ブルーアーカイブ「勘解由小路ユカリ」絆ストーリーの感想・レビュー

厳粛な家庭の箱入り娘である「ですの」系世間知らずお嬢様が先生の手引きで庶民の娯楽を知る話。
家の方針で淑女教育を強いられるユカリは息苦しい生活を送っており、どこかで救いを求めていた。
そんなユカリの息抜き役になるのが我らが先生でありゲーセンに駄菓子屋と遊びに連れ回していく。
自分の知らない世界を教えてくれる先生にユカリはどんどん惚れ込んでいき思慕の念を隠さなくなる。
息抜きはやがて先生と一緒の時を過ごせれば何でも良くなり、先生の仕事を眺めるだけでも心ときめく。
先生との逢瀬は待ち時間すら喜びに変わりこれから会う時を楽しみにする香辛料になっていく。

勘解由小路ユカリのキャラクター表現とフラグ生成過程

自分のために先生が息抜きに連れて行ってくれたことに喜びを感じるユカリ

勘解由小路ユカリは厳粛な家系で息の詰まるような淑女教育を施される女の子。その家庭教育は次第に彼女を蝕んでいき解放を求めていた。そんなユカリの受け皿となるのが我らが先生であり、お嬢様では体験できない庶民派娯楽によりメンタルケアを図っていく。その具体的内容はゲーセンと駄菓子屋。先生はユカリと共にゲーセンに繰り出すと、様々なゾンビ殺しゲーやプライズゲー、アクションゲーやリズムゲーなど様々なゲームに興じていく。また次の日は高級甘味しか摂取した事の無いユカリにしょっぱいお菓子として駄菓子を与るために駄菓子屋へ連れて行く。そこで合成着色料や濃い味付けに染まった色とりどりの駄菓子を見てユカリは目を輝かせる。うまい棒を口にしたユカリはその味付けに感激し、これまで丁寧に育てられてきた上品な味蕾を破壊し尽くされる。さらにまた駄菓子屋で開催される子どもたち向けのゲーム大会を見てテンションが爆上げになり、庶民派娯楽を堪能していくのであった。
 

高級甘味で育ててきた味蕾を駄菓子で吹っ飛ばしてしまう先生

こうして上流階級の世間知らずの娘に、庶民派娯楽を与えて喜ばれる様子はちょっとなろう系っぽいノリ。価値観の異なる人種にこちらのセカイでは一般的な物を与えて簡便に崇拝を得ていくノリである。あと厳格な教育を受けている割にカタカナを平仮名で喋る表記方法でキャラ付けを図っている。それはそれとして、ユカリはこれまで自分が知らなかった世界を教えてくれた先生にゾッコンになっていく。ある日、ユカリは先生と一緒に遊びに行こうと執務室を訪れるも雨で外出できなくなってしまう。それでもユカリにとっては先生と一緒にいることの方が大事になっており、どこにも出かけられなくとも先生の仕事を眺めているだけで幸せを感じるようになる。さらには先生と実際に会っていなくとも先生を想う時間すら尊いのだと思うようになっていく。ユカリは先生と待ち合わせをして1時間も早く来て待っていたのだが、先生を思慕している時間もまた尊いのだという入れ込みようを見せる。後から自分が先生に対してストレートに愛情を吐露していることに気付き、感情を持て余す様子も彼女の魅力なのかもしれない。

先生に好意を告げるユカリ
先生を想わば待ち時間すら尊いものになる