雑録

『GRISAIA: PHANTOM TRIGGER Vol.7』の感想・レビュー

対テロ戦争編(上)。スゲー中途半端な所で終わる。完結してからやった方が良い。
構造はこれまでに人物像を掘り下げたキャラ達を用いて大きな問題に挑むパターン。
終わらない対テロ戦争に投入された学生兵たちの戦場での活躍を描くことが主軸。
一般人の教員を語り部にすることで、担当生徒の全体を見せるという構図を取る。
敵はある程度掃討されたら冷静に手を引き、また別の地域でテロをするよエンド。
現在の時点では次回がファイナルなのでハルトとエニシの対決で大団円となりそう。
あのね商法・分割商法は本当にやめて欲しい。どーせ完結後に完全版出すんでしょ?
分割にしてもヒロイン編・ハルト過去編・対テロ戦争編の三部構成が妥当だったかと。

全体における第7巻の位置づけは、教員の目線を通して今までのキャラ達をおさらいし、最終的な敵を提示すること

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  • 分割商法で取り上げられたキャラ達のおさらい
    • グリザイアPTは各巻で一人ずつヒロインの人物像の掘り下げを行い、そのヒロインに関係の深い仲間(サブヒロイン)が一人ずつ増えていくという手法を取っています。そしてヒロイン全員を扱ったら主人公ハルトの過去を紹介し、最後に因縁深いラスボスに挑むという流れです。ノベルゲーにありがちな個別ルート→主人公過去→グランドルートという典型例。昔のノベルゲーならば上述した典型例をフルプライス版1本で出していたことでしょう。けれども近年ではノベルゲー長すぎ問題への対処やコンテンツの延命という狙いもあり、分割商法真っ盛りとなっています。しかし分割商法だとスパンが空きすぎて内容を忘れてしまうという欠点があり、それを補うためにまたもや分割版が発売されるというスパイラルに陥ります・・・そんな分割版が今回のVol.7であるということが出来るでしょう。
    • 第7巻の前半は、担任教員が生徒たちを戦場に送り出す許可を出していいかどうか悩む話です。年端も行かない少女たちを戦争に派兵し人殺しをさせることに良心の呵責を感じることになります。悩んだ末に教員は生徒たちと面談を実施することを決意するのですが、このイベントはこれまでの分割商法で扱われた各キャラ達をおさらいする機能をもたされています。最終的に、生徒だけを送り出すことに躊躇した教員は、自分が足手まといになるのは百も承知で、派兵先についていくことになります。

 
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  • ラスボス勢の提示
    • 一応今のところのラスボスはエニシ。ハルトと過去に因縁のある人物です。エニシは上手に負けることを要求されていた戦争で、その意図を察せず勝ちすぎてしまったが故に援助を打ち切られ、結果として身籠った妻を亡くしてしまったのです。以来、主人公たちの敵に転じテロリズムを指導するようになります。今回のテロについても明確な目的など存在せず、手段が目的化しているという厄介な相手です。さらにエニシの下には有能だけれども人格的に歪んでいる人々が集結しており、それらが中ボスとして機能を持っており、各ヒロインに撃破される対象となるんだろーなということを匂わせています。
    • 色々な中ボスが用意されていますが、個人的に印象に残っているのが幼児性愛者の神父。一つの国のようになっているテロ組織において教育を担当しており、男児は全て訓練と称して山に捨て、女児を囲って知識と教養を与えて自分好みに仕立てあげるという狂気さよ。一般版でなければ絶対凌辱入ってたよなぁと思わせる設定です。

 
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  • 「平和慣れすることでの戦争の起こりやすさ」
    • 以上のようにグリザイアファントムトリガー第七巻はヒロインたちのおさらいとラスボスの提示という側面が強いので、シナリオ的には盛り上がりに欠けます。(※勿論いつものグリザイア式テキストは面白いですよ?軍事と食事と二輪とサッカーと説教)。強いてテーマ性らしきものを挙げるとするならば、「平和慣れすることでの戦争の起こりやすさ」ということができるかもしれません。まぁこれまでのグリザイアシリーズでも何回も繰り返し述べられてきているので、第7巻特有のものではありませんが・・・。
    • 第七巻は教員の目線で物語が進行していくのですが、それにより戦争状態と平和な状態での価値観の違いが浮き彫りになっていきます。そして戦争が起こってしまう一因として平和な状態に慣れすぎていること、すなわち平和ボケが挙げられてくのです。そしてそれは衛生兵の救護の場面でも印象深い演出として利用されています。
    • 本作のサブヒロインの中にタイガ様という衛生兵キャラがいるのですが、タイガ様が救護した敵兵が兵士になったことを悔いる場面にご注目ください。平和で福祉も充実している社会で育ったのになぜこんなことをと・・・。それに対する結論が、平和が当たり前になると人々は傲慢になり、些細なことでも苛立つようになってしまうということ。具体的な例としてはカスハラなどが挙げられ、コンビニのレジがモタモタしているだけでもイライラするようになり、ナゲットの付け忘れで人を殺すようになると説明されます。自己本位で自分の事しか考えられない、他人に対する想像力の欠如、そんな感じ。

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