アスカさんはなびかない(体験版)の感想・レビュー

属性特化型ピンヒロインキャラゲー。クーデレツンドラお嬢様生徒会長を攻略する話。
主人公くんが通う学校には一人で生徒会を切り盛りするハイスペック会長がいた。
彼女は氷の女王と呼ばれており人を寄せ付けずに孤高を保つデレないクーデレだった。
主人公はひょんなことから監視下に置くという名目で生徒会役員にさせられる。
生徒会での日々の仕事やソフトクリームデート、繁華街での娯楽などを通して好感度蓄積。
だがトラウマ解放少女救済イベントを経ずに告白してしまい一度はフラれることとなる。
しかし関係性変化を望んでいないだけであり、主人公くんを嫌いなわけでは無かった。
こうして主人公くんがアスカさんに好きになってもらうための物語が始まった。
見た目はともかく、なんかヒロインの内面が葉月恋っぽいなと思った。

遊馬隼斗(主人公くん)のキャラクター表現とフラグ生成過程

デレないクーデレ系ツンドラ生徒会長
  • 属性特化型ピンヒロインモノは主人公が大事!
    • 属性特化型ピンヒロインキャラゲーの場合、ヒロインはもとより主人公くんの方が重要。昨今の1on1恋愛モノでは、主人公くんに読者が自身を重ねるのでは無くなり、読者は壁になって二人の恋愛過程を眺めるという消費形態に変化したから。じゃあ本作の主人公くんはどんな男なんだい?最初の辺りでは、彼はそれなりにイイやつで、他人のことを慮ることができるし、クーデレヒロインのムチャブリも何か事情があるのだろうと察してあげることもできる。キャラ設定としては悪くないのだが、シナリオを展開する上で暴走を始め、だんだんキナ臭くなってくる。

  • 導入部分が割と雑
    • 主人公くんとヒロイン:アスカの出会いのきっかけは教員から呼称されたことから始まる。主人公くんとヒロインの名前が似ていることもあり空耳アワーにより二人で返事をしてしまうのだ。さらにアスカが落とした手帳を主人公くんが拾ったことから、中身を誰かに喋らないように監視するという名目でむりやり生徒会役員に任命し自分の手元に置くことになる。ここら辺のシナリオ導入部が結構雑で、職員室に遺失物として手帳届けろよとか生徒会役員ってそんなに簡単になれんの?とかツッコミどころ満載。細かい所気にし過ぎているとお話にならないのですが、こういう描写は根幹に関わるので丁寧にやって欲しいな。

  • 結構シナリオ展開は強引で、イベントのためのイベントって感じ
    • 好感度蓄積イベントとしてはソフトクリームデートのチョコミント論争は結構好きでテキストも楽しく読める。だが迷い犬事件はクーデレ生徒会長は犬好きで笑うとカワイイということを提示するためだけに入れた感がある。さらにサッカー部の部費横領問題は主人公くんの活躍のためだけに描かれた感がありかなり強引。しかも主人公くんが活躍したというよりは仲良しなお友達に全部やってもらって解決したので人に頼る人脈力が大事ということを言いたいのだろうけど、主人公くん何もしてねーという印象の方が強くなってしまっている。さらには主人公くんの仲良しお友達グループにアスカが加わり繁華街へ繰り出すイベント。アスカが皆の空気をつまらなくさせてしまったと感じ途中で帰ってしまうのだが、その道中で主人公くんが説教を始め、素を出したらどうだと説く。アスカは氷の生徒会長というキャラを意識して作ってるのに、なぜそのキャラ作りをしているのかを掘り下げない状態で主人公が正論を吐く事しかしないのでちょっと残念。

  • ヒロインと情交を深める作品ではなく、ヒロインに自分を好きにさせる話だった
    • 体験版終局部ではアスカと接しているうちに彼女のことが気になり始めた主人公くんが仲間たちにノセられあれよあれよという間に告白。いやぁ~ダンドリズム~。手帳事件も何一つ解決してないし、アスカさんが何故仮面を被っているのかも扱わず、いきなり恋愛関係になろうとするのですか?まぁ主人公くんは瞬時に断られるのですが……。それでもアスカさんは恋愛関係に成る気がないだけで、主人公くんのことは嫌っていないため、今まで通りの現状維持を望む。これを主人公くんは拡大解釈して、きっとヒロインに自分を好きになってもらって見せると息巻いて体験版版は幕を閉じる。私としてはもっと二人の間の交流を丁寧に描いてヒロインのトラウマを主人公くんが救済し、心を開いてもらうというオーソドックスな方が良かったな……折角ヒロインがデレないクーデレだからヒロイン視点での心情描写をもっと生かせた気がする(一応この作品でもヒロインの心情描写ザッピングでいれてますけどね)。なんか従来の作品と差別化しようとした結果、空気読まない主人公くんが爆誕してしまった感じ。
ここのチョコミント論争のとこは結構好きだった
なぜヒロインは氷の姫君というキャラ作りをしているのか
主人公、速攻告白するも好感度足りずにフラれる。
ヒロインに自分に好きになってもらうために頑張る話になっちゃった
2022年12月ゲー

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