雑録

アイデンティティ

ルリのかさね「いいちこ√」の感想・レビュー

孤児院育ちのバイト戦士女子大生がアイデンティティの確立に悩む話。短め。 バイト戦士だったのは資本蓄積をすることを通して自分の存在証明をするため。 しかし溜まった預金通帳を前にした時には、単純労働しかしてこなかった自分には何もないと知る。 幸せ…

月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!「銀色ヤンキー、原宿に現る」の感想・レビュー

自己を束縛する服飾の固定観念から解放され価値観の多様性を学ぶ才華くんのおはなし。短め。 webを利用した受注・生産・供給の形態をとるネットショップで才華くんは発注を取るのに悪戦苦闘。 従来専攻のオートクチュールではなく日常で着用することを主眼と…

はるるみなもに!「雷神√」の感想・レビュー

自分がこれまで依拠してきた「自己の存在証明」を捨てアイデンティティ崩壊した少女のはなし。 レゼンデートルがなくなり宙ぶらりんになった少女は愛する男に自己の生きる意味を見出す。 一方主人公くんは神職であることから女神を性的に見ることを抑圧して…

枯れない世界と終わる花「コトセ編」の感想・レビュー

自己の死を正当化すべく、友情のために自己犠牲死して、感情の欠落を取り戻させるはなし。 流行り病から逃れるため人間のコトワリから逸脱して世界を維持する天使となった少女を解放せよ。 主人公くんが最初に救済するのは信号機ヒロイン(赤・青・黄)のうち…

Re:LieF〜親愛なるあなたへ〜「グランドエンド」の感想・レビュー

残酷な現実世界に再チャレンジするために仮想世界で自己の存在証明をするはなし(手段はピアノ)。 日向子・流花までは資本主義社会によって潰された若者がテーマであったが、後半は適応障害へチェンジ。 グランドエンドでは家庭環境が不和で学校空間でも排斥…

Re:LieF〜親愛なるあなたへ〜「帚木日向子√」の感想・レビュー

人生の苦役に対し、女による自己肯定で救いを見出そうとするはなし。 卑屈すぎる主人公くんの自然主義的な醜いまでの内面的葛藤に共感できなくもない。 ヒロインと自己を比較し苦悩しながらも、ありのままの自己を受容するのも良いかと思う。 しかし現実には…

千恋*万花「常陸茉子シナリオ」の感想・レビュー

伝奇パートの犬神の呪いを題材に「自我を放棄し諦念に安住する少女」を救済するはなし。 茉子が恋に目覚め近代的自我の確立をしていく所はともかく、伝奇パートがおざなりな様に感じます。 結局茉子√だけでは犬神の謎も完全には解けませんでしたしね。他√で…

月に寄りそう乙女の作法2「エスト=ギャラッハ=アーノッツ」シナリオの感想・レビュー

承認欲求・自己顕示欲が強い秀才少年が他者を想う心を育むはなし。 「つりおつ」ルナ様エンド後に「おとりろ」のりそな√後を交ぜた世界で、遊星とルナ様の長男:才華が主人公。 才華が完璧超人お姉様として慕われるので雰囲気としては「おとぼく」に近いかも…

恋×シンアイ彼女「姫野星奏√ 終章 Last Episode」の感想・レビュー

社会人編。文芸と音楽というそれぞれの創作活動のため平穏な日常を捨て去り人生を捧げるはなし。 職業召命観がテーマ。音楽のために命を捧ぐ星奏と追いかけ続ける主人公くんの執念はグッとくる。 一人はツライとこぼした星奏がそれでも孤高で挑むその姿。星…

花咲ワークスプリング!「上月柑南シナリオ」の感想・レビュー

メイド的実存についてのはなし。進路選択に悩む柑南を支えてあげましょう。 メイドという役職に依存していた少女がメイドを辞めるとき何を思うか? メイド以外の選択肢を与えられて苦悩した結果、メイドであり続けることを主体的に選択。 †柑南「私は、メイ…

花咲ワークスプリング!「空森若葉シナリオ」の感想・レビュー

富裕階級コンプレックスのお嬢様は個人として承認されると好感度マックスなの。 お嬢様としての自分ではなく、若葉本人を見て欲しいとの欲求に応えましょう。 親友からの関係性変化モノで終わることなくアイデンティティの確立まで扱います。 最後はモヤモヤ…

花咲ワークスプリング!「不知火祈シナリオ」の感想・レビュー

孤独を孤高と読み替えるハイパーツンドラめんどくさい少女のココロを雪融けさせる話。 祈さんシナリオを読んでいくと「どうみても祈さんは自分です」と思うプレイヤは多いかと。 『山月記』読んでると「李徴は俺か!?」と思うのと同じパターンですね。 「自…

アストラエアの白き永遠「夕凪一夏」シナリオの感想・レビュー

一夏シナリオは「お姉ちゃんコンプレックス」と「自己有用感」。 劣等感の強いイモウトは異能を手にしてお姉ちゃんにかまってもらえるようになったけど・・・ それは能力を示さなければ切って捨てられてしまうという危惧感に苛まされること。 案の定、異能を…

サキガケ⇒ジェネレーション「敷島なつめ」シナリオの感想・レビュー

いらん子扱いされた他者受容願望の強いドジっ子お姉ちゃんが存在意義を肯定するはなし。 ゲームをくだらないと決めつける親に反発し、能動的に自分の将来の進路を決定する。 魔法工学の領域を研究し、その先駆けとなるのだとハッピーエンド。 おそらく時系列…

カルマルカサークル「夏目暦シナリオ」の感想・レビュー

カルマルカサークルの暦シナリオは「存在理由の希薄性」。 自分で選ぶことを諦め、他人に人生を委ねてきた少女の主体性を回復させよ。 自分の存在に合理的な必要性を求めるヒロインに対して、無差別無償の愛を説け。 主人公くんが全力で少女の存在理由を肯定…

カルマルカサークル「高坂夕姫羽」シナリオの感想・レビュー

カルマルカサークルの高坂夕姫羽シナリオは「アイデンティティ拡散の危機」。 自分の生きる意味を喪失し、この世を等しく無価値と断じる少女を救済せよ。 不自由なく生きられる管理された箱庭を選ぶか、主体性のある茨の道を歩むかを決断する。 生きる意味な…

天色アイルノーツ「白鹿愛莉」シナリオの感想・レビュー

天色アイルノーツの愛莉シナリオは、「アイデンティティ拡散の危機」。 目標を見失った留学生の力になってあげましょう。 この愛莉シナリオは他のシナリオと違ってキャラ崩壊が激しいです。 キャラ同士の掛け合いのテキストも結構滑っているように感じます。…

グリザイアの楽園「ブランエールの種」の感想・レビュー

何にせよ、やっぱり面白いなぁと思ってしまうグリザイアシリーズ。 グリザイアの楽園の「ブランエールの種」√は、「少女救済のその後」のはなし。 前作で主人公によりトラウマから解放されたヒロイン達が、今度は逆に主人公を救済するというパターンです。 …

王雀孫『俺たちに翼はない』の感想・考察・レビュー

いやっほぅ王雀孫最高!!と言わざるを得ないが一般人にはお勧めできない『俺たちに翼はない』。シナリオの結論だけあらかじめ述べれば、「多重人格の少年が女に自己肯定されることによって社会に適応できるようになる」というおはなし。しかし多重人格とい…