スワローテイル -あの日、青を超えて- 体験版の感想・レビュー

高3時の女性関係の呪縛に囚われ続け、毎日を惰性的に生きるようになった学部3年生の話。
時系列入れ替え方式で学部3年と高3の時間軸が交互に描かれていく。
物語の根幹となるのは、高3時に恋人となった内向的なぼっち腐女子が失踪したこと。
夏祭りで、お面を盗もうとの提案に乗ったが最後、万引き後には蒸発していた。
時は流れ、大学3年の夏、再びケータイが過去と同じ内容のメールを受信する。
高3時、根暗ぼっち腐女子はどのような問題を抱えていたのか!?
過去の人間関係を清算しに故郷へと舞い戻るのであった。

過去の人間関係の清算

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  • 高3時に恋人が失踪したことが呪縛となり惰性的な学部生活を過ごす
    • 主人公くんは学部3年生。かつては成績優秀でならしたものの、高3の夏休みに恋人が失踪してからというもの、過去の呪縛に囚われ続けてしまいます。大学受験は突破しましたが、イマイチ研究生活に励むことができず、流されるままに惰性的な日常を送っています。サクッと単位は回収するものの、このままでは研究室配属もままなりません。それでも作中でヤリチンと言われるように、女性関係には恵まれています。(1)高3の時のモトカノだけでなく、(2)しっかり者の幼馴染をセフレ的正妻としつつ、(3)地元の名士のハツカノや(4)隣の部屋のフリーター、(5)お嬢系大学に進学した高校の時の後輩、(6)バイト後輩のJKなどヨリドリミドリ。そんな中、学部3年の夏休みの直前に、とあるメールが送られてきます。それは、高3の夏休みにお面を盗みに行った事件について触れるものであり、それを知っているのは失踪してしまった元恋人だけだったのでした。主人公くんは今でも高3の時の恋人に未練たらたらであり、過去の人間関係を清算するため、田舎へと舞い戻るのでした。

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  • 高3時のモトカノ
    • 女性に不自由しない主人公くんですが、モトカノと正妻系セフレ幼馴染が物語の原動力となっています。モトカノは内向的なぼっち系腐女子なのですが、体験版ではそのぼっち少女とフラグ構築をするまでの流れが丁寧に描かれていきます。ぼっちなので孤独を抱え、自分が変であることを十分に意識しているが故に自己評価も低く自尊感情も自己肯定感もない内向的な少女にどんどん惹かれてしまうのですね。デート時に「私といると迷惑がかかってしまうから」と言って引き下がろうとするシーンは、観覧車効果もあり破壊力抜群です。その後、女性に人気がある主人公くんと付き合っていることでぼっち系少女に風評被害が生まれてしまいます。残酷な言葉を投げつけられてしまい、主人公くんには意地をはるものの、一人で寂しく泣きはらしているぼっち系少女・・・そんな姿を見た主人公くんはpity is akin to love.よ。ぼっち系少女とフラグ構築します。しかしフラグ構築も束の間、夏祭りの屋台のお面を盗みに行こよとぼっち系少女は提案してきます。渋々ながらもこの行為に加担する主人公くんですが、役割分担して落ち合おうと約束した場所にはぼっち系少女は現れず、そのまま失踪してしまったのです。一体何があったのか。これを解き明かすことが、この作品の主題です。

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  • 学部3年次のイマカノ
    • 一方で高3の夏祭り以後、幼馴染とどのように付き合うようになったのか、ということも読者に続きを読ませたいと思わせる仕組みになっています。学部3年の時間軸では主人公くんは幼馴染と付き合っており、肉体関係も結んで、一種の正妻系セフレとなっています。幼馴染は大学の授業には積極的に取り組み、実験もバリバリこなし、企業インターンにも熱心です。惰性で過ごしている主人公くんとは対比的な存在なのですが、世間の規範に沿って行動しているだけともいえ、一種の変わり者が好きだった主人公くんはどうしても負い目があるのですね。幼馴染は当然主人公くんがハツカノ、モトカノを経て自分とくっついたことを自覚しており、だからこそ主人公くんに拘り続け、更には自分がいつかは捨てられてしまうかもしれないと怯えるため、肉体関係で繋ぎとめようともするのです。イマカノの幼馴染とモトカノのぼっち系少女がどのように現在の時間軸で交差するのかが、この作品のウリと言えるでしょう。

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