【感想】学園アイドルマスター「次の桜の季節には。」(2024/05/16)を読んだ。

売れ残りコンビ。関連産業で現実路線を考える莉波と未だに輝きたいと願う麻央の対比を描く話。
アイドル養成学園において高3になっても鳴かず飛ばずで売れ残ってしまった莉波と麻央。
一度はデビューが自分だけユニットを外され中古になった莉波はサポート業も良いと考えていた。
一方で過去の栄光に縋り未だに王子様役を夢見る麻央は未だに輝きたいと願い続けていた。
生徒会に入りアイドルを支援する喜びを見い出した莉波は麻央を勧誘するのだが……。
麻央は莉波を尊敬しつつも自分には自分のやり方があると莉波の提案を丁重に断る。
Pと出会わなくとも莉波はそれなりに幸せな人生を送ったであろうが、麻央はヤバかったな。

売れ残りコンビが最終学年に向けて思うことは

莉波と麻央の出会い編

アイドル養成学園に入ったにも関わらず大した成果を上げる事が出来ず、売れ残ってしまったのが莉波と麻央。莉波はユニット内で妹キャラの役を与えられていたが、それを上手くこなせず自分だけ外されてしまった。中古となった莉波は干されてしまうが、アイドルが好きなので関連産業でサポートに回るのも良いかなと現実路線を考え始めていた。面倒見がよく世話好きで優しい莉波にとって生徒会はうってつけの場所であり、生徒会の仕事を通して経験を積み人脈を築いていたのである。

そんな莉波は桜を見て麻央との出会いを思い出し、入学して間もない頃に道に迷った際、麻央に助けられたことを思い出す。また新入生が授業について行けず泣いているのをケアした時に、麻央の思いやりに改めて触れる。これらを通して莉波は麻央なら生徒会に向いていると判断し、勧誘するのだが……。麻央の返事はノーであった。莉波が現実路線を歩んでいるのに対し、麻央はまだ舞台で脚光を浴びキラキラ輝きたいという思いを強く抱いていたのである

麻央は宝塚の男役のような王子様に憧れ、幼少期から子役として活躍して来た。しかし身長が伸びなかった一方で第二次性徴により女性らしい身体つきになってしまい王子様としての麻央は求められなくなる。カワイイ路線なら仕事はあったのだが、固執した麻央はそれを蹴ったため、干されてしまったのであった。JK3になり、もう後がない麻央であったが、未だに王子様に成りたくて藻掻いていた。後輩たちには麻央ちゃん先輩とか言われ、王子様であろうと振る舞うのを嘲笑される始末。だがそれだからこそ、莉波の生徒会の勧誘を飲むことは出来なかったのであった。現実志向の莉波はPと出会わなくてもアイドル関連産業の仕事の口を見つけ、それなりに幸せになれたと予想されるが、麻央はもしPと出会わなかったらオバサンになっても王子様とか言っていたんじゃないか。

新入生に自分の経験を語る先輩ズ
現実路線を考える莉波お姉ちゃん
未だに脚光を求める麻央
次の桜の季節には。

学マス感想まとめ