東京学芸大学二次試験倫理過去問まとめ(2012〜2008)

東京学芸大学は二次試験を倫理1つだけで受験できる。

学芸大 倫理 2012

1 キリスト教ギリシア思想の融合〔記述・論述(200字3問)]
  • キリスト教哲学の大成者ともいえるトマス・アクィナスの人間観について200字以内で説明せよ
  • ソクラテスは「人間にとって大切なのは、ただ生きることではなく、よく生きることだ」と語った。その言葉の意味を「魂への配慮」という思想と関連させて、200字以内で説明せよ。
  • アリストテレスの存在の捉え方について200字以内で説明せよ
2 日本における朱子学陽明学〔論述(200字3問)・選択〕

学芸大 倫理 2011

1 西洋と東洋の自然観〔選択・論述(100字2問、200字2問)〕
  • フランシスコ・ベーコンが展開した経験論と彼の学問観について200字以内で説明せよ。
  • 機械論的自然観を唱えたデカルトの「高邁の精神」について100字以内で説明せよ。
  • 西洋近代において自然について独特な見解を表明した哲学者にスピノザがいる。彼の自然観を100字以内で説明せよ。
  • 古代中国の老荘思想がある。老子荘子の自然観について、本文の記述(※西洋近代思想の自然観が書かれている)を参考にしながら、200字以内で説明せよ。
2 日本思想の特色〔記述・論述(100字、200字)〕
  • 「十七条憲法」には「和をもつて貴しとなし、さからふることなきを宗とせよ」とある。これを分かりやすい現代日本語により、解答欄に100字以内で言い換えよ。
  • 和辻哲郎は「人間の学としての倫理学」を唱えた。和辻の倫理学の特色を解答欄に200字以内で言い表わせ。
3 ペルソナと愛の関係〔論述(400字)〕

(前略)
ここで、我々が人間のペルソナに目を向けると、交わり、あるいはコミュニケーションがペルソナにとって本質的と言えるほどの重要な意味を持つことはあきらかである。人間がペルソナであるのはすべての他者から区別された、この主体としてである、と考える論者にとっても、他者には無関心で、自らのうちに閉じこもる生き方はペルソナ性の放棄あるいは喪失と受け取られるであろう。逆に、他者との交わりを豊かに保ち、家族、地域共同体、国の境界を超えてコミュニケーションを拡大することは、それこそ人間にふさわしい生き方であり、ペルソナ性の完全な実現と見なされよう。
しかし、人間のペルソナについては、現実に「交わり・即・存在」ということはできない。いかに人間にとって「生きる」とは「共に生きる」ことであると力説する論者でも、人間の存在ないし生命には他者と共有できない部分があることを認めざるをえない。しかし、他方(後略)
(稲垣良典トマス・アクィナス神学大全』』講談社、2009年より)
註「ペルソナ」とは、英語でpersonであり、日本語では、人格と訳すことができる。

  • 稲垣良典は上の引用文の後、愛の問題について論じていく。そのような、愛の問題への展開にいかなる必然性があるのかを解答欄に400字以内で論述せよ

学芸大 倫理 2010

1 人生観についての考察〔記述・論述(100字、200字2問)〕
  • 問2(c)「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」をてがかりに、悪人正機について、200字以内で説明せよ。
  • 問3.江戸初期の朱子学について、300字以内で説明せよ。
  • 問4.「無常」とは何か。100字以内で説明せよ。
2 実存主義の思想〔記述・論述(200字、400字)〕
  • 問3.「実存主義の思想家たちはおおむね渦中の人、時の人、問題の人であり、また時にはそれを義務と考えていた」が、実存主義の思想家たちは、なぜ、それを義務と考えていたのであろうか。実存主義とは何かとも関連させつつ、400字以内で説明せよ。
  • 問4.パスカルは「人間は考える葦である」と述べた。この意味は何か。200字以内で説明せよ。

学芸大 倫理 2009

1 「なぜ苦しみがあるのか」という問いかけについての考察〔記述・論述(200字3問)〕
  • 問2 レヴィナスハイデガーが展開した人間論について、二人の考えを対比しながら200字以内で説明せよ。
  • 問3 『旧約聖書』に見られる神と人間の関係をめぐる考え方について本文の記述を参考にしながら、200字以内で説明せよ。
  • 問4 ヴォルテールを代表者の一人とするフランス啓蒙思想について200字以内で説明せよ。
2 日本の近代思想・老荘思想ニーチェの思想〔論述(100字、200字2問)・記述〕

学芸大 倫理 2008

1 プラトンの正義論と近現代の社会契約説〔記述・論述(200字3問)〕
  • 問2 プラトン自身が展開した正義論について200字以内で説明せよ
  • 問3 ルソーの社会契約思想について200字以内で説明せよ
  • 問4 エゴや自己をさらに問題にしなければならない理由について、本文の主題と内容(※「自由であるはずの人間が、決まりや道徳をつくり、それに従わなければなくなる理由、プラトン・西洋近代の思想家・ロールズの社会契約説をてがかりに考えるというもの」)を踏まえて、200字以内で説明せよ。
2 日本の哲学、フーコーイスラーム思想〔選択・論述(200字3問)〕
  • 問2 フーコーが展開した近代思想の批判について、200字以内で説明せよ。
  • 問3 イスラーム教でも、世界を超えた存在について様々な思想が展開されてきた。イスラームにおけるアッラーについて、他の宗教と比較しつつ、200字以内で説明せよ。
  • 問4 本当の意味での「哲学」を目指そうとした日本人哲学者の一人として西田幾多郎を挙げることができる。西田の「純粋経験」という考え方について、200字以内で説明せよ。