雑録

ゴールデンマリッジ「天谷玲」シナリオの感想・レビュー

天谷玲シナリオは「ヴィオラのコンクール」物語。
ご都合主義なノリも多々あれど、きちんと音楽や楽器を掘り下げていたので楽しく読めた。
世話好きな主人公くんが惚れた女のために甲斐甲斐しくサポートするのも嫌な感じはしない。
コンクールの発表直前に主人公くんが一緒に音楽がやれて楽しかったと述べるシーンはグッとくる演出。
まぁ、あまりにもサクサクしすぎで、苦悩や煩悶や負の側面が一切無くて、あっさり感は否めない。

天谷玲のキャラクター表現とフラグ生成過程

天谷玲はヴィオラに命を捧げる音楽家。行動は猪突猛進で目的の為なら突っ走る系の少女です。しかしながら音楽に対しては真摯に臨み、どんな努力も厭いません。そんな玲のシナリオはほとんど一本道で其れ即ち「ヴィオラの発表会に主人公くんと一緒に挑戦する」こと。主人公くんは伴奏のピアノを弾いて、玲のサポートに徹していくわけですね。音楽家モノで物語の目標が発表会だと『シンフォニック=レイン』を思い出します。一つの目標に向かって二人三脚、力を合わせていくうちに、そこに情愛が芽生えていくってもんよ。ですがまぁ、「困難が発生する→二人で解決」という構造はいいとして、イキナリ突発的に単発のイベントを差し込んでる感が拭いきれません。時系列を無視して思いつくままに列挙するとこんな感じ。

  • コンサート目指して修行編
    • 主人公くんに依存しすぎて主人公くんが過労
    • 主人公くん、玲をサポートすることに喜びを感じる。
  • 崇拝する音楽家
    • 主人公くんのブルジョワパワーでコンサートチケットゲット
    • 発表会の採点者が崇拝する音楽家に急遽代わったので曲目も急遽変える
    • そしてその音楽家が病気で採点者として出られなくなる
  • ライバルの出現編
  • 弟子入り編
    • 発表会では2位だったので1位のライバルと共に崇拝する音楽家の前で曲を披露
    • 音楽性の違いを指摘されるも、名声が欲しいとぶっちゃけて弟子入り
    • 成功して帰国しハッピーエンド

こんな感じでサクサクとシナリオが進んでいくのですが、それでもヴィオラの大きさについての蘊蓄だとか、ヴァイオリンとチェロの隙間を埋めるための楽器がヴィオラだとか、そういう話しがあったので表面的になぞってるだけではなかったので楽しく読めた感があります。そして最後に主人公くんのスピーチを引用して感想を終えておきます。「結果が出る前に言っておくよ。天谷さんと一緒に音楽をやれて本当に楽しかった。ピアノを弾くのも、もともと嫌いじゃなかったけど、こんな真剣に向き合ったのは初めてだよ。なんていうか、新しい楽しさを見つけた気がする。ありがとう」