まじかりっくスカイハイ「川澄ゆりか」シナリオの感想・レビュー

まじかりっくスカイハイのゆりかシナリオは「偽造幼馴染み」。
記憶喪失になったものの距離感を失うのが怖くて、記憶があるふりをしていたゆりか。
そんなゆりかが主人公に贖罪し、新たな人間関係を構築していこくことがテーマ。
「幼馴染み関係性変化」モノとして「幼馴染みのフリをする罪悪感」とかが良かったです。

川澄ゆかりのキャラクター表現とフラグ生成過程

  • 社会的評価の獲得
    • 川澄ゆりかは成績優秀で人当たりも良く社会的な評価も高い女の子。そんなゆりかと幼馴染みの主人公は高性能ではあるものの世間的には評価されない分野に秀でていました。「落ちこぼれ」としてレッテルを貼られ、スクールカーストの底辺に位置する主人公くんでしたが、それを甘んじて受けいれて日々を過ごしていました。ですがある時、事件が起こります。これまで注目されてこなかった主人公くんだけが、力を発揮できるようになったのです。これまでゆりかという周囲から人気の女の子と、幼馴染みということだけで仲良くしてもらっているとみなされていた主人公くんは、やっかみを受けていました。ここでさらに底辺が特別という社会構造の変化に耐えられない既得権益層からの嫌がらせも始まります。これを自分が堪え忍ぶことで何とかしようとする主人公くんでしたが、周囲の年長者からもっと他人を頼ることが大人なのだと諭されます。こうして主人公くんはヒロインたちの協力を仰ぎながら、自分を世間に認めさせるために、立ち上がるのでした。


  • 偽造幼馴染み
    • ゆりかをパートナーにして努力をしていくうちに二人はどこか相手に遠慮をしていたことに気づきます。もっとぶつかれよ!!衝突を恐れるなよ!!!自分の思想を相手とぶつけ合うのは悪いことじゃないよ!!!!とまではいかないですが、本当の気持ちをさらけ出すことで幼馴染みの関係から一歩進めた関係になれました。ゆりかは主人公くんに隠し事をしていたと告白します。ゆりかには過去の記憶が曖昧なところがあり、主人公くんとの幼少の想い出を偽造していたのだと。ここで問題になるのは人格と死の問題。記憶が人格を作っているとしたら、その記憶がない自分は他人に過ぎないのであり、別人なのではないかいうこと。ゆりかはこのことに恐怖を抱いて偽造幼馴染みを展開していたのでした。そんなゆりかに対して主人公くんは昔のゆりかも今のゆりかも受け入れフラグ構築。懇ろな仲になった二人は「主人公くんの力を社会的に認めさせる」試練に打ち克ちます。この試練の中で、なぜ主人公くんの「普通」の能力が低かったかが判明されます。主人公くんはかつてゆりかが記憶を失うことになる事故において、ゆりかを助けるために、未来の自分から能力を前借りしていたのだと、時空超越設定が提示されます。その前借り期間が終わり、ゆりかとの逢瀬もあって能力が復活したのでした。こうして主人公くんはゆりかのパートナーとして対等な位置関係にまで昇りハッピーエンドを迎えるのでした。