【感想】学園アイドルマスター「千奈の恩返し」(2024/09/30)を読んだ。

手毬が千奈の純粋な人柄に触れて完堕ちする話。ハイパーちなてまタイム。
コミュ力に欠け、喧嘩腰でしか他者に話しかけられないのが月村手毬。
千奈に対しても同様であり、最初は嫌みやトゲトゲ言葉を放ち千奈に意地悪をする。
だが手毬自身は助言をしているつもりであり、その意図に気付いた広に翻訳されていた。
その後、千奈は傷つきながらも手毬と接する中で、彼女の本質を知っていくことになる。
このサポカでは文化祭の劇の出し物の演技に悩む手毬に、千奈がその役の心情を解説する。
高貴な家柄に基づく淑女教育による文化資本のアドバンテージ・文学的素養を見せつける。
千奈のおかげで役作りがうまくいった手毬は劇も大成功となり、はにかみながら御礼を言う。
広に仲良しっぷりを指摘され手毬はツンデレしてしまうも千奈の朗らかな性格に浄化された。

倉本千奈が持つ人柄の温和さは陰険な手毬の性格をも包み込んでいった

千奈がその文学的素養により手毬が演じる役を解説する

倉本千奈はアイドルに憧れ初星学園の門を叩いた上流階級の女の子。だが成績はスットコドッコイであり入試最下位入学であったためコネ入学と噂され叩かれていた。千奈に厳しく当たる人間の筆頭は月村手毬であり、事がる毎に2組を訪れ千奈にチクチク言葉を吐いていた。だがそれは陰湿な陰口ではなく直接言いに来ているものであり、篠澤広は言い方がキツイだけで内容はまともな助言であることを見抜いていたので、千奈に翻訳してあげるのであった。手毬自身は千奈が持つ魅力(文化資本・教養・所作・立ち居振る舞い・人柄など)を認めていたので、千奈も手毬と接する中で彼女がツンデレなだけだと次第に気付いていく。イベストでは千奈のカリスマに手毬が助けられる結果となったが、今回のサポカでも千奈の世話になる。
 

手毬の刺々しい部分を千奈の純粋さが溶かしていく

手毬は文化祭の出し物に苦戦していた。劇の配役で歌だけでなく演技も要求されたのだが、演じる役の人物像の理解に悩んでいたのだ。これに対して倉本千奈が持つ文化資本、すなわち文学的素養が発揮される。元になった劇を履修済みである千奈はスラスラと役作りのポイントを語って見せるのだ。これを聞いた手毬は食い気味になり千奈から教えを請う。手毬は舞台を良い物にするためであったら貪欲にどんなものでも取り入れる姿勢があるってことがはっきり分かんだね。千奈はいつも助言されるばかりであったので、手毬に恩返しができると喜ぶ(タイトル回収)。
 

千奈の手毬に対する理解度の深さ

千奈の手助けもあってか手毬は役作りを深める事ができ、劇も大成功となる。手毬はあなたのおかげでと千奈にデレるが、居合わせた広にすごく仲良し?と訊かれてしまう。千奈はそれに同意しすっごく仲良しと応えるのだが、ここでも手毬はツンツンしてしまう。だが千奈の純朴な素直さが手毬の対人バリケードを突破する。手毬が千奈との関係性を否定しようとすると寂しそうにそうなのですか?と問うて手毬のトゲを取る。さらにいつもの千奈演説(「わたくしね…」で始まる千奈の告白)で手毬を完堕ちさせるのだ。「うふふ……わたくしね。月村さんのこと……すこぉしずつ、わかってきましたわ。〔……〕月村さんは……一見。怖くて、厳しくて、イジワルで……イジワルで……本当は、とっても親切で優しい方。そうでしょう?〔……〕はい、わたくしのためを思って、言ってくださったことですもの。これからも、どうか厳しくお願いいたします!」。最早手毬がツンツンしても千奈には効果が無く、ハイパーちなてまタイムが現出された。

ハイパーちなてまタイム
千奈の恩返し