はるるみなもに! ピンク√の感想・レビュー

へっぽこ現人神と様々な怪異を乗り越えて、土地神として成長するはなし。
フラグ構築編は主人公くんが性欲を自戒していたトラウマから解放される。
フラグ構築後は街に襲い掛かる?様々な怪異を解決していく。
この怪異事件における妖怪の描写が薄っぺらいので、読んでいて何度か寝てしまった。
朝霧の巫女』や『もっけ』くらい濃い内容だったら良かったのだが。
良かった点を挙げると巫女先輩のサイドエピソードの方が面白かった。

雑感


  • フラグ構築編
    • 主人公くんは神職を目指していたのですが、現人神であるイモウトに仕えるうちに神でもあり人間でもある女神に対して性欲を抱いてしまいます。そのことが周囲に知られることになり、奉職から遠ざけられてしまいます。イモウトに仕えること誇りを感じていた主人公くんには衝撃が走ります。かくして主人公くんは性欲を抱くこと自体がトラウマとなってしまったのでした。以来、主人公くんはなるべく女性を性的に見ないように、自らを戒めてきました。一生、実家の神社に仕えていくのだと。このような主人公くんの呪縛を解き放つまでの過程がフラグ構築編です。主人公くんの呪縛を解き放てるのは神でもあり肉欲的な姿態を持つ女性でもある存在だけだったのです。


  • 怪異編はぶっちゃけサブヒロインの先輩のはなしの方が面白かった
    • フラグ構築後は叶が怪異事件を通して土地神として成長していきます。なんだかなぁって感じですが、ここで面白いと感じたのはメインヒロインのはなしよりもサブヒロインの巫女の先輩の方でした。巫女先輩は資産家の令嬢だったのですが、末娘であるがゆえに巫女としての仕事を押し付けられたと感じていました。しかし実際はそうではなく、伝統や神職に理解がある先輩だからこそ他の兄姉よりも適していると判断されて巫女の役目を期待されていたのです。そのことに気づき役目を受け入れ積極的に巫女としての仕事を行うようになる先輩のサイドストーリーの方が個人的には魅力的に感じました。ぶっちゃけピンクよりも巫女先輩の方が攻略したかった感がありますね。


  • 山神VS海神のバトル(作中ですら茶番とのこと)
    • 終局部は作中でライター自身からすら茶番とされています。どんな内容かというと、山神である主人公くんのイモウトVS海神であるピンクが最後にバトルをするという展開です。ピンクは攻略対象ヒロインズの全勢力の力を借りて勝利します。で、ピンクはどんな妖怪や神でも受け入れる寛容の神であり、今まで山神であるイモウトが神事を除いて街へ降りられなかった現象を取り払います。あとキッチリ線引きをしたがる先生がおそらく先代山神であろう伏線も紹介されます。そして最後にとってつけたかのように、ピンクの神格は可能性を切り開く神だーとか何とか定義づけられエンドを迎えます。