【感想】学園アイドルマスター「まだ上がりませんように!」(2024/06/01)を読んだ。

花海姉妹の梅雨時エピソードにおいて咲季の良い姉としての仮面がほんの一瞬剥げ落ちそうになる話。
花海咲季は姉であることがアイデンティティであり、妹より常に上位存在であらねばならなかった。
だが能力値の成長率的には佑芽が上であるため、咲季は良い姉を演じながらも常に脅迫観に晒されていた。
それ故時折佑芽に対するコンプレックスがまろびでそうになり一瞬空気がヒリつきかける事が多々あった。
相合傘をすれば彼氏役を譲らず、トレーニングマシンに入れ込み、身体が交換されたらという仮定の話にムッとする。
しかし佑芽は本当に姉を尊敬しているため一触即発の危機にはならず冗談で流されるという結果に終わる。
咲季もすぐに順応し、入れ替わったら大胆な写真を撮りまくるとおどけ、お姉ちゃんのえっちぃでオチとなる。

佑芽の些細な冗談に対し一瞬良いお姉ちゃんの仮面が剥げ落ちる瞬間が見所!

頑なに咲季の優位に立とうとする咲季

今回の話の最大の見所は、咲季が佑芽に対して抱えているコンプレックスがまろびでる場面であろう。稀咲は姉であることをアイデンティティとしており、常に良い姉を演じ、妹よりも上位存在であることを自己に課していた。そのため絶対に負けられないという自縄自縛に嵌り闇落ちしていった。物覚えの良いのは咲季の方だが、大器晩成タイプの佑芽はいったんコツを掴むと圧倒的な成長率を見せステータスで咲季をぶち抜いていた。故に咲季は佑芽に追い越される度に次々と競技を変え、最後に辿り着いたのがアイドルだったのである。ここでも咲季は良い姉を演じ続けていたが、背後に迫る妹の影は日増しに濃くなり、演技が崩れかけそうな時がしばしばあった。
 

姉の趣味に若干引き気味な佑芽

今回のシナリオの内容は以下の通り。①佑芽が傘を忘れたため咲季は相合傘をするがどちらが彼氏役になるかで揉めた結果佑芽が折れる。②雨で室内訓練に変わったため佑芽は意気消沈するが咲季は学園の最新トレーニングマシンに目を輝かせ両親に動画を送信する。③高校進学と共にお洒落に目覚めた佑芽が可愛い服を着たいからという意味で咲季と身体が入れ替わったらなと仮定の話をするも佑芽の能力値にコンプレックスを抱く咲季がムッとする。特に③は一瞬であるのだが、咲季が普段とは異なる口調で三点リードを溜めた後「なんで?」と凄むところは一見の価値アリ!!!珍しく妹への劣等感がまろびでます。
 

単なる佑芽の軽口が咲季の逆鱗に触れた!

佑芽からしてみればたわいのない冗談だったかもしれないが稀咲にとっては一大事。一触即発の危機かと思われるくらいに空気がヒリついてしまう。だが佑芽は自身の豊満な肉付きよりも小柄な姉の方が可愛い服が着れるという真意を告げたので事態は深刻化しなかった。それを聞いた咲季はすぐにいつも通りの平静に戻り、佑芽と入れ替わったらその肉体を見せつけるためダイタンな写真を撮りまくると茶化して空気を和らげる。佑芽がお姉ちゃんのえっちぃ!?と叫んでオチとなったが、グラビアアイドルとして天性の才を持つ佑芽を当て擦ったのかもしれない。

佑芽の真意を知り安堵する咲季
佑芽の豊満な肉体を当て擦る咲季
まだ上がりませんように!

学マス感想まとめ