PriministAr-プライミニスター-の感想・レビュー

PriministAr手芸部のおはなし。体験版では部活動勧誘までプレイできる。
プロローグまでなので登場人物たちの紹介で終了するが、テキストがイマイチ。
物語の目的も提示されず、キャラゲーなのにキャラクター表現も滑っている気がします。
手芸部」を全面に押し出しているわけでもないので何がしたいんだかよく分かりません。
「PIT」というゲーム内でゲーム内BBSを眺めることがウリなのでしょうが体験版では体験できません。
えーっと、歌は良かったです。

雑感

 

  • 男モブキャラたちが部活動を中心とする学生生活の世界観をぶち壊している
    • プレイしていて一番面白みが感じられないのが男モブキャラの活動。音声付きで物語りの世界観をぶち壊してくれます。主人公くんがヒロインと交流しているシーンで、こいつらがでてくると、とても萎えてしまいます。おそらくライターさんは男モブキャラの嫉妬や羨望を表すことで、ヒロインが周囲から承認され評価が高いことを示し、そのヒロインたちを主人公くんが占有するという欲望を喚起しようとしているのでしょう。ですが、共感できないこと限りなし。いちいちモブキャラが癪に障るので途中から音声をOFFにしてしまいましたよ。猥談で文化部棟スク水化計画とか妄想話でやるならまだしも、女キャラが居る前で平然と口に出し校内放送で流すとか、笑えもしないテキストです。学園生活を描くという手段においても台無しにしてしまっています。


  • キャラクター表現が残念
    • まともなヒロインは幼なじみと手芸部仲間の二人。あとは何か学園のミスヒロインだとか勘違い従者とか淫乱ピンクとか。主人公は平然とセクハラまがいのラッキースケベを繰り出すのですが、とりあえず異性の身体に触れさせとけ!!って感じで情緒がまったくありません。これだったら折角料理上手で奉仕系の幼なじみがいるんだから、手作り食事のエピソードの一つでも入れてくれればよっぽど良かったかと。朝起こす→朝ご飯のコンボ、昼のお弁当で一緒に食べて膝枕でお昼寝、手芸作品を作りながら夕ご飯を待つ主人公くんの図とかいくらでも食事がらみの場面なんて用意できるだろうというのに・・・「ソフト部からもらったバットケースにたくあんがぎっしり詰まってて幼なじみにお裾分けをする」とかどんなシュチュエーションだよ!?とか思います。あと勿体ないのは主人公くんの手芸仲間ですかねー。一番キャラクター造詣の中でぐっときたのですが。攻略ヒロインたちがなし崩し的に入部していくのに対して、手芸仲間ヒロインはもともと主人公くんと部活を作り上げてきたのですよ?だったらこの手芸部仲間との馴れ初めや、主人公くんが手芸を指導するシュチュ、二人で一つの作品を作り上げるとかやってくれても。物語の目的が無いキャラゲーなんだから、薄ら寒いドタバタシーンよりももっと人物像の掘り下げやってキャラの魅力を提示して欲しいところ。


  • 手芸部モノなのに全然手芸しない
    • 専門的な話をネタにして体験談とか交えている作品って面白いですよね?『動物のお医者さん』とか『高杉さん家のお弁当』とか『デンキ街の本屋さん』とか。・・・手芸部モノなんだから手芸してくれよ!?主人公くんは結局、色々な理由をつけて部活動勧誘のための作品に手をつけることさえしませんでした。計画性なさ過ぎー。手芸スキルが高いという設定で、手芸をバカにされて啖呵を切るシーンや淫乱ピンクの破れたスカートを修繕するシーンは用意されていましたが、手芸の作品を何一つ作らない・・・。手芸部ものの作品では『タペストリー』があり、これもまたあんまり手芸をしませんでしたが、その作品は死生観を描くことを趣旨にしておりました。ですが『PriministAr』は手芸部を拠り所にしたキャラゲーなのですから、主人公くんが新入部員たちに手芸をレクチャーして簡単な作品の一つでも作るという場面を入れてくれればまた違ったのかもしれません。