ラブライブ!スーパースター!! 第10話「チェケラッ!!」の感想・レビュー

努力が報われたことがなく自己肯定感が低い少女が友情パワーで主体的意志を発露する話。
平安名すみれは器用貧乏が故に幼少期から脇役人生を歩んできたため「主役」を渇望していた。
しかしそれはシンデレラコンプレックスであり主体的意志に欠け待ち望むだけだったのだ。
その理由は拗らせた自尊感情と成功体験の無さに起因するものだったが百合友情により打破される。
捻じ曲がったすみれの心をほぐすのは誰よりもすみれを劣等視し侮ってきたクゥクゥであった!
「練習を見て、その歌声を聞いて〔……〕それだけの力が貴女にはあると思ったからです!」

クゥすみ尊い回。臆病な自尊心と尊大な羞恥心を百合友情パワーがときほぐす!

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  • 高い能力を誇りながらも成功体験が無く努力が報われたことが無いため「待ち望む」ことしかできなかった少女が友情パワーにより主役を「自ら掴みに行く」所には泣いた
    • 今回スポットライトが当たるのは平安名すみれ。参加チームが過去最多となったラブライブ予選でその人数を絞るため奇抜なテーマとしてラップが課題として与えられるのですが、それに適性を示したのがすみれだったのです。こうして平安名すみれは言わば棚から牡丹餅、チームメイトから押される形で初めてセンターとなりました。期待に応える為、努力を重ねるすみれでしたが、長きに渡りネタキャラ認定されてきたため周囲の評判は良くありません。ここで諦めてしまうのがすみれの悪いところ。おそらくこれまでの人生で認められることがなかったすみれは、「人からの評価」に過敏になり過ぎていたのでしょう。平安名すみれのこの生き様には本当に共感できて泣けてくる。いやホントマジ山月記の李徴と平安名すみれはキャラが重なるところがあり、孤高系中二を拗らせた人には刺さるんじゃないかな?李徴がその臆病な自尊心と尊大な羞恥心により自ら成功を掴み取りに行けなかったとことか、街を徘徊してひたすらスカウトを待ち続けることしかできなかったすみれとソックリ。
    • そんなわけで一歩間違えれば虎になりそうな女が平安名すみれですが、彼女に救いをもたらすのが一番すみれを小馬鹿にしてきたクゥクゥというのがまた尊い。すみれは偶然、クゥクゥがラブライブで結果を出せなかったら中共に戻られなばならないことを知ってしまいます。それ故、すみれは自分がセンターではクゥクゥの人生を踏みにじってしまうのではないかと思い、自分では駄目だという想いやら悔しさやら惨めさが爆発し涙します。同情でセンターにしたのでしょ?とクゥクゥに対して自暴自棄になる平安名すみれの拗らせっぷりがかわいい。そんなすみれに対してクゥクゥが行うすみれ肯定演説は一見の価値アリです!おススメ。†「クゥクゥが貴女に任せたのは、貴女が相応しいと思ったからです。練習を見て、その歌声を聞いて、リエラのセンターに相応しいと思ったからです。それだけの力が貴女にはあると思ったからです。」
    • 風でティアラが飛ばされたシーンはティアラが飛ぶわけねーだろ紙かよとか賛否両論ありそうですが、あくまでもあのティアラはセンターのメタファー。人に与えられたからではなく、自ら掴み取りに行ったことを表現する為に挿入された演出だったのでしょう。クゥクゥが想いを込めて作ってくれたものだからこそ、すみれは必死こいてキャッチしに行けたのだと思うと尊い。さらに自分が作ったものを必死で掴み取ってくれたことに安堵し思わず名前呼びをしてしまう場面もグッとくる。こうして平安名すみれが初めてセンターとなって脚光を浴び、初めて主役として認められ、これまで蓄積してきた鬱屈を解消したのでした。コンプレックスを解消した後のすみれが感謝やらなにやらの感情を込めて「ありがとう、クゥクゥ」と名前呼び返しをするところは最高にエモいですね!!

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