筒井康隆『パプリカ』(新潮文庫)

大衆娯楽小説。
第一部と第二部に分かれる。全編を通して、心理学者:千葉敦子がパプリカに扮して活躍する。
第一部では、パプリカが2人の人物の精神病を治療する。精神病を治療するまでの過程が比較的論理性を持った治療として、描かれる。第二部では、非現実的なんでもありアクションへと移行する。彼女をねたむ一派が暴走し、夢と現実の境界がなくなり夢の中のものが現実として現れてしまうようになる。パプリカは同僚;時田と第一部で治療した二人の患者とともに敵対する一派をやっつける。まさに勧善懲悪ヒップホップバトルが展開されるのである。最後は、この物語一連が夢だったりてというようなことを示唆するかのような状況で終わる。