は補習組メンバーの尽力により1年2組に溶け込んでいき、クラス内での自分の役割を見つける。美鈴の特性は健康管理と適切な訓練であり、美鈴の支配・コントロールによりクラスメイトたちが健康になり、調子が良くなっていく。だが一つだけ美鈴の悪癖があった。それは「美鈴ちんは太らせたい」。手毬が5キロも太りスク水姿でブヨブヨの腹を晒した時、美鈴は適切な食事指導と運動で手毬を痩せさせた。だがその後すぐにご褒美と称してハイカロリーな食事を与え、たくさん、たくさん食べてくださいねと言いブクブクと太らせたのである。本質的に皆に食べ物をいっぱい食べさせてふくよかにしたいのが美鈴なのである。そして1年2組には佑芽がいる!美鈴により太ってしまったら、佑芽のトレーニングで痩せるのだ!こうして円環の理が成立し1年2組はクラス全体が一致団結した。

美鈴が太らせ佑芽がダイエットさせる円環の理
1人たりとも欠ける事なく

学マス感想まとめ