ひだまりバスケット 代田憧子シナリオの感想・レビュー

ひだまりバスケットの代田憧子シナリオは孤高の一匹狼少女をオープンハートさせるおはなし。
ホントは面白い娘なのに、周囲から孤立し排他的なのはどうしてなのか。
陰湿な嫌がらせに心が削られ、事故で妹に怪我を負わせた石塔を背負う。
啓人は憧子の救いとなれるのでしょうか?

代田憧子のキャラクター表現とフラグ生成過程


憧子は不良のレッテルを貼られ、クラスメイトからも畏怖され、腫れ物を扱うかのようにされる女の子。孤立を孤高と読み替えて何とか自我を保っていたの。だけど、それは表面的なもので、内面は乙女で傷つきやすく脆さを孕んでいた。当初同じ寮に住むようになった啓人も、憧子を周囲の噂どおりに眺めていたが、接するうちになかなかどうして、明るく笑うしいい奴じゃない。運動も出来るし、成績も優秀なのにどうして不良のレッテルを貼られていたの?直接的な要因には、憧子の授業態度に問題があった。授業ツマランし退屈じゃん。進学クラスにありがちなのが、教科書を絶対と信じ込み、それを分かりやすく解説することだけに血肉を注ぐ受験知識型教師。あははっ、そんなん少し詳しい参考書読めば書いてあるじゃん☆授業なんて馬鹿馬鹿しいね。自分の頭で解いた方が早いし、何よりも身につく。じゃあ、学校になんてどうしてくるのさ?別に出席日数満たして赤点とんなきゃいいじゃない。勉強することの動機が受験にしかないなんて、ツマラン。・・・憧子ちんの学校に対するそのような思いを知った啓人が必至になって学校の存在意義を説いている描写は結構心が動かされたね。で、憧子ちんはこんなにも自分のことを気にかけてくれる啓人のことにドキドキさせられっぱなしなわけでして、フラグ成立。



啓人やその仲間たちと接するようになって徐々に明るい感情を取り戻していった憧子。だが、そんな憧子に陰湿な嫌がらせが降り注ぐ。丸くなった憧子がクラスに馴染んでいき、そのポテンシャルを見せ付けるようになるにしたがい、今までの権力者たちにやっかまれるようになっていっちゃった。反応しなければ飽きるだろうと放っておいたのが運の尽き。嫌がらせは次第にエスカレートし、啓人や義妹のかすがにも降り注ぐ。いやー、イジメ問題のシナリオ展開もよくあるテーマですが、読む度にこう、なんか複雑な感情がわきあがってくるね。特にこのシナリオで中身入りジュースの缶を投げつけられたときなんか特に。憧子は嫌がらせの対象の自分が我慢すれば周囲に迷惑をかけずにすむとウジウジしていたが、大切な人が傷つけられれば話は別だ。教室に遊びに来たかすがが脚払いを食らってこけるのを見て憧子は力の制御を解き放つ!!鉄拳制裁、傷つけられる痛みを知れとイジメ解決。このたびのイジメは、憧子が一年の時に孤立していたのを気にかけた優等生が、自分のポイント稼ぎの打算のために、憧子に協調性を持たせようとして失敗したことがやっかみの原因にあった。では、どうして憧子は孤立していたのかという根本的な問題を解決しなければならない。それは、憧子と妹の関係に起因する。過去に憧子は、一緒に出かけた妹が車にはねられた姿を眼前にした。そのとき何も出来なかった自分の無力さをずっと気にしており、家族や妹自身とも気まずくなり、ささくれ立ってしまったのだ。故に問題解決のためには、妹との和解が必要だ。そのためには、憧子は自分自身を許し、自己肯定しなけらばならない。幾度も失敗を繰り返しながら、啓人に支えられ、憧子は自分の弱さを受け入れ妹と向き合うことができました。新学期からは妹とともに学園生活も始まるよっとハッピーエンド。