プリズムリコレクション アイナルートの感想・レビュー

プリズムリコレクションのアイナルートは、「貴種流離譚」。
物語の主軸は「王族の血を引くことからの継承問題」だがあっさり終わります。
俗っぽいニワカ日本好きヒロインを愛でるキャラゲー的風味が強いです。
情報産業の軍事転用とヒロインの軍属問題、ヴェロニカの心情描写などはもっと掘り下げられたと思います。
冗長なシナリオだったので、一気に終わらせるのは辛いです。

アイナシナリオ概要


  • 勘違いナショナリスト!アイナ
    • アイナは三文芝居でありがな空想的西欧小国出身の軍人という設定です。日本人とのハーフで日本大好き。ですが、根底にあるのはマンガやアニメや特撮というサブカルチャーでした。それが転じて「伝統的な日本文化に興味を持つ自分が好き」というニワカナショナリストになっていったのですね。主人公くんに対しては、主人公くんがwikipedia で漁ったような日本の基礎知識を所有していることから、きゅんきゅんきちゃいます。安易だ!フラグ生成のイベントとして転機となるのが、子どもたちに対する見せ物です。アイナは特撮ヲタでもあったので、「ニチアサ」(日曜の朝にやってる特撮モノ)関連の出し物をしたがります。ですがアイナはヲタにありがちな「自分の知識を一方的にひけらかしたい症候群」に駆られていたので、失敗することは目にみえています。そのため、子どもに楽しんでもらうという方向性で、アイナのヲタ知識を使おうと主人公くんが配慮を施し、観光案内部のみなさんで成功に導いたのでした。これにより、アイナは主人公くんに好感度をうなぎのぼりにしていきます。



  • 貴種流離譚
    • アイナは実は王家の血を引きし者でした。かつてはアイナのパパが皇位継承者だったのですが、クーデターで甥っ子が王位につき、パパは他国へ逃れたのでした。数十年後、パパは他国で順調に出世をしていったのですが、出世したことが仇になり、亡命したことがばれてしまいました。そんなわけで、王位継承争いに巻き込まれていくことになります。いくつかの事件を経て、パパは日本に流れ着いてくるのですが、それによりアイナも危機に陥ります。自分の存在がみんなに迷惑をかけてしまうと思い込んだアイナは「自己完結女」(本文より)を発動。主人公くんや部活のみんなに迷惑をかけたくないから私は縁を切るわ!とヒロイックな陶酔に溺れていきます。まぁ、仲間パワーでアイナの考えを改めさるのですがね。事件の方も、アイナを餌にすることで、アイナパパとヴェロニカパパが軍部の暗躍を現行犯で取り押さえることに成功して問題解決!なんか展開がご都合主義どころかおざなりな感じが否めません。ヴェロニカの心情描写も、上官との確執も、戦闘描写も微妙感が漂います。シナリオはもっとどうにかならなかったのか!?と思います。しかし原画師の絵を見ながらエロをメインにしたキャラと乳繰り合うことが主眼とされているゲームですので、こんなものかもしれません。