雑録

Heritage tourism(001)【講義】「フロンティアとコロニー~先住民族としてのアイヌ~」

蝦夷地は江戸時代後半から帝国主義下における日本とロシアの「無主の地」の取り合いの歴史。
開拓使と侵略史は表裏一体であり、「フロンティア」の語の背景には「無主の地」の発想がある。
和人がアイヌ人を文化遺産として観光資源化する際には、注意が必要。

以下、講義まとめ

  • 「Heritage Tourism」と「Indigenous Tourism」
    • 北海道の文化遺産の一つ=アイヌ先住民族
    • アイヌ文化を文化遺産として考える
      • 天気がよければ外に出る。フィールドワークのノウハウ。研究手法・調査手法を学ぶ。
      • アイヌ文化。ウポポイ。共生空間が出来るが・・・身近なところにもアイヌ文化はいっぱいある。
      • すぐにでもできるものとしてのフィールドワークをアイヌ文化から考える。
  • 日本の歴史区分 北海道と沖縄は違うということを留意せよ。
    • 日本ということを考える際、3つのポイントがある。
      • 1つの列島・2つの国家・3つの民族(ヤマト・琉球アイヌ。※正しい言い方とは言えないが・・・)
  • 日本は単一民族国家ではなく、多様性のある列島!
  • アイヌ語の規則性
    • poro大きな pon小さい 大きな・小さなの対比がなされる。
    • pet 子音で終わることがあるのがアイヌ語
    • kot-ne-i キャンパスには窪地があり 水が湧いていた。JRの南北から一気に湧きだす。 知事公館・植物園で泉が湧きだす。
    • ranko-ush-i 蘭越 和人がアイヌ語に漢字をあてているがビーフの牛をあてるが意味は違う。いつも何かをする場所という意味。ランコシ→桂がいっぱいある場所。土地が持っている意味が連想できなくなっている。
    • inkar-ush-pe いつも眺める場所 藻岩山。日本人が円山と藻岩山を勘違いして名づけてしまった。現在の円山がアイヌ語では藻岩山である。
    • 円山 mo-iwa
    • 遠軽 inkar-ush-pe 藻岩山と一緒
    • pipa-ush-i カラス貝・多き・処
    • Sar 葦の生えた場所 斜里・沙流
    • Shak-kotan 積丹
    • kito-ush-nupuri 岐登牛山
    • mose-ush 妹牛山
  • ヘリテージの考えで重要なのは?
    • 遺産 日本人的に考えると 過去の人が自分に残してくれたもの 
    • 英語のヘリテージはもう少し強味がある。inherit 過去・現在・未来のうちヘリテージでは未来まで伝えたいというものも遺産に含まれる。時代を超えて継承されるべきもの。「意志」を持って残す。
  • 北海道の歴史を再考しよう。
    • 北海道のツーリズムで北海道の「時代区分」を学ぶ → 近代国民国家だけが歴史を語ってよいのか 中央の歴史が地方の歴史なのか?
    • 帝国主義との関係「無主地」→「持ち主のない土地」の意味 19世紀~20世紀前半
      • 先住民は国家を樹立する段階でなかったので、どんどん占領されていった。
      • 江戸後期 蝦夷地は「無主の地」→日本とロシアが取り合いをする 北海道の近代の歴史は日本とロシアの取り合い。そういう見方をしないと北海道を理解できない
      • アイヌが日本を好きでない理由がここにある
    • 開拓史と侵略史
      • フロンティアという言葉自身が持つ「侵略」 開拓と侵略は表裏一体
      • 北海道は開拓の地である → アイヌ人にとっては不愉快
      • 移民してきたシャモは歴史の一部 フロンティアは観光でよく使われるが・・・「手つかずの地」とは誰にとっての?
  • 日本の先住民族政策 
    • アイヌの文化の継承 他の国々に比べると遅れているが ターニングポイントになってきている。
    • 明治政府が北海道を日本に組み込む → アイヌを旧土人として組み込む 旧土人保護法(1899年) 廃止されたのは1997年:『アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律』
    • 2008年「アイヌ民族先住民族とすることを求める決議」が衆参両院で採択。
    • 2019年「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」
  • ヘリテージツーリズムの社会的意義
    • 楽しみながらアイヌ文化を学ぶきっかけとなりますよ。
    • ツーリズムは「その価値をなぜ継承しなければならないのか」とを教え、サポートしてくれる人を増やしていく 
    • ファンやサポーターを増やしていくのは娯楽性と学び