LOVE・デスティネーション【体験版】の感想・レビュー

死に戻りループで冴えないオッサンが自分の人生を救おうとする話。
上級国民やフェミ、ノイジーマイノリティへの怨念を巻き散らすテキストは正直苦痛。
いつまでもネガティブな主人公が永遠にグチグチする様子を読まされることになる。
共学化した元女子校へ入学するが攻略対象は面倒くさい人物ばかり。
体験版の共通ルートは事実上我慢大会でヒロインを攻略する気が1ミリも湧かない。
体験版終了時点で全員主人公に惚れるが、そんなご都合主義は夢オチ展開じゃね?と伏線が張られる。
あと漢字に全ルビは読みづらくてしょうがない。難読語とか当て字の時だけで良いと思われる。

体験版は完全に我慢大会。製品版にはその分のカタルシスがあるのだろうか?

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  • 永遠にウジウジした主人公が上級国民かつフェミである攻略ヒロインたちにグチグチする様子を見続けなければならない
    • 時代は数十年後の日本。上級国民とフェミとノイジーマイノリティによる政治腐敗が進み、政治的無関心と客分思想によって民主主義の機能は破綻しました。底辺階層である主人公は自己の境遇を仕方がないと受け入れて生活しながらも、全然受け入れられてはおらずテキストの端々に怨念が迸っています。そんな中、主人公は幼馴染の結婚式で飲んだくれ、その帰り道で交通事故死するのです。しかし形而上学的存在によると、実は主人公は手違いで殺されてしまったとのことで、失敗を隠蔽するために、過去へループすることになったのでした。主人公に与えられた課題は因果律を振り切って自分の人生を救済すること。もし人生を変えられなければもう一度同じルートを辿り冴えない人生の中で交通事故死することになります。1周目の世界線で主人公が底辺階層に堕ちたのは、天災や人災、両親が犯罪者扱いされたことなど様々な要因がありました。ですが根本的な問題として、主人公のハイパー事なかれ主義があり、自分が傷つくことが怖いから主体的に何かをするという姿勢を欠いていたのです。この性格が一番の難敵であり、読者たちは主人公が後ろ向きになってグチグチする様子を永遠に見せられるのです。


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  • 攻略ヒロインはものすごく面倒くさい人物ばかり
    • 主人公は自分の人生を変えるために前世では選ばなかった共学化した元女子校に入学することにします。しかしそこでの主人公の扱いはぞんざいなものでした。学校で出会う攻略ヒロインはまったく可愛くなく無理難題をふっかけてくる面倒くさいヒロインばかり。特に主人公にケチをつけてくる幼馴染、フェミ、ギャルは攻略対象として受け入れるのは多大な苦痛を要します。ライターとしては落差を激しくすることでギャップ萌えを狙っているのでしょうが、そもそも好感も持つのが難しい事態となってしまっています。主人公の親友が一番可愛く、ひょっとすると男装しているだけで攻略ヒロイン枠なのかも・・・と思われましたが、男子トイレで男性器を見る描写が挿入されており生物学的には完全に男となっています。LGBTトランスジェンダーものもやるのこれ!?


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  • 形而上学的オチ
    • そして最後はご都合主義展開は夢オチなのではという疑惑が提示されて体験版は幕を閉じます。攻略ヒロインたちは大変面倒くさい勘違いやしがらみや思惑を持ちながらも主人公に惚れていき、主人公はモテ期ktkrわっほい!人生変わった!大勝利と確信するのですが・・・。なんとおそらく形而上学的な存在である少女が現れ、そんな死に戻りループなんてあるわけないじゃんとこれまで読んできた作品とそのコンセプトそのものを否定してきます。果たして主人公は人生を変えられるのか!?といったところで終わるのですが、正直あんまり製品版をやる気が起こらない体験版でした。作品の評価がよっぽど高ければ後追いで買います。


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