時計仕掛けのレイライン-朝霧に散る花-の雑感

人間が被造物に魂を持たせることの禁忌を描いたはなし。
ホムンクルスを魂を持たせてしまったが故に魔力を暴走させてしまったという展開です。
シナリオの構造としては、現在の時間軸に過去の二つの日記帳を断片的に挿入していく形式。
オマケのエピソードでホムンクルスを攻略できるのですが、そのはなしがなかなか良かった。

雑感


  • ラズリットが育てた少女;アンデルは魂を持つホムンクルスを創ってしまった
    • 異能を持ってしまったがために異端として迫害を受けてしまう魔女たち。魔女のラズリットはそんな異能保持者たちのために教育機関を作ることにしました。能力を制御し、人間社会に溶け込めるように同年代の仲間と勉強をする。そんな施設を作りたかったのです。ある時ラズリットは、両親から迫害を受ける少女を引き取りアンデルと名付け育てます。脅えていた少女は順調に育っていったのですが、ある時、魂の創造に興味を示してしまうのです。幾たびの失敗を経てアンデルはホムンクルスに魂を持たせることに成功し、セディと名付け、クラスメイトたちの認識を書き換えて、一緒に勉強することにしたのでした。しかし被造物に人間の感情を持たせるのは禁忌とされており、アンデルは良かれと思ってしたことが、ラズリットに受け入れられずしょんぼりしてしまいます。さらにアンデルの魔力は暴走し、認識を書き換えたクラスメイトたちの魂は燃え上がってしまいます。彼らは一命をとりとめたのですが、魂そのものは封印されてしまうことになったのです。これが20年前の出来事というわけさ。


  • アンデルのために魂をもったホムンクルスのセディが頑張る
    • アンデルによって作られたセディは、この封じられた魂を何とかして元に戻そう試みます。しかし、なかなかうまくいきません。こうして、20年間の試行錯誤を経て辿り着いた方法が、学園内の生徒たちに魂を憑依させるというものでした。昼間は普通に学園に通っている生徒たちを夜になると魂の依り代としてしまうのです。そしていよいよ時は熟し、魂を受肉させるために完全に昼の生徒を乗っ取ってしまうことになりました。この計画を防ぐために、主人公くんたちは攻防を繰り広げます。結果、主人公くんがアンデルの前世の記憶を継承していることが判明し、異能を覚醒させます。これにより、夜の生徒を無事なまま20年前に送り返すことが可能となったのです。主人公くんの親友はこれで20年前に帰ってしまうことになります。もし覚えていたら会いにきてくれよと未来で待ってるエンドとなります。


  • リト√
    • アナザーで図書館に住まうホムンクルスのリトを攻略できます。このアナザーでは主人公くんの人格が全く異なるのですがなかなか面白い展開を見せます。主人公くんはリトから魔術の指南を受けつつ、魔力によって生じる奇怪事件を解決していくことになります。その過程でリトに対して慕情を抱くようになるのですがホムンクルスには感情がないためその想いは報われることはありません。しかしある時、無生物に寄生する怪異と対峙した時、リトが乗っ取られてしまいそうになります。その時、アンデルの異能を継承する主人公くんの魔力がホムンクルスであるリトに魂を持たせることになってしまったのです。主人公くんが植え付けた魂であるため、主人公くんに好意を持つのは当たり前であり、主人公くんは性行為後に苦悩することになります。そして最終的に、リトのホムンクルス体から魂を引きはがし、以前と同様に戻す選択を選びます。このビターなテイストが何とも言えずに結構好きで、本編よりもこっちの方が個人的にはググッとくる展開だと思っています。