雑録

月に寄りそう乙女の作法2.2 A×L+SA!!「アトレストーリー」の感想・レビュー

イモウトの歪んだ奉仕心を解消して、素のまま心で恋情慕情を育くんでもらおうというはなし。
世界に祝福されお気楽に生きていた才華くんが、イモウトを手に入れるために意思を示すところがみどころ。
奉仕心を恋情と思い込み勘違いしていたことに気づいた時の才華くんの狼狽っぷりをお楽しむください。
才華くんに求められたことで初めてアトレは欲情を覚え、逢えない期間がそれを育んでいきます。
ちなみにアトレに業務用手コキ性欲処理をしてもらうと紅葉√に入るのですが、紅葉の音声はいってない・・・
そして九千代√はない。一番不憫なのは九千代かもしれない。

アトレ√概要


  • 才華くんの歪んだ性癖とアトレの歪んだ奉仕心
    • つり乙2はルナ様と遊星さんの子どもたちのストーリーです。才華くんは歪んだ性癖を持っており、それを解消するのが個別√でのテーマともなっているのですが、ここで才華くんの性癖をおさらいしておきましょう。才華くんは少年時代に両親の生殖行為を目撃してしまいます。それだけならまだよかったのですが、遊星さんが女装してルナ様に喘がせられているプレイだっため、さぁ大変。主人公くんは自分の女装したお父さんにしか欲情できないという性癖を抱いてしまうのです。それ故、遊星さんに憧れてそれを目指した妹:アトレは才華くんの性癖を刺激してやみません。妹の裸体を目撃したことを契機に遊星さんは性欲を感じてしまい、さらにはアトレを押し倒してしまうのです。そこを才華くんは衣遠叔父様やるみねぇに目撃されることになり、引き離されるところからアトレストーリーが始まります。
    • 一方でアトレは兄に対して歪んだ奉仕心を持っています。兄のために尽くすことこそ、自分の幸せとしているのです。これを自覚しているアトレは色々とそれを解消させようとこれまで試行錯誤してきたのですが、その解消は能いませんでした。アトレが抱いている歪んだ奉仕心は、その生まれにありました。才華くんはルナ様の血を色濃く受け継ぎアルビノ属性を有したため白髪赤目色白肌だったのですが、遊星さんの血を色濃く受け継いだアトレは健康そのもの。ある時アトレがメイド(紅葉)になぜ自分が兄と違うのかを訊ねると、それは才華くんが後から生まれるアトレのために災厄を引き受けたからだと返されます。これが幼きアトレに歪んだ奉仕心を植え付ける契機となり、アトレは自分のためにアルビノとなった兄に尽くすことこそが幸福であると内面に刷り込んでいったのでした。



  • 「意思が希望を生んで、希望が夢を育てて、夢が世界を変えるんだ」による説教
    • アトレに欲情してしまった才華くんでしたが、アトレが今まで見せていた恋情のような感情はすべて才華くんが望んだから行った演技であったことを知りショックを受けます。さらには近親相姦未遂が衣遠叔父様にバレたことにより引き離されてしまいます。苦労を知らずに育った才華くんはこれまで色々と言い訳をしてきたのですが、そこを紅葉に指摘されることになります。自分の意思がないじゃないかと。紅葉が遊星さんの名言である「意思が希望を生んで、希望が夢を育てて、夢が世界を変えるんだ」を引用しながら行う説教場面は名シーンだと思います。「…どんな行動をとるにも、常に誰かの意思を必要としていて、そこに若の意思が存在しません。若の意思が存在しないということは、たとえ成功しても、失敗しても、戦うにしても、逃げ出すにしても、嬉しくても悔しくても、全てを人のせいして生きていくことになります。若の人生は若のものです。誰かのためと言い訳をするのは楽ですが、もう若も大人になりかけているのですから、楽するのを捨てて、苦労しても良い頃です…間違ったことをするのなら、若が、自分でこうしたかったんだと、笑って沼に足を踏み入れられるようになってください」。
    • そしてここからがアトレのターン。アトレは最初に身体を求められた際に拒否したのですが、それは今まで生殖のことを考えたことがなかったためであり、今はちょっと無理というニュアンスだったのです。才華くんに求められたことを契機に、アトレは情欲を抱くようになり、さらにイメージを重ねることで、その情欲の昂りを育てていったのです。こうしてアトレも肉欲を自覚するのですが、才華くんはその感情は奉仕のものでありアトレが求める恋情とは違うのでないかと提唱します。そこで、アトレの歪んだ奉仕心を解消し、素のままの状態で才華くんを見てもらおうという意思を示すのです。


  • 歪んだ奉仕心を解消するためには
    • では、どうすればアトレの歪んだ奉仕心を解消できるのでしょうか?アトレは自分が健康であるという引け目がトラウマとなりました。そのため才華くんが幸せであるということを示せれば歪みを払拭できるのです。才華くんの目標とは、アルビノの容姿を自己肯定し他者にも承認させること&母親に対して抱いている服飾デザインのコンプレックスを解消すること。そのためにクリスマスのファッションショーで、自分がデザインした服を、自分がモデルとして身につけてランウェイを歩き、グランプリを獲得することでしたね。しかし「才華くんは自己のためでなく、他者のためにデザインすることで才能を覚醒できるのだ!!」ということがつり乙2のメインテーマとなっていました。故に、アトレ√では、アトレを喜ばせるために、アトレの隣を歩くお兄ちゃんはこんなにもカッコイイんだぞ!ということを示すために、服飾デザインすることになるのでした。
    • 才華くんが自己の意思を確立するところまでがクライマックスで、あとはダイジェストモードな感じでサクサク進みます。一応、誇り高きエストと和解して相互に研鑽を積んだり、才華くんを慕う九千代を振ったり、才華くんの最強の理解者である朔莉に支えられたりもしますが、そんなに深くは語られません。九千代√はあってもいいんだけどなーと思ったりなんだり。数クリックでついにクリスマスファッションショーとなり危なげもなく才華くんはグランプリを獲得。さぁ、才華くんが本当に幸せになることでアトレの歪んだ奉仕心は解消されたのでしょうか?ここでの見せ場は、歪んだ奉仕心が「解消」されたのではなく「昇華」されたのだということ。才華くんを想うアトレの心は、尽くしたいという気持ちと求めたいという気持ちを融合させることになったのです。こうしてついに才華くんとアトレは結ばれることになりました。本編では閨での夜伽がギャグになったのはるみねぇ担当でしたが、今回はアトレと仏教ックスします。深いね!!実妹モノでは、周囲から承認されなくとも二人だけの関係を貫く所謂セカイ系エンドか、安易な社会的承認を得てお気楽ハッピーになるご都合主義エンドかでシナリオの処理が分かれますが、アトレストーリーでは遊星さんとルナ様に報告するところで幕引きとなります。