我が姫君に栄冠を 帝国ルート「ノア・グランスター」シナリオの感想・レビュー

ノアを名実共に皇帝として成長させ、外敵の侵攻を防衛して外交的勝利を得る話。
先帝の禅譲で即位したノアであったが院政の影響力は強く継母一族とも確執があった。
気苦労の多かったノアは純朴で誠実な主人公との交流に安らぎを得て心を許していく。
帝国には根強い身分制度が残存し王侯貴族でない主人公はその偏見に晒されることも多かった。
だが主人公が専属になるとノアは宮廷内の問題を乗り越えて皇帝として成長していくのだ。
最後は外敵の侵攻から国土を防衛し、有利な条件で講和を結びハッピーエンドを迎える。

爽快な王道的展開!武力特化型皇帝ノアを支援し防衛戦争を勝ち抜け!

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  • 封建的身分制度が残存する帝国の問題と宮中内での権謀術数
    • 人工神と憑依合体できる異能を手にした主人公は、養父の命で見聞を広めるべく辺境の地から旅立ちます。1周目は強制選択肢であり初めに選べるのは帝国ルートのノアシナリオのみです。ノアは若くして禅譲を受け帝位についた武力特化型の皇帝でした。主人公は養父の伝手で若き皇帝が通う学園の同じクラスになり交流を深めていきます。ノアシナリオでクローズアップされるのが帝国の治世について。お忍びで市街をうろつくノアのお供をすることになるのですが、そこでノアが見たものは、特権身分が他者を見下し高慢な態度をとる社会状況でした。自分が如何に世間知らずだったかを知り打ちのめされるノア。さらにノアの身の回りの宮中では権謀術数が渦巻いていました。ノアは長女でしたが前妻の子であり、継母・継子らと折り合いが悪かったのです。継母は家族の晩餐会で手料理を振る舞うと称して少しずつノアに毒を盛り将来的な暗殺を試みていました。異母弟は芸術特化系の人間であり武力特化のノアとは性格が合わなかったのです。主人公がノアの専属となったことで料理の毒に気付くこととなり、継母の陰謀が明るみに出ます。また権力に取りつかれた実父である先帝が同盟国の連邦をも攻め滅ぼそうと言い出します。苦悩するノアの心を癒すのが主人公の役目。辛い心境を聞き出し、癒し、励まし、皇帝としての自覚を持たせます。父親に対して遠慮をするノアに誰が皇帝なんだ!と叱咤する主人公の場面がグッときますね。主人公により力を貰ったノアは重臣会議で家臣の支持を取り付け、連邦との戦いを中止することに成功するのでした。

 
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  • 外的侵略と祖国防衛戦争
    • 1度は外敵の侵略を防いだノアたち帝国軍でしたが、それを聞いた魔族の長クロネが直々に兵を率いてきます。国境の砦は陥落し、国土も蹂躙されていきます。この国土防衛戦がノアシナリオの真骨頂ともいうべきで、様々な工夫を凝らした異能バトルの戦闘描写が見どころとなっています。中二系異能バトルは表現が難しく塩梅を間違えるとシラケるものになりがちですが、ここら辺はタカヒロ節の真骨頂といったような感じ。爽快感溢れる異能バトルが展開されるので中二系が好きな人にはハマるかと思われます。また戦闘描写だけでなくノアが実父と和解するところも結構好き。先帝は娘に権力を奪われていじけていたのですが、そんな父を見たノアが国家運営に協力するよう叱咤するのです。ノアは実母と生き写しであり、娘の叱咤が先帝に若き日の妻を思い出を蘇らせるのです。こうして先帝とノアは和解し防衛戦への協力を取り付けるという流れです。
    • 一方、主人公は一度は捕虜となるのですが、魔族の長クロネに謁見して気に入られ、戦争解決の糸口を見出します。それはノアたちが魔族の領土に攻め入ろうとしていたから自分たちが先手で攻撃したというもの。これを知った主人公の活躍で、帝国・連邦・魔族の国家指導者による鼎談が実現。物語冒頭に繋がるという流れです。最終的に帝国・連邦合同軍VS魔族で、4人チームの1対1勝ち抜き戦で決着をつけることになります。まぁ主人公たちがの側が勝つのはお約束というワケ。最後は敗北した魔族の長がバーサーカーモードになるも一致団結して撃破して正気に戻して大団円になります。こうして魔族側が稀少資源を差し出すかわりにと帝国が食料・娯楽品を与えるという形で講和条約が結ばれてめでたしめでたし。祖国防衛戦争で活躍した主人公は非貴族身分でありながらも認められることとなり、ノアと結ばれてハッピーエンドで幕を閉じます。

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感想まとめ