【感想】アイドルマスター シンデレラガールズ U149 第4話「羽が折れているのに飛んでいくもの、なに?」

桃華回。大人の思惑により櫻井家がスポンサーにつく番組で、娘である桃華を出演させねばならぬ話。
見所は後ろ暗く思う米内Pが桃華に謝罪するも小学生ながらに全てを察する桃華が赦しを与える場面。
アイドル業界は闇が深く、米内Pに対し会長、課長、ディレクターが様々な思惑をぶつけて来る。
内Pは上には媚び諂い仕事を取ってこなくてはならない一方で子どもたちを守らなければならない。
アンビバレンツな状況の中、必死に駆けずり回る米内Pを見て、敏い桃華は見えない要求に応えようとする。
バンジーに関してもただ飛べば良いのではなく、番組が求めるアイドル像に従わねばならなかった。
そんな桃華に対し米内Pが出来ることは少ないが、せめてもの責任として先にバンジージャンプする。
身体を張り何とか頑張っている米内Pの姿は桃華の心を打ち、尚且つありのままの自分を肯定してくれた。
桃華は自分自身の演出を貫くことを決意し、背面飛びでバンジーを決行。その勇姿は人々を感動させた。
一方で今回も米内Pとありすの夫婦っぷりが描かれ桃華に対する二人の態度は娘を想う両親のようであった。

大人の思惑から子どもを守りつつ仕事を得ねばならなくて必死に頑張る米内Pに赦しを与える大天使桃華

アルハラ課長・スポンサーの櫻井家・下卑たディレクター
  • アイドル業の闇深さ
    • 今回は大天使である櫻井桃華回。アイドル業は闇が深く仕事を得るためには地を這い汚泥を啜って媚び諂わねばならない。小学生にアイドルをさせたいという会長の欲望、櫻井家がスポンサーの番組に娘の桃華を登場させようとする課長のパワハラ、桃華にお嬢様属性を押し付け本人を無視したキャラ設定を演じさせようとするディレクターの下卑た発想。様々な大人の思惑に塗れながら、それでも仕事を取ってこなければならない。尚且つ、自分の担当アイドルを潰されてはたまらないので、子どもたちを守らねばならない。薄い本なら枕営業に陥りそうな場面が何度もあり、視聴者としてはヒヤヒヤもの。泡に沈められた桃華の姿が脳裡に過る。

 

娘(桃華)の代わりに米内P(夫)を糾弾する新妻ありす
  • 内Pと橘ありすの夫婦っぷりについて
    • 聡明で敏い桃華はアイドル業をよく汲み取り、求められる歪んだお嬢様系アイドル像を理解し、要求された通りに上手に振る舞っていく。そのため番組撮影は恙なく進行し、寧ろ、そんな理不尽に憤慨する役目を橘ありすが担うことになる。自分の意向や本質など全く無視され、下品なディレクターのキャラ作りに従わねばならない事への不満。これを桃華が噴出させないため、第三者のありすにやらせるという巧みな演出。桃華のために代弁するありすはまるで娘の育成を巡って話し合う新婚夫妻のよう。

 

バンジーの恐怖と求められるアイドル像のギャップにより足が竦む桃華
  • 聡明で察しが良いため求められたアイドル像を演じる桃華が見せた本当の戸惑い
    • 完璧に役をこなす桃華だったが、それでもバンジージャンプの恐怖には足が竦み、尚且つ子供っぽくきゃわいく飛んでねという要望に思い悩むことになる。そんな桃華の窮地を救うのが、我らが米内Pなのである!不器用で経験が浅くガンバレしか言えなかった米内Pだが、桃華の不調を察するとすぐに収録を一時中断。せめてもの責任として桃華だけにバンジーさせるのではなく、まず初めに自分が飛んでみせると空へ舞うのだ。不器用ながらも懸命に頑張る米内Pの心意気は桃華に勇気を与えるものであった。米内Pに自分の飛びたいように飛んでいいんだと肯定された桃華は、ディレクターの要望にちょっぴりと反逆し、エレガントに本当のお嬢様らしくバンジーを成功させたのだ。

 

後ろ暗い所のある米内Pは桃華に謝罪しようとするが、全てを察して赦す大天使桃華
  • 内Pに赦しを与える桃華
    • 収録後、ディレクターは自分の要求に背かれながらも撮れ高は十分であり次を匂わせながら去っていく。彼にとっては櫻井家のお嬢様を使う事こそが目的なのであって桃華などは見ていなかったかもしれない。それでも米内Pと桃華は限られた中でも自分たちを表現することに成功したのだ!
    • 一方で米内Pは大人の思惑のために桃華の尊厳を傷つけたことに謝罪しようとするも言葉に出来ない。だがこれまた察しの良い桃華は米内Pの純粋にアイドルたちを想う気持ちを汲んでおり、赦しを与えるのだ。このシーンが今回最大のクライマックスとなっている。慈愛を注ぐ大天使桃華の姿を是非ご覧ください。
    • ついでに何故かありすもバンジーをする。米内Pが漢を見せ、桃華が華麗に自己表現したため、ありすにとっては自分だけ飛ばないという選択肢は無かったのかもしれない。今回、桃華の代弁者として米内Pに大人の事情への憤慨をぶつけたありす。桃華にとってありすが言ってくれたことはある意味救いだったのかもしれない。こうして桃華とありすの間に絆が結ばれ、お互いを名前呼びするようになった。

他にも見どころたくさん!

プロデューサーとして大人として、せめてもの責任を果たすためバンジーする米内P
覚醒した桃華はディレクターの要求にちょっぴり反逆し華麗なお嬢様として空へ舞う
桃華を名前呼びしようとして照れるクールタチバナ
これは桃華がペットボトルをラッパ飲みするシーン
桃華ありす

U149感想まとめ