はるるみなもに!「幼馴染√」の感想・レビュー

幼馴染関係性変化モノ。攻略ヒロインよりもサブヒロインの元境界神である女性教諭の存在感の方が大きい。
メインイベントは神前式の結婚式なのだが、結婚式描写が数クリックで終わったぞ!!
いや、神前式の結婚式が物語の一大ビッグイベントなんだからもう少し詳述してもいいのでは?
ここで神前式の蘊蓄を読みたかったのは私だけではないはず。日常描写は平淡で睡眠導入剤
同時並行的にサブヒロインの女教師の話も語られていたが、そっちの方が魅力的に感じた。
主人公くんとの関係性に線引きをしがちな幼馴染を元・境界神の女教師がアドバイスする展開。
なんかもうサブヒロインズたちでファンディスク出す気マンマンなんじゃない?

雑感


  • 幼馴染関係性変化モノ
    • 幼馴染属性のキャラゲーのシナリオは「幼馴染関係性変化」をどのように表現するかが至上命題であるといっても過言ではありません。本作ではそれをどのように提示してくれるのでしょうか?本作の場合、主人公くんが特性として「実家の神社で祀っている現人神のイモウト神を絶対視する」ということを保持しているところがポイントです。幼少期には主人公くんを巡ってイモウトと幼馴染が張り合うこともありましたが、主人公くんの優先順位は明確であり、どんなに幼馴染を気にかけてくれたとしても、実家の伝統の絶対性は揺るがないのです。それゆえ、幼馴染は主人公くんとの関係を維持するべく「友情」ポジションに甘んじることを受け入れたのです。主人公くんと幼馴染はよい友人関係になりましたとさ。


  • 主人公くんの父親像について
    • そのような「友情」状態からフラグ構築するのは至難の業です。どのようなイベントが用意されているか期待がもてますね。主人公くんはダディに相談してアドバイスを貰います。あー、父親ねー。父親が登場するとどうしてもリアル自分ちのことを想起せざるを得ません。自分ちは戦前よろしく典型的な封建的家父長制なので父親に対しては複雑な心情を抱いているため、現代的な尊敬できる立派な父親像を見せられると鼻白んでしまいますね。すみません。『サノバウイッチ』でも父親がとても良い人物像として描かれていたことを思い出しますし『サクラノ詩』でも父親が主人公くんの人生観の根底にある存在として登場したことが印象深く残っています。そのうち「紙芝居ゲームにおける主人公くんの父親像の年代別表現の変遷」とかで論文が書かれそうですね(テキトー)。


  • サブキャラ女性教諭と関係性変化
    • 主人公くんの関係性変化の契機となるのは父親ですが、幼馴染ヒロインの場合はどうでしょうか。ここで背中を押すのがサブキャラの女性教諭です。女性教諭はなんと先代の土地神であり、その特性は境界線を引くことでした。しかしユビキタス社会・ボーダレス社会とともにその神性は失われ、それでも境界に拘った結果、疲弊して力を喪失してしまったのでした。女性教諭は幼馴染ヒロインが主人公くんと一線を引きたがる様子を見て、ついおせっかいを焼いてしまいます。老婆心ながらも自分のようになるなと唱えるのです。女性教諭のアドバイスにより関係性変化は見事成功し性交します。こうして主人公くんと幼馴染ヒロインを結びつけた女性教諭は境界を引く神から関係性を結ぶ神へとクラスチェンジすることになりました。
    • いや、女性教諭が過去に境界神としてどのようなことがあったのかとかスゲー気になるしそっちのほうが面白そうなんですけども。ぶっちゃけ本作を読んでいて、メインヒロインにあまり魅力を感じず、サブキャラの方がいい味出してるんですよねー。この元土地神女性教諭とか巫女先輩と妖怪の元締めとか炉利巫女とか。『スズノネセブン』のようにファンディスク出す気マンマンでしょ?
    • 物語の終局部ではとってつけたかのように神前式の結婚式を挙げてハッピーエンドとなります。神前式の結婚式をもっと詳述して欲しかったものです。