雑録

小さな彼女の小夜曲「白里楓シナリオ」の感想・レビュー

『小さな彼女の小夜曲』の楓ルートは「主人公とのワケアリヒロイン」。
主人公くんとの関係修復や、部活を引退する描写が丁寧になされていくのだが・・・
しかしホントウはメインヒロインの汐音がフラれる話だった!!
し、しお、しおねぇぇええぇぇぇx・・・。
しかもタイトル解題において、汐音さんバッドエンド!が正史のように語られます。

白里楓のキャラクター表現とフラグ生成過程

白里楓は文武両道でおしとやかな気品のある先輩。水泳部所属。ただし主人公くんとはワケアリのようで厳しい口調で接することもしばしば。しかし、それは主人公くんとの過去に色々とワケアリだったのです。はいきました、ワケアリヒロイン枠ですね。『ショコラ』のカナコや『パルフェ』のリカコなどとタメをはれるくらいワケアリだと嬉しいのだが・・・と思って読み進めます。楓先輩はかつて高1時代、プールで足がつった時に偶然主人公くん(中3)に救われました。しかし主人公くんはそこで身分詐称をしてしまうのです。かねてから噂で楓先輩が年上好きだと言っているのを聞いていた主人公くんは、年下であることを隠して本名も名乗らなかったのですね。こうして偽りの中でも時を重ね、懇ろな仲になっていく二人。ここに悲劇が訪れます。主人公くんは良心の呵責に耐えきれなくなり、楓先輩は想いを抑えるのを耐えきれなくなり、それぞれ謝罪と告白をしようということになります。主人公くんが口を開きかけたその瞬間、同級生が通りかかり、本名と学年をばらしてしまったのです。第三者により明かされる真実は楓先輩の心を大きく傷つけます。自分が初めて抱いた恋心を無残にも踏みにじられたのです。こうして、主人公くんとの恋は悲恋に終わりました。

しかし、焼けぼっくいに火がつくのがワケアリヒロインの常道です。先輩と同じ高校に進学した主人公くんは偶然水泳で勝負することになるのです。主人公くんは勝利した挙句、フォーム指導までしてあげたことから、眼の敵にされるようになり、再び関係性が始まります。そこには楓先輩の主人公くんへの愛憎がありました。取るに足りない人間なら無視すればいいだけの話ですが、主人公くんのことを気にしてしまうのは、今でも主人公くんへ複雑な感情を抱いているから。試験勉強や喫茶店のバイト、花火大会を通して新たな関係を築いていきます。再びお友達になってくださいと謝罪をする主人公くんに対し、先輩は心を開いてフラグが成立するのでした。こうして昔気質な先輩の封建的な性意識とか部活の引退のせつなさとかが色々描かれていくのですが、唐突にメインヒロインの汐音にスポットライトが!!主人公くんに好意を抱いている汐音が、すでにフラグ構築している二人の姿を見て、心を痛める姿が丁寧に描写されていきます。そして、傷つきながらも二人の仲を祝福するべくクリスマスプレゼントとして歌を歌う姿は涙をそそります。彼女の悲恋はまさに人魚姫の悲劇のようであり、『小さな彼女の小夜曲』であるとタイトル解題がなされます。「私の想いは叶わずとも、結ばれた二人には永遠の幸せを…」汐音さん、バッドエンド!!