アストラエアの白き永遠「夕凪一夏」シナリオの感想・レビュー

一夏シナリオは「お姉ちゃんコンプレックス」と「自己有用感」。
劣等感の強いイモウトは異能を手にしてお姉ちゃんにかまってもらえるようになったけど・・・
それは能力を示さなければ切って捨てられてしまうという危惧感に苛まされること。
案の定、異能を喪失した一夏は精神崩壊をするが、主人公くんに肯定されて救われる。
結局は姉との行き違いも誤解だということが分かりハッピーエンド。

夕凪一夏のキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 自己有用感の喪失
    • 夕凪一夏は賑やかし系担当の元気っ子。明るく振る舞い主人公くんへもゼロ距離射撃で接してきます。しかしながらそれは一夏が気丈に振る舞っているが所以の姿。ホントウは人一倍の寂しがりやでお姉ちゃんにコンプレックスを抱えつつもお姉ちゃんが大好きでそんなお姉ちゃんと疎遠になってしまいお姉ちゃんかまって欲しいよ状態だったのです。そんな一夏に転機が訪れます。なんと一夏は姉が研究している異能を獲得したのです!すると、どうでしょう?仕事人間でイモウトを顧みなくなったお姉ちゃんが毎日夕飯を共にしてくれるようになったではありません。さらに異能の稽古を主人公くんにつけてもらううちに好感度も高まってきます。他者受容願望を満たし、自己肯定感を得た一夏は張り切ります。しかしながら一方で夏は時々不安に苛まされ続けます。もし自分が異能を喪失したら姉も主人公くんも自分から離れて行ってしまうのではないかと。案の定一夏の異能は固定化せず喪失してしまうのですが、それでも一夏の傍にいてあげれば好感度はMAXさ。しかしながら異能が喪失するとお姉ちゃんは再び帰ってきてくれなくなったのでした。



  • 姉との関係を再構築
    • 自分は姉の研究対象にしかすぎない。それは一夏にとって分かっていたものの衝撃的なことでした。そして一人きりのクリスマス。はい、ここで巨人の星を連想した人、挙手。野球人間だと宣告された星飛雄馬が戦友たちとクリスマスを過ごそうとパーティーの準備をするものの誰も来てくれないという展開。飛雄馬は自己の存在価値を野球でしか示せないのだと。一夏もクリスマスの準備をしたものの姉は帰ってきてはくれず、自分の存在価値は異能にしかなかったのだと思い知るわけですね。そこへ主人公くんが男を魅せて突撃「Pity is akin to love.」=「可哀想は惚れたってことよ」(漱石)。フラグ成立。主人公くんと懇ろな関係になり穏やかな時を過ごす一夏でしたが、やはり姉の問題は突き刺さりこれを克服しなければ一夏は自立できません。そこへ姉の転勤のお知らせ→連れて行ってもらえず・・・。一夏は再びショックを受けるのですが、姉も一夏のことを思っての行動だと確信した主人公くんは一夏が姉に会いに行けるようにお膳立て。腹を割って話そう。姉は理屈屋さんなので口実や理由がないと愛するイモウトと接することが出来なかったと告白。こうして実はお互いを想い合っていたのね!!ということでハッピーエンドを迎えるのでした。