【感想】学園アイドルマスター「第五種接近遭遇」(2024/07/22)を読んだ。

常に他人に刺々しく当たってしまう手毬が持つ本質的な優しさを篠澤広は理解っているという話。
月村手毬は性格に難があり常に他人を見下し侮蔑するかのような言い回しになってしまう女の子。
かつて手毬はデブであったため、それは他人の蔑む視線から自己を守るための手段であった。
だが分別がつく年頃になっても全世界を敵に回すような態度の癖は抜けず周囲からは倦厭されていた。
しかし篠澤広は手毬が持つ本質的な優しさに気付いており手毬に対して友情を感じていた。
プールの時も同様で、扇風機で遊ぶ篠澤広を小馬鹿にした発言は彼女の虚弱体質を気遣ってのもの。
また泳法指導の際には篠澤広の在り方に対して、それを根性あるっていうんじゃない?と認めている。

デブと蔑まれていた過去から周囲に刺々しく当たってしまうという悪癖を持つ月村手毬の本質的な優しさを篠澤広は知っている

篠澤広に刺々しく当たる月村手毬

月村手毬はかつて見苦しい程のデブであり、それ故に他人の蔑みの視線に敏感であった。だからこそ性格は歪んで排他的になり、他者に対して刺々しい発言や態度を取るようになっていった。アイドルを目指して減量に成功したものの肥満体質であることは変わらず過食と拒食を繰り返しリバウンドに悩む日々。そんな手毬の不調はPや咲季&ことねによって解消されていったが、他人に対する侮蔑的な発言は変わらなかった。だが本質的には優しい性格をしており、補習組に対して辛辣に当たるのも彼女達を心配するが故のものであった。このように他者とのコミュニケーション能力に欠ける手毬であったが、メンタリティの強い篠澤広は手毬の本質を見抜いていた。そのため、手毬の嫌味に感じる発言も自分を気遣ってのものであると理解っていたのである。また飛び級をして大人の社会で揉まれて精神的にも成熟した篠澤広は、手毬の思春期的・反抗期的な態度をも気にしない度量があった。
 

手毬をグイグイ攻める篠澤広

そんなわけで篠澤広は暴言を吐く手毬に対してもグイグイ迫る。友達、いつも親切にしてくれる、手毬はきっと私の事が好き、溺れそうになったところを助けてくれた、いつもありがとうと怒涛の攻めを見せ手毬をたじろがせる。さらに水泳の練習の際、篠澤広は手毬に泳法指導の教えを請う。手毬はブツクサ言いながらも何だかんだでキッチリと指導に励み、篠澤広も水を飲んだりヘロヘロになったりしながらも果敢に挑戦いていく。そんな篠澤広の姿勢は手毬の心を打ち、根性があると言わしめる。これに対し、篠澤広は根性あるのとは少し違くて好きでやっているだけと答えるのだが……。手毬はドヤ顔でそれを根性あるっていうんじゃない?とキメるのであった。そんなわけで何だかんだで仲の良い篠澤広と月村手毬の様子が描かれた。

篠澤広の在り方を認めて気に入る月村手毬
第五種接近遭遇

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