【感想】ウマ娘シンデレラグレイ「1990年宝塚記念~谷間の世代オサイチジョージの逆襲~」(157-170話)

競馬ブームを牽引したオグリ世代とその後に控えるテイマク世代の間に狭間の世代がいた。
それらがミルワカバことオサイチジョージたちで何をしてもオグリ達の影に隠れてしまう。
それ故、オサイチジョージはオグリに対して強烈な私怨を燃やしていくことになる。
一方でウマ娘の寿命問題も扱われ、レースに出られる期間は長くないことが示唆される。
宝塚記念では永世三強が揃うかと思いきや、クリークが怪我により外れ陰りを見せる事になる。
レースでもイナリワンはゾーンを発動せずに終わり、オグリも伸びず2位に終わってしまった。
オサイチジョージは憤慨しオグリに酷い言葉を投げつけ、オグリは怪我で戦線離脱となった。

オグリ世代とテイマク世代に挟まれ不遇な思いをしてきたオサイチジョージ(ミルワカバ)

オグリを逆恨みするオサイチジョージ

競馬ブームを牽引し社会現象を巻き起こしたオグリキャップ。そのブームはトウカイテイオーメジロマックイーンに受け継がれ、名探偵コナンにも馬名が登場する程であった(ゴウカイテイオー)。だがこのオグリ世代とテイマク世代に挟まれた不遇な世代があり、何をしてもオグリの影に隠れてしまい谷間の世代としてイマイチ話題にならなかったのである。その谷間の世代としてオグリに執念を燃やすのがオサイチジョージことミルワカバ。彼女は一方的にオグリを敵視し、喧嘩を売ってくる。だがオグリの人間性に触れたオサイチジョージは次第に考えを改めていき、絶対的なスター性を認めることとなる。そのため1990年の宝塚記念でもオグリを過剰に評価しており、どんな時でも1位を掻っ攫っていく神話的存在としてオグリを扱っていたのである。

1990年宝塚記念においてオグリは北原との戦略の下、アップダウンの激しいコースを巧みに攻略していく。そして本来であればセーブゾーンであるはずの直線でオグリは勝負を仕掛け、第3、第4コーナーを回っていく。最後の直線で待ち構えていたのはオサイチジョージであり、オグリキャップの理不尽な怪物との勝負を求めるも、ここでオグリはゾーンが切れてしまう。結果はあっけない幕切れとなり、オサイチジョージの勝利に終わった。だがオサイチジョージは勝利を喜ぶ間もなく、オグリを罵倒し始める。オグリに対する「こんなの芦毛の怪物じゃない」との言葉はオグリの精神に深く突き刺さるものであった。オグリの敗北は今までとは違う決定的なものであり、イナリワンも故障し、ついに競走馬としての寿命が尽きかけようとしていることが示唆される。

全盛期が過ぎ最後の直線で伸びず敗北したオグリ

シングレ感想まとめ